トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成23年4月21日木曜日)
ページID:37067更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
みなさんご案内のように東日本大震災の発生後に、県内の観光客が大幅に減少しておりまして、例えば、3月においては、平年に比べて7割から9割の減少をしております。4月に入りまして少し回復はしておりますけれども、依然として平年に比べれば6割から8割ぐらいの減という状況であります。とりわけ外国人旅行客が、ほとんど平年の1割ぐらいの水準になっているというような状況でございまして、県内の観光業界が大変に深刻な厳しい状況になっているのはご承知のとおりであります。
本県としては、震災後には、これまで被災地のみなさんのご苦労というものを思いまして、観光客誘致の取り組みを自粛してきたわけでありますけれども、しかし、今申し上げたように、観光業界が非常に深刻な、これ以上放置できない状況になっているということ、それからやはり被災地を復興していくためにも、被災地以外の地域が元気になって、日本全体が元気になっていかなければならないということもありますし、さらに観光にとって非常に大きな制約になっておりました、いわゆる計画停電が4月8日からこれを行われないということになった等がありまして、本県としてはここで震災1ヶ月を過ぎたということもございますし、ゴールデンウィークを前にしたこの時期から観光客の積極的な誘客というものに取り組んでいきたいと思っております。
具体的には、先ず、4月26日に私がJTBの本社に行って、社長に山梨県への旅行の企画、あるいは観光客の送客をお願いするわけでありますが、連休明けには、日本旅行とか、あるいは近畿日本ツーリストといったところにも、同様の要請をしたいと思っております。
また、インバウンド観光が大打撃を受けているという状況でありますので、国に対して要請を行いまして、過剰な各国の反応、放射能等に対する過剰な反応があるわけでありますから、そういうものを是正し、風評被害というものをなくしていくというPR努力というものを国にしていただかなければならない。同時にこういう時こそ、訪日観光客を増やすための大規模なキャンペーンというものを国において是非、実施していただきたいと思いまして、そういうことを観光庁に要請したいと思っております。
併せまして、次のページでありますけれども、4月下旬から5月にかけまして、市町村や観光協会や観光事業者と連携しながら、首都圏、中京圏、関西圏の旅行社などを集中的に訪問いたしまして、山梨の観光をPRしていく、観光キャラバンを実施していきたいと思っております。さらに高速道路のサービスエリアとか富士の国やまなし館、あるいは各種のイベント会場などでの観光キャンペーン、観光案内というものを積極的に実施していくこととしております。
さらに、この富士北麓、それから八ヶ岳南麓では、従来かなりの修学旅行が入っていたわけでありますけれども、これがどうも(県内で最も受け入れが多い富士河口湖の主な旅館・ホテルだけでも)1万人ぐらいキャンセルされたという状況であります。したがって、この修学旅行は中京圏・関西圏が多いわけでありますけれども、中京圏・関西圏の教育委員会に対して、本県は観光上なんら問題もないということをよくよく説明する文書を送付するということと同時に、主要な市町村の教育委員会に対しまして、県、そして業界のみなさん、あるいは市町村と一緒に訪問して、本県の安全性について理解を求めていきたいと思っております。
以上、当面の対策としてこういった観光客誘客についてのPR活動の強化をしていきたいと思っております。
以上であります。
記者
今のお言葉の中で、修学旅行のキャンセルが1万人とありましたが、山梨に入ってくる数でしょうか。
知事
そうです。山梨に入ってくる、特に富士河口湖町(における主な旅館・ホテル)です。こういうところでの修学旅行客のキャンセルが、この3月、4月でそのくらいの数があると聞いております。
記者
それともう1点ですが、今回トップセールスなどのこうした働きかけで、5月以降の観光集客人数、例えば前年並みにしたいとか、前年何十パーセントまで回復したいとか、そういう数字的な目標というのはあるのでしょうか。
知事
