トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成23年4月27日水曜日)
ページID:37141更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 配付資料「平成24年度国の施策及び予算に関する提案・要望について」 配付資料「『防災体制の見直し』について」 発表事項以外の質疑応答 |
知事
去る4月15日、公正取引委員会から独占禁止法違反として、峡東地域の建設業者36社に、排除措置命令及び課徴金納付命令が出されました。
対象業者の多くは、この命令を不服として、今後審判請求していくと聞いておりますが、公共工事の発注において、独占禁止法に違反する行為があったとされたことは極めて遺憾であります。
県では、指名停止等措置要領に基づき、対象業者のうち34社を本日より12ヶ月の指名停止に、また残りの2社を本日より15ヶ月の指名停止としたところであります。
また、今回の公正取引委員会の排除措置命令を受け、当該事業者や建設業界に対し、今後二度とこのようなことがないよう関係法令の遵守や企業倫理の徹底を厳しく指導するとともに、入札制度における公正で自由な競争の確保に向けた取り組みを進めていくこととしております。
ところで、東日本大震災の影響等により、本県においても観光産業をはじめとして経済活動に大きな影響が生じており、峡東地域においても石和温泉の観光客の大幅減少など厳しい状況にあります。
このような状況の中にあって、今回の指名停止措置により、対象業者はもとより、下請会社や資材販売業者など取引企業等の経営が悪化し、地域経済や雇用にさらなるダメージを与えることが懸念されます。
また、同様な懸念から寛大な措置を求める要望が、県中小企業団体中央会や連合山梨など各種団体からも多数寄せられているところであります。
こうしたことから、県といたしましては、当面、今回の指名停止措置に併せて、地域経済の安定と雇用の維持を図るため、対象事業者や取引企業への円滑な資金繰り等を金融機関等に要請するとともに、経営や雇用に関する相談の充実や新たな分野への進出の促進など各種の支援策を講じて参ります。
また、今後、今回の指名停止措置による峡東地域における経済や雇用への影響について注視し、大きな影響が生じた場合には、さらに必要な措置を講じていくことにしております。
その後に資料が付いておりますけれども、これを説明させていただきます。4ページ目の資料でありますが、これは独禁法違反行為に伴う指名停止措置の本県の制度の概要であります。
ご案内のことかと思いますけれども、指名停止につきましては、山梨県の場合には、指名停止の時期は公正取引委員会の排除措置命令の発出あるいは課徴金納付命令が発出されたときには指名停止するということになっております。そして、指名停止期間は12ヶ月から24ヶ月と定めております。一方、中央公契連モデルというものがあります。その下に注がありますけれど中央公契連というものは、中央公共工事契約制度運用連絡協議会というものの略称でありまして、公共工事を発注している主体、国とか都道府県とか市町村とか、あるいは独立行政法人など公共工事を発注している主体の集まりであります。その中央公契連が指名停止のモデルというものをつくっておりまして、ほとんどの国、都道府県はこの指名停止措置要領として、この公契連モデルに従って、つくっているということであります。
中央公契連モデルは指名停止時期は同じでありますが、指名停止期間が3ヶ月から12ヶ月ということになっております。したがって、この都道府県の指名停止措置要領は公契連モデルに基づいてつくっておりますけれども指名停止期間だけが違っているということであります。山梨県の場合の指名停止期間はなぜ違っているかといいますと、平成18年12月18日に全国知事会でこの指針というものが出されまして、知事会としてこれでやっていこうというものが決まりました。これによりますと、この指名停止期間については12ヶ月から24ヶ月にしよう、12ヶ月以上にしようという知事会の指針が出されたので、山梨県としては指名停止期間についてその知事会の指針に従っているということであります。
全国の状況をみますと、10の都県が指名停止期間3ヶ月以上、5の県が6ヶ月以上、2つの道県が9ヶ月以上、22の県、山梨県も含めまして大部分の県が12ヶ月以上という指名停止期間をしております。7府県はさらに厳しくて18ヶ月以上、1府は24ヶ月となっております。こういう状況であります。
