トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成24年1月4日水曜日)
ページID:40479更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 知事コメント 発表事項以外の質疑応答 |
知事
新年明けましておめでとうございます。皆さまそれぞれに良いお年をお迎えになったことと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
これからこの1年間の県政運営の基本方針について、お話を申し上げるわけでございます。あらかじめお断りをしておきますけれども、先ほど皆さんもお立ち会いになった庁議におきまして話したことと中身は重複するわけです。このことをご了解いただきたいと思います。
年が改まったからといいまして、県政の基本方針が変わるわけではございません。高浜虚子の有名な「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの」という俳句がありますけれども、その言葉どおりに年が改まりましても、今年も「チャレンジ山梨行動計画」などに定められた既定の県政基本方針に則りまして、着実に県政を推進していきたいと考えております。
今年もまた、取り組むべき課題はたくさんあるわけであります。例えば、リニア中央新幹線につきましては大きな課題がクリアできて、いよいよ早期着工に向けてJR東海が環境アセスメントを実施するので、県としてバックアップしていくことと同時に、リニアを最大限活用した県土づくりを進めていかなければならない。そのための指針としてリニア活用基本構想を今年は作成したいと考えております。
富士山世界文化遺産につきましては、まず国民運動、県民運動を盛り上げまして、日本国民が挙げて富士山を世界遺産に望んでいることを世界にアピールしていくことと同時に、今年の夏にもイコモスによる現地調査が予定されているわけですありますけれども、これにしっかりと対応していかなければならないと考えております。
クリーンエネルギーにつきましては、いよいよ今年1月に米倉山のメガソーラ発電所が開所いたします。また6月には、三井物産グループによりまして米倉山とほぼ同規模のメガソーラ発電所が着工するわけであります。こうした太陽光発電に加えて小水力発電あるいはバイオマスの活用、あるいは家庭用燃料電池といったクリーンエネルギーのウィングを拡げて振興を図っていかなければならないと考えております。
それから国民文化祭につきましては1年後にスタートになりますので、今年1年間準備に万全を期していきたいと考えております。
防災対策につきましては東日本大震災の教訓を踏まえて、昨年、地域防災計画を大幅に見直ししたわけでございますけれども、今年はこれに則って具体的な防災施策を実施していく年になるだろうと思っております。
その他、諸々の課題がございますけれども、行動計画に則って着実に推進していきたいと考えております。
とは言うものの、最近の経済・社会情勢の変化に伴いまして、今年度、特に力を入れていかなければならない課題も当然ございます。それを私は3点、申し上げさせていただきたいと思っております。
1点目は、産業興しでございます。山梨県は昭和50年代の後半に中央道が全線開通し、それに伴いまして機械電子産業をはじめとする先端産業が一挙に立地したわけでありまして、製造品出荷額の75%を機械電子産業が占めるにいたって、機械電子産業によって、ここ20年間、山梨の経済と雇用を中心的に支えていただいてきたわけであります。しかしながら我が国の機械電子産業は昨今の状況を見ますと、新興国の企業の追い上げを受けているわけであり、また異常な円高の中で経営環境は極めて厳しい状況になっているわけであります。したがってこれからも機械電子産業が本県の主力産業であっていただかなければなりませんし、そのために県としても最大限のバックアップはしていくわけでありますけれども、ただ機械電子産業だけに経済と雇用を依存していくことではなくて、それ以外の様々な新しい産業を興して、全体としていわゆる富士山型から八ヶ岳型の形に産業構造を多様化していく大事な時期に来ていると思っているわけであります。そのような意味で、私は昨年の3月でありますけれども、山梨県産業振興ビジョンを策定いたしまして、今後山梨において成長発展する産業を11領域お示しし、中小企業の皆さんに経営革新をお願いしたわけであります。ただ、ちょうどそのころ東日本大震災が発災したために、そちらの方のいろいろな課題に手を取られたこともありまして、山梨県産業振興ビジョンの具体化のための施策が必ずしも十分に行われなかったと思っております。したがって今年は山梨県産業振興ビジョンを具体化していくための産業興し、産業振興のための諸施策を県庁挙げて推進していきたいと考えております。