そういう数字的な目標は、今は持っておりません。最大限努力していくということであります。
記者
全国知事会長選について、お伺いしたいのですが、京都府の山田知事と埼玉県の上田知事が立候補している状況なのですが、今のところ支持を表明になられていたら、そのお考えと、その理由もお聞かせください。
知事
埼玉県の上田知事を支持したいと思っております。その理由ですけれども、上田知事自身も言っていることですが、当面、我が国の最大の課題は、東日本大震災への対策となると思いますが、やはり被災地に近いところの方が、いろいろな情報は入ってきますし、より現地の感覚に対する緊迫感も共有できる立場にある。したがって被災地に近い方がより良いのではないかということが1点。もうひとつは、上田知事は、私もよく知っておりますけれども、国会議員の頃から非常に全国各地、過疎地域などを歩き回って生の情報を取る努力をしておられる。例えば、早川町などにも来て、私もたまたま国会議員の時に早川町のあるイベントで会ったこともあるのですけれども、そのように非常に行動力のある前向きな方でありますので、地域主権とか、その他諸々の課題について地方の立場でも主張を積極的に実現するように、前向きな努力をしてくれるだろうと思っているからであります。
記者
先日の公正取引委員会の方から、建設業者に対して排除措置命令が出された件に関連して、昨日、県の方に経済あるいは雇用の関係団体から処分の軽減を求める陳情が送られてきたと思うのですが、今後、こうした陳情を受けて、どのような対応を取られていくのか、処分の軽減などを検討する余地があるのかどうなのか、お考えをお伺いしたい。
知事
おっしゃるように、JA山梨中央会、県商工会連合会、県商工会議所連合会、県中小企業団体中央会、それから連合山梨、そういった経済・労働団体のトップの方々から要請・意見書が出されたということであります。本県の経済界を代表される方々のご意見でありますから、指名停止の期間を短縮するかどうかはともかくとしまして、そのような皆さんのご意見は充分検討しなければならないと思っております。
記者
もう1点なのですけれども、今回の事件を受けて、県の入札制度のあり方に関してなのですけれども、現在、入札参加を建設事務所管内の業者に限定した地域要件があると思うのですけれども、今後、地域要件を見直していくお考えをお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
知事
本県の入札制度は、全国的にも決して遜色のない相当進んだ制度を取り入れていると思っております。ご指摘のように地域要件がある。8,000万円以下の工事については、全県ではなくて、それぞれの地域にある業者を一般競争入札の参加資格とするという地域要件でありますが、この8,000万円も全国的にみて決して高すぎるということはない。どこの県でも地域要件は取っているということであります。そのようなものを取っ払ってしまうと、大手の方がどうしても力が強くなりますから、一方において中小零細建設業が圧迫されることになりますから、小さい工事については地域の実情をよく分かっている業者が仕事をするのが望ましいことから、地域要件が課せられているわけで、これは全国どこでも行なっている、本県の地域要件の作り方は決して全国的に引けを取るものではないと思っております。
しかし、おっしゃるように、確かに検討の課題のひとつだと思います。ただ、今は、公正取引委員会からの命令が出されたわけでありますけれども、これに対して対象の業者の方は、これを了解していなくて、これに対して異議を申し立てているということで、これから公正取引委員会での審判だとか、さらに場合によっては裁判というような中で、本当のところが明らかにされていくことになるわけであります。公正取引委員会の命令内容は、もちろんでありますが、今後の審判の状況をみながら、入札制度のどのような点をどう改善していったらいいのか検討していきたいと思っております。
記者
質問が前後して恐縮なのですが、先ほどの処分を軽減するかのことに関連して、処分の軽減に対して、県民感情として受け入れられないとの声も一方ではあろうかと思うのですけれども、それでも指名停止期間の短縮を含めて検討するお考えをお持ちなのかという点と、処分軽減で取りうる手段というのは、指名停止期間の短縮ぐらいなのか、それ以外の手段をお考えになられているのかについてお伺いしたい。