次に公正入札違約金というものがあります。これは談合が認定された場合には違約金を課することになっているわけであります。その請求の時期は、排除措置命令または課徴金納付命令が確定したとき、つまり公正取引委員会から命令が出されてそれを業者サイドが受諾したとき、または、不服があるときには審判請求というものを事業者は公正取引委員会に出すわけですが、その審決の確定があったとき、それにさらに不服があるときには今度は裁判所に訴訟を提起することができるわけでありますが、その判決が確定したときに違約金を課するということになっております。この違約金についての割合は契約額の20パーセントとしております。これも基本的には、先ほどの公契連モデルによっているわけでありますけれども、違約金の割合についてはこの全国知事会指針に基づいて本県も決めているということであります。全国の状況をみますと、山梨県を含む36の道府県が20パーセントとしているということでありまして、要するに言いたいことは、本県の指名停止に関する措置要領というものは、大体全国の大勢に従っている平均的なものであると、一部には本県のこの指名停止が極めて厳しいという考え方がありますが、厳しいことは厳しいですけれども決して全国的なものに比べると大体全国平均的な水準になっているということを示しているものであります。
その次のページに公正取引委員会による排除措置命令に関連して嘆願、要請がたくさんのところから出されているということであります。山梨県中小企業団体中央会、商工会連合会、商工会議所連合会、農業協同組合中央会、連合山梨、建設業団体連合会、建設業協会、土地改良協会、治山林道協会、そして県民並びに従業員等の署名が約80,000人寄せられております。
最初のページに指名停止措置の概要が書かれております。重複いたしますので説明はいたしませんが、一点だけ、大部分の34社については12ヶ月で、2社だけが15ヶ月になっている。その2社というのが、*印にも書いてございますが、天川工業という会社と風間建設という会社であります。これは、平成18年に指名停止が1回行われております。これは、談合ではなく、労働安全衛生法違反あるいは建設業法違反の指名停止でございましたが、そうした場合には、この指名停止の期間が要領に基づきますと加重されることになっており、そんな事情で15ヶ月とされているということであります。
それから一番下にございますように、この指名停止通知書につきましては本日午後1時30分から県庁北別館で交付することにしております。また、建設業協会に対して指導の徹底を要請することにしておりまして本日午後3時から県土整備部長室で行うこととしております。
最後に各企業別の指名停止の期間が一覧表になっております。
以上であります。
記者
先ほどのコメントの最後の部分で、峡東地域における経済・雇用への影響について注視して、大きな影響が生じた場合には、さらに必要な措置とおっしゃっていましたけれども、必要な措置とはどのようなことを念頭に置いておられるのかと、大きな影響が生じたということを判断する状態はどのようなことが想定されるのかお伺いしたいと思います。
知事
具体的にさらに必要な措置というものを、どのようなものが考えられるのかということでありますが、例えば、今回当面すぐに行ないたいと思っておりますのは、金融機関等に対しまして、中小企業は資金繰りが止まると、すぐに倒産してしまいますから、資金繰りについて、できるだけ金融機関において支援してくれるような要請をする。あるいは、金融だとか経営だとか雇用について相談窓口がございますが、そのようなものを徹底して、現在のいろいろな支援措置をできるだけ手当てしていくことを考えているわけであります。
さらなる措置となりますと、ひとつは金融関係については、現在の制度、商工業振興資金を活用していくしかないわけでありますけれども、今、東日本大震災関連で金融措置もかなり充実されてきております。先日発表させていただきましたが、県のセーフティネット貸し付けで、従来5,000万円まで無担保だったものを1ヶ月間の間に売り上げが20パーセント以上落ちたときには、さらに3,000万円無担保でプラス貸し付けるようにした制度もできておりますし、国もいろいろなことを考えておりますから、そのようなものをフルに活用して、金融面で支援することがひとつあると思います。
それから雇用面で失業等がかなり増えてきたときには、今考えておりますのは、緊急雇用創出事業がございます。これを最大限活用して、例えば峡東地域なら峡東地域で、緊急雇用創出事業を重点的に起こして、離職者・失業者に対して、新しい雇用機会を確保していくことが考えられると思います。