2点目は、人口定住の促進に力を入れたいと思います。山梨の人口は、平成13年頃に89万人をピークにいたしまして、その後、人口は減少に転じ、年を追うごとに減少が加速している状況であります。この原因は言うまでもなく、1つには我が国全体が人口減少社会に入ったことに伴って、いわゆる出生と死亡を引いた数字、自然減が年々拡大してきていることがございます。この人口の自然減はこれを止める有効な手だてがないわけであります。しかしながらもう1つ人口減少の原因として、社会減と言われておりますけれども転出超過があります。これが近年、大都市への人口集中が再び起こってきておりまして、そのことに伴って山梨県においても年間だいたい2千人ぐらいの人口の流出があるわけであります。この自然減を止めることはできないけれども、全体として人口減少が地方の活力低下の一番大きな原因になっておりますので、自然減は止められないとしても、社会減についてはなんとか縮小する、止めていく、そして社会増減をゼロにもっていくことが必要だと思うわけであります。そのためには、先ほど申し上げた産業興しによって雇用を創出することが、まず大事でありますけれども、それだけでなくて従来から行っていますIターン、Uターンとかあるいは2地域居住というような都会の人口を山梨への呼び込み策、それと山梨の若者が都会へ出ていくものをできるだけ抑える策といったものを進めていく必要があると思っております。このことは既に行っていることでありますけれども、もう1回全体を見直して、人口定住施策をしっかりと進めていくことが必要だと思っております。
3点目は、山梨の顔ともいうべき甲府の中心部の化粧直しであります。特に甲府駅の南部の地域は山梨の顔と言っても良いわけであります。この地域の装いが今の装いになったのは、今から25年前のかいじ国体の時に整備されたのでありまして、それ以来ほとんど景観は変わっていないわけであります。しかしそろそろ新しい都市計画のいろいろな手法とか知見を取り入れて、この地域を再整備していく必要がある、そういうときに来ているのではないかと思っております。既に甲府駅南口周辺地域修景計画というものを甲府市と一緒に策定する作業を進めているところであります。内容は駅前広場、平和通りをどう整備していくのか。それから県庁の敷地の中をオープンな公園に、公園化していきますけれどもそれをどうするのか。防災新館をどう活用していくのか。さらには県庁の東側にある駐車場をどのように整備していくのか。それから甲府城とその周辺地域の整備をどうするのか。そのような課題があると思いますけれども、そういうものについて、この際、大きな方向性というもの、ビジョンと言いましょうか、そういうようなものを今年は関係者の皆さんに議論していただいて、方向性を固めていくという年ではないかと思っているところであります。
以上、今年の県政を進めていく上においての、私の基本的な考え方を申し上げたところでございます。皆様方には今年もいろいろな形でご指導いただいたり、また、ご支援を賜らなければならないわけでありますけれども、引き続き今年も志を新たにして全力投球して参りますので、ご指導を賜りますようよろしくお願いして私の新年のあいさつとさせていただきます。
記者
先ほど3点、今年取り組んでいく課題を挙げられましたが、その中で甲府駅の整備ですが、これは、今、周辺整備計画があるのですけれどもそれとはまた別の基本構想をつくって行くということでしょうか。
知事
周辺整備計画の基本となるビジョンです。大きく言うならば周辺整備計画の中に入るわけでありますけれども、その基本となる、あるいは前提となる大きなものの考え方は、これは例えば担当は県土整備部ですけれども、県土整備部だけではなく、県庁を挙げて、またこれはもちろん甲府市の皆さんにも参加していただき、あるいは商工会議所等の経済界、あるいはまちづくりの関係の皆さん、そういう方々に参加してもらって大きな方向性についてコンセンサスを得ていくことになると思います。周辺整備計画の基本構想、基本ビジョンです。そういうもののコンセンサスを得ていきたいという意味です。
記者
甲府市南側の整備についてですが、中心街に人が集まらないという課題が非常に叫ばれていますけれども、そのことも踏まえて今回の整備にいたるということなのでしょうか。
知事
中心市街地の活性化の問題も含めておっしゃるとおりです。
北口につきましては甲府市を中心とした努力によって街並みが整備され、それから今年は図書館もできる。そうなると他の県での新しい図書館をつくったときの例として、50万人とか60万人ぐらいの人々が年間集まってくるので、北口については一定の整備の見通しが立ってきたわけであります。
そうすると今度は南口について、長年、25年来の大きな変化が無かったわけでありますが、これを中心市街地の活性化というのはソフトの事業が中心になりますけれども、その前提としてのハードです。そのようなものをどのようにもっていくのかについては県が所管する部分はもちろんありますし、また市が所管するものもありますから、これは県市対等で一緒になって大きな方向性のコンセンサスを得ていくということが大事だと思っております。
記者
県庁の敷地の公園化についてですが、これは建物も含むのでしょうか。それともただ庭の話をされているのでしょうか。
知事