知事
指名停止期間の短縮とか処分の軽減とか具体的にどのようなことを行なうのか、今の段階で決めているわけではなくて、公正取引委員会の命令の内容とか、もちろん経済界等の意見を含めて、総合的に処分内容を検討しているところであります。いずれにしても4月中には指名停止の処分をしたい。したがって今の段階で、どのような方向で検討しているとか、具体的な指名停止期間などは、まだ申し上げることができる段階ではないことをご理解いただきたいと思います。
記者
先ほどの観光の話に関係するかもしれないのですが、毎日、放射線量を甲府の衛生環境研究所で測っていますが、これを北麓地方でモニタリングポストを設けたりとか、北杜市の方で設けたりとか、そのようなお考えはお持ちでしょうか。
知事
今のところ、環境放射線量は1箇所で、大気については衛生環境研究所で大気を測り、水質については、甲府市の平瀬浄水場の水質を測っているわけです。今のところ検査機器が1台しかないものですから、あまりたくさんは測れないわけです。1回測るのに6時間かかると聞いておりますから、現在、測定機器を発注しておりまして、大分品不足のようですけれども、できるだけ早く2台目を購入したいと思っております。今の段階では、検査能力的にそう多く増やすことはなかなか難しい。先日、東京で水道水に高い濃度のもの(放射性ヨウ素)が出たときに、東京に近い上野原で水質を測りましたけれども、そのくらいのことが1台の検査機器では目一杯でありまして、2台目になれば、さらに検査能力が高まりますから、ご指摘のようなことも考えられるかもしれませんけれど、別途それ以外にいろいろな検査を行なわなければならない面もあります。例えばですが、要請が来ているわけではありませんが、ワインを輸出するときに輸出ワインの検査も行なったらどうかとか、他にいろいろなものがあるだろうと思いますから、今の段階で2台目が入ったからといって、おっしゃるようなことができるかどうか分かりませんけれども、少なくとも検査能力が高まることは間違いありませんので、検査の充実は図っていきたいと思っております。
記者
知事選の時の話なのですが、知事が公約で掲げられた2巡目の国体開催について質問します。今年でちょうど(かいじ国体開催から)25年が経ちまして、県内スポーツ界で2巡目国体の早い時期の開催を求める声が、今、取材の中で出ています。理由としては、当時の関係者がちょうど25年経って、指導者や選手だった方々が50、60歳から70歳代になって、どうしても当時の流れが切れてしまう。そして、その人達が完全にリタイヤして退く前に、良い流れを切らさないために、新たな目標を早期に設定すべきという中で、そういう声が出ています。まず、そういった声に対して知事のご所見を教えてください。
知事
おっしゃるように、かいじ国体が昭和61年、1986年に開催されましたから、25年経つということであります。私もマニフェストに掲げましたけれども、是非、2巡目の国体はチャレンジしたいと思っているところです。そこで、いろいろと検討させているのですが、やはり47都道府県がありますから、だいたい40年から45年くらいのサイクルで、2巡目の国体は廻ってくるということだろうと思います。そうすると、本県の場合には25年経ちましたから、あと15年から20年後ということになるわけでありますが、ちょうどその頃、リニアの開通もあるということもありますから、そういうことも念頭に置いて、2巡目の国体というものを目指していきたいと思っているところです。具体的に、今、何年とかそういうことまでの目標があるわけではありませんけれども、おっしゃるように、スポーツ振興のためには目標があった方がいいということは当然ありますし、やはり一定の目標を持ちながらみんなで努力していくということは意義があることだと思いますから、2巡目の国体を意識しながらこれから進めていきたいと思っております。
記者
先ほど15年から20年後とおっしゃいましたが、20年後の国体である場合に、山梨があと開催できる年が、2022年、2028年、2031年。そして山梨が所属する東ブロックがちょうど11年後に立候補すれば可能性としてはあるのですが、さらにその後の2028年、2031年は、知事がおっしゃるように、ちょうど40年から45年後という形になるのですが、そうするとどうしても流れが一回切れてしまうという危惧される声がスポーツ界にはあるのですが、そういう意味では2022年に立候補する場合は、だいたい10年の準備が必要とされるので、来年くらいまでにある程度の準備、検討を進めれば、(2022年開催の)可能性としてはあると思うのですが、2022年の開催についてはどのように思われますか。