それから2番目の質問として大きな影響が生じた場合を具体的にとのことでありますが、これはなかなかどのような基準というものが、例えば雇用が何パーセント減ったとき、あるいは離職がどのくらい増えたときとか、具体的な数字を、今持っているわけではありません。全体として見て、現在時点で石和温泉の観光客の大幅な減少をはじめとして、現在かなりのダメージが地域経済にあるわけでありますけれども、それにプラスして、これの影響がどの程度あるのか、そのようなものをみながら全体として総合判断して、これは放置できないというようなときには、今申し上げたようなさらなる対策を取っていくということであります。
記者
指定停止措置に関連してですけれども、他県では経済への影響などを考慮して指名停止期間を結果として打ち切った自治体もあると聞いてますけれども、先ほど言う大きな経済への影響が生じた場合、今回の処分を将来にわたって短縮する可能性はあるのか、あるいは無いと言い切れるのかの点についてお伺いしたい。
知事
指名停止期間を短縮することは、今の段階では考えておりません。しかしながら大事なことは地域経済であり、また雇用でありまして、今申し上げたように、その地域の経済・雇用にとうてい見過ごすことができない非常に大きなマイナスが生じてきているときには、県としても放置することはできないわけでありますから、そのようなときにはいろいろな限定をつけることなく幅広くいろいろな措置を検討していかなければならないと思っております。
記者
今回の処分についてですが、9つの団体から処分の軽減などの要求があったと思うのですが、それは突っぱねた形になっていると思うのですが、それはなぜでしょうか。
知事
突っぱねたわけではなくて、そのような要望があったからこそ、当面の措置として、地域経済の安定、雇用の安定を図るために、例えば資金繰りの支援とか、その他諸々の支援策を講じていくという当面の対策を取っていくということでありますし、また将来、そのような団体が心配しているような経済・雇用への大きな影響が生じたときには、その時点において適切な対策を取っていくということでありますから、その団体からの要望は充分踏まえて、今回の対応をしたと、私どもとしては考えております。
記者
処分の短縮は図られていなかったのですが、12ヵ月以上で、これはなぜでしょう。
知事
県の制度として、先ほど申し上げたような経緯から、談合については12ヵ月から24ヵ月と定め、そしてそれは全国的にみても大勢として、そのような考え方で各都道府県も行なっており、制度としてそのような制度になっているわけでありますから、その制度に従って、指名停止措置は行なっていかなければならないと思っております。ただ、今話がありましたように、確かに他の県あるいは市町村において、経済情勢というようなものから短縮している例もあります。大事なことは、その地域の経済あるいは雇用でありまして、その地域の経済・雇用がとうてい看過することができないような非常に厳しい状況になったときは、県としても対応は考えていかなければならない。今の時点で、どうするということは申し上げられないわけでありまして、この地域の経済・雇用の状況をよくよくみながら、厳しい状況になったときには、必要に応じて適切な対策を取っていかなければならないと思っています。
知事
「平成24年度国の施策及び予算に関する提案・要望」については、先ほどの庁議において、東日本大震災関連項目7、その他の重点項目7、合わせて14項目の重点項目を決定しました。
引き続き「暮らしやすさ日本一」の県づくりを進めていく上で、重要かつ迅速な対応が必要な施策・課題のうち、制度の創設や財源措置など、国における取り組みが必要となるものについて提案・要望することとしたものであります。
提案・要望項目の選定の考え方でありますが、東日本大震災への対応について、緊急に提案・要望する必要があるために、重点項目の中に、東日本大震災関連項目という区分を設けました。その他の重点項目については、本県独自の課題であり、かつ緊急な対応を要するものを中心に、厳選をして選定したところであります。
なお、今年度の新規項目は、東日本大震災関連項目では、全ての項目が新規項目であり、その他の重点項目では、「新規就農者の確保対策」が新規項目となっております。
5月11日に上京いたしまして、県関係国会議員などに対しまして、提案・要望項目について説明した上で、ご支援・ご協力をお願いすることにしております。
内容につきましては、お手元に7枚紙の資料があると思いますが、それに内容が書かれておりますのでご参照いただきたいと思います。
知事
本日、「山梨県防災対策推進会議」を開催いたしまして、「防災体制の全面的な見直し」について、全庁的な体制での対応を指示したところであります。