公園と言えば、夜中はどうするのかはともかくとして、いつ何時も土日も含めて一般の県民の皆さんが入って、そこに憩うことができる空間ということです。
建物となると、例えば土日、建物の中まで誰でもそこの中に入っていいかとなるとそれは少し警備上の問題もありますから、建物の中にまで入ってということについては限定的になると思います。ただ、今の別館については、以前から方針を示しておりますように、中を修復し再整備しまして昭和の初めに建てられた当時の姿に復元していく。別館には例えば大理石にアンモナイトの化石があり、非常に文化財としても面白いものなのです。
したがってそのように復元し、その中には山梨近代偉人館という甲州財閥であるとか、あるいはいろいろな日本の近代というものをつくってきた山梨出身者は大勢いるわけでありますけれども、そういう人々を検証するような記念館もつくっていく。そういうものについては土日でも中に入って一般の県民の皆さんに見ていただくということは当然あると思います。
しかし、通常の執務空間については公園としてオープンにするということは警備の問題もあって限界があると思います。
記者
公園をつくる狙いは何でしょうか。
知事
1つにはものの考え方として、県庁はできるだけ県民に開かれたものであるべきである。県民の共有財産でありますから、できるだけ県民が使っていただけるような空間であるべきだとすれば、県庁のこの敷地は甲府市の南部地域で重要なスペースを占めているわけであります。例えばここを通行することによって岡島(百貨店)方面に行くお客さんも当然出てくる、お城に行くお客さんも出てくるということもありましょうし、基本的には県民の共有財産ですからできるだけオープンにして、県民に有効に活用していただくべきだということがあります。
それからもう1つは、都市計画的にみて大変大事な場所にありますから、都市計画的にみてもこの中心市街を活性化するために有効に使って行かなければならない、その2点だと思います。
記者
消費税の増税を柱とした社会保障と税の一体改革の法案を、先ほどの首相の年頭会見でもあったのですが、今年度末までに提出したいという意向があって、一方で国会議員の定数削減と国家公務員の人件費削減のことについて、それが前提という明言はされていないのですが、この法案を提出するに当たって、当然その2つは最低でも前提であるべきかどうかということについて、お考えを伺わせてください。
知事
総理大臣がどういう言い方をしたかは分かりませんけれども、新聞報道その他で見ているかぎりにおいて、また国民の意識として、消費税を上げる以上当然、国会議員の定数削減と、この間決まった国家公務員の7.8パーセントの給与カットは、当然その前提であることだと思います。
総理大臣の発言とか文章表現がどうであれ、その2つは当然の前提としてなすべきことだと思っております。
記者
細かいのですが、定数を削減する場合、どれくらいの削減が適切だと知事はお考えになりますか。
知事
国会議員の定数問題は、80削減するとか、いろいろな議論がなされておりますけれども、これはなかなか難しいです。少なければ少ないほどいいのかと。例えば、衆議院議員480人いるけれども、それが100人でいいのかと言われればそういうものでもない。やはり国民はいろいろな考え方、職業、生活状況を持った方がおられるわけだから、そういういろいろな国民をまんべんなく代表するには、やはり一定の数の国会議員が必要だということは当然あります。しかし、今の数では少し多すぎるのではないかということは当然あるわけで、これは国会議員にとっては一番関心がある事項でありますから、与野党でよく議論して決めてもらうべきことであって、私がどれくらいが適当かという考え方を持っているわけではありません。
記者
今日からまた明野処分場の抗議活動が再開されましたけれども、新年になってからの県としての抗議活動に対する知事のお考えをお伺いできればと思います。
知事
年末にも申し上げたのですが、まず1点は年末に反対派の皆さんと会って話をしたときに、幾つかの疑問点とか質問とか、あるいは要請とかがありましたから、これに対しては県として、事業団として回答しなければなりません。これは誠実にきちんと返事をしたいと思っております。これはなるべく早くやりたいと思っております。
それからもう1つは、今日も抗議行動があったようでありますけれども、やはり明野の処分場はオープンするという方針でありまして、産廃業者から搬入があればそれを受入れるということであります。それに対して妨害行動があったわけでありますけれども、再々申し上げておりますように、そういう道路交通法違反とか、あるいは刑法の威力業務妨害罪とか、そういうような違法行為によって搬入を止めるというようなことは、これは法治国家ではあってはならないことであり、いつまでもそれが続けられるようなものではないと思っておりますので、このことはねばり強く説得をしていかなければならないと思っております。
記者
なるべく早く回答ということなのですが、今の段階で回答の見通しは立っているのでしょうか。
知事
それほど時間がかからずに、ここ数日のうちにできるものと思っております。
(以上)