知事
おっしゃるように、立候補は10年先の年度について立候補するのが通常です。だから2022年に開催したいということならば来年くらいに立候補しなければならないということになりますが、まだ少し早いのではないかという感じはいたします。立候補するのにどの程度の準備が必要なのか分かりませんけれども、もう少し2巡目の国体というものを意識しながらいろいろな検討して、そして然るべき時期に立候補するということにしたいと思いまして、少なくても来年すぐに立候補だということは、少し早いのではないかという感じがしております。
記者
そうすると2022年(開催)というのは知事の頭には一切なくて、2028年か2031年に開催するということしかないということでしょうか。
知事
だいたい40年から45年というサイクルをどこの県でもとっているようでありまして、そのくらいのレンジでものを考えたいと思っております。
記者
いずれにしても1回開催するのは、どうしても施設だとか選手の雇用だとかお金がかかる中で、効果をより上げるためには、いつか1回やらないとならないならば先にやるという方法論もあると思いますが、それも一切あり得ないということですか。
知事
2022年ということは私も今、頭にはありません。
記者
それは検討した上で、今ないという形なのでしょうか。
知事
具体的に検討した上でないと言っているわけではありませんけれども、今、聞かれましたので、2022年ということまでは、私の頭にはまったくなかったということであります。
記者
今後検討する中で、可能性として出てくることはあり得るのでしょうか。
知事
もちろんそういう可能性を全く否定するわけではありませんけれども、来年すぐに立候補するということはやや早い。県民の方から見ても唐突な感じを受けるのではないかという感じはしておりますけれども、その辺はよく検討してみたいと思います。
記者
1巡目国体は箱物をつくる、選手でスポーツを普及するという効果があったと思うのですが、2巡目国体と意義が多少変わってくると思いますが、知事が思われる中で1巡目国体と2巡目国体の意義の違いを教えてください。
知事
おっしゃるように、施設としては大体ありますし、国体そのものが非常にスリム化してきている方向にあるわけでして、そのような中で、県民こぞってのスポーツ振興を目指していくことになるだろうと思います。
具体的に、どのようなものにするのか、県によっては子供達のスポーツクラブなどをできるだけたくさん組織化していったりとか、あるいはトップアスリートを育成する、福岡県でしたか、そのようなことを行なったりとか、いろいろな試みをしておりますけれども、本県も国体を行なうことになれば、結果として、国体が意義のあるものになるようにしていかなければならないと思います。かいじ国体は、もちろん本県のスポーツ振興にも非常に役に立ったことがありますけれども、同時に山梨県がかつては後進県といわれたものが、かなり順調な成長をして、成長のピークの頃の昭和61年の時点で行なった、非常に成功して、県民の間に自信と誇りを植え付けることになったと思います。そのような意味で、意義のあるものだったと思います。そのような意義のあるものを目指していかなければならないと思います。
記者
最後にもう1点だけ、マニフェストの中で「2度目の開催実現に向けて取り組みます」とありますが、今後の4年間で具体的にどのような取組みをされますか。
知事
具体的な取組みとしては、いろいろな市町村、県民の皆さん、スポーツ界といった方々の意見をできるだけ幅広く聞いていく、集約化していくこと。それからおっしゃるような大きなコンセプト、何を目指していくか、そのようなことについての県民のコンセンサス作りが大事だと思います。今、おっしゃったスポーツ界の皆さんの中に、そのような前向きな意見があるわけですが、県民全体として是非そうしていこうというようなコンセンサスができることが何よりも大事でありますから、そのような気運を盛り上げていく、醸成していくことが大事だと思います。
(以上)