また、5月18日には「山梨県防災会議」を開催いたしまして、本県の防災対策の基本となる「地域防災計画」の見直しを行っていくこととしております。
東日本大震災では、マグニチュード9.0いう国内観測史上最大の地震が発生いたしまして、震源に近い東北地方を中心に、甚大な被害が生じております。また、津波災害や原子力災害など予測をはるかに上回る事態が発生したところであります。
本県におきましては、東海地震の切迫性が指摘され、富士山も仮に噴火ということになりますと、かなり広い地域での災害発生が懸念されますので、広域的な防災対策を確立していく必要があります。
県民の生命・財産を災害から守るため、県をはじめ公共機関などの果たすべき役割を改めて見直しまして、防災体制をよりしっかりしたものにしていかなければならないと考えております。
その上で、災害の予防対策、応急対策、復旧対策など必要な見直しを行い、防災対策の充実強化を図って参ります。
このため本年度は、まず1点目として「山梨県地域防災計画」の見直しを年内に行い、2点目として県庁の防災に対する具体的な施策を取りまとめた「やまなし防災アクションプラン」というものがありますが、この全面的な改定を9月までに行なうこととしております。
今後は、東日本大震災の教訓や国の動向等を踏まえて検討を進め、実際の災害時に実効性のある防災体制の構築に向けて取り組んでいきたいと考えております。また、早急に対応可能なものや対応が必要とされるものは、この見直しを待つことなく6月補正予算に計上して順次着手をしていきたいと考えております。
記者
昨日、全国知事会の会長選挙がありましたが、横内知事は上田埼玉県知事を支援されていたかと思いますが、結果的に京都の山田知事が会長になりましたけれども、この結果についての受け止め、あるいは今後期待することなどについてよろしいでしょうか。
知事
私としては、当然、隣の県というよしみもありますし、同じ関東知事会でよく人柄も承知しておりますし、上田知事を国会議員の頃からも知っていて、過疎問題などに熱心に取り組んでこられた、非常に行動力のある人だと思っておりますから、上田知事が適任だと思って支持したわけでありますけれども、結果的に山田京都府知事が知事会長に選任されたということであります。山田知事ももちろんよく知っております。この方は、全国知事会の地方分権推進委員会の委員長をしておられて、全国知事会の中で地方分権推進委員会が当面の課題の最重点で重要な委員会だったわけでありますが、それをしっかりとまとめておられて大変能力のある方であります。そのような意味で、山田知事に決まったということで、そのこと自体、私としても立派な全国知事会会長になるのではないかと期待しております。
記者
先ほどの全国知事会会長選に加えてお伺いしたいのですが、もう少し具体的にどのようなところに期待するのか、喫緊で震災の関係とか地域主権などがあると思うのですが、上田知事ではなくて山田知事に期待するところを具体的に教えてもらってもいいでしょうか。
知事
自治省の出身でありますし、今は総務省ですけれども、内閣法制局参事官などもやって非常に法制度にも詳しい方でありますし、東日本大震災がありますから一時期、地方分権、地域主権の立法化が頓挫しておりますけれども、これからいろいろな地方分権関係の法制度をつくっていかなければならないという時期だと思いますので、政府と対等な立場で議論して、そういう法制度の整備を推進していただけるという意味で期待したいです。これからいよいよ法制化していく時期ですから、この方の努力によって地方分権の制度化が一段と進むということを期待しています。
東日本大震災の関係は、全国知事会がとりまとめ役を果たすと言ってきたわけでありますが、(前)麻生知事会長、そして震災の関係は泉田新潟県知事がまとめ役ということで、この2人は一生懸命におやりになったと思っておりますが、どうも全国知事会の事務局の動きがいまひとつ鈍くて、我々山梨県が具体的に全国知事会の事務局にいろいろな相談をしても、打てば響くようにこの点についてはこうしてくださいとか、そういうところが返ってこない。結局、仕方がないから直接、被災地に、例えば職員を派遣していろいろニーズを調べさせたり、あるいは各省庁からいろいろな、例えば医者や看護婦を派遣してくださいとか、建築の診断士を派遣してくださいとか、各省からのニーズによって派遣するということがあったわけであります。会長そして泉田委員長の心意気は良かったのですが、なかなか事務局がスムーズに動いていないという感じがしておりまして。是非、山田知事は緻密な方ですから、大震災についても全国知事会として被災地と各県との仲介役をしっかり果たせるように頑張ってもらいたいと思います。
(以上)