トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成23年5月24日火曜日)
ページID:37425更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 14時から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
本県の廃棄物最終処分場については、本年6月議会までに、リサイクルの進展による産業廃棄物最終処分量の減少等の状況を踏まえて、明野・環境整備センターの将来的な収支の見通し、並びに、次期・境川処分場の将来的な収支等を見通した基本的な方向性についての考え方を明らかにすることとしてきたところであります。
これらの廃棄物最終処分場に関する問題について、本日午前中の県議会の全員協議会において、議員各位に説明申し上げたところであり、併せて記者発表させていただくものであります。
本県では、平成5年に「公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針」を策定し、環境政策、産業政策の両面から必要な施設として、最終処分場の整備に取り組んできたところであります。
こうした中で、平成21年5月に本県初の公共関与の処分場として、明野・環境整備センターが操業を開始したわけでありますが、リサイクルの進展等に伴う産業廃棄物最終処分量の減少によりまして、廃棄物搬入量が当初計画を大幅に下回ることになりました。21年11月のことでありますが、環境整備事業団が設置した経営審査委員会から、最終的に約35億円の赤字が見込まれるという報告をいただいたところであります。
この明野・環境整備センターは、現在、昨年10月の漏水検知システムの異常によりまして、廃棄物の受け入れを停止し、原因究明等の作業を進めているところでありますが、今回の収支計画の再見直しにおきましては、当面、本年10月から受け入れを再開するということを仮定いたしまして、再推計を行ったところであります。
その再推計の結果でありますが、まず、廃棄物の搬入見込みについては、漏水検知システムの異常検知に伴う廃棄物の受入停止等の影響によりまして、計画期間の5.5年間では、経営審査委員会が見込んだ8万3千トンから、1万6千トン少ない6万7千トン、当初計画23万トンの29.3パーセントに廃棄物の受入量は止まると見込まれます。
このように搬入見込量が減少することに加えまして、平成22年3月に行った廃棄物受入料金の引き下げとか、漏水検知システム異常の原因究明作業などの状況変化を踏まえまして、収支計画の再見直しを行った結果、5.5年間で埋め立てを終了した場合の最終の赤字額というのは、経営審査委員会が示した約35億円から12億円程度拡大し、約47億円となることが見込まれ、非常に厳しい状況に置かれているものと認識しております。
このため、県といたしましては、今後、原因究明作業をできるだけ早く完了させまして、廃棄物の受け入れを再開させた上で、平成22年2月議会で表明した方針のとおり、引き続き、廃棄物の搬入促進に向けた取り組みを推進するとともに、再開後の廃棄物の受入状況を一定期間、見極めた上で、埋め立て期間延長について、地元の皆様と協議をお願いして参りたいと考えております。
なお、漏水検知システムの異常検知の原因究明が困難、または、原因究明作業が長引いてさらに受入停止期間の長期化が見込まれるという場合には、その時点において、改めてセンターの方向性について検討を行うことといたします。
また、今回の収支計画の再見直しでは、当面、原因究明作業に係る経費等については、事業団が負担するということで推計を行ったところでありますが、今後、責任の所在を明らかにした上で、原因者への求償も視野に入れて負担の在り方を検討していく考えであります。
次に、環境整備センターに続く笛吹市境川町の次期処分場についてでございます。甲府市等4市のごみ処理施設と一体的に整備するということといたしまして、平成29年中の操業開始を目指して、県と4市等が共同して、これまで環境影響評価等の作業を進めてきたところであります。
しかし、環境整備センターの現状や産業廃棄物最終処分量の減少等の状況を見据えますと、埋め立て容量を60万立方メートルとする現行の整備計画の見直しが必要であると考えております。
次期処分場に搬入が見込まれる廃棄物量について、環境整備センターの搬入実績や、県内市町村等が見込む一般廃棄物の最終処分量等に基づいて推計を行いましたところ、操業開始予定の平成29年から20年間埋め立てるということにした場合に、産業廃棄物が33万トン、一般廃棄物が35万トン、合計で68万トンになりまして、これを容量に換算すると63万立方メートルとなりますが、現行計画の施設規模に見合う搬入量を確保できるものと見込まれます。
一方、収支については、廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物と一般廃棄物の経理を区分する必要がありますので、それぞれについて推計すると、産業廃棄物に関しては、次期処分場の埋め立て及び維持管理期間が終了する平成66年時点における最終収支が63億円程度の赤字になることが見込まれます。
また、一般廃棄物に関しては、市町村が処理責任を有しており、必要経費の全額を市町村に負担してもらうことが原則となりますので、次期処分場の一般廃棄物については、収支が均衡することを前提として整備を進めていく必要があります。
産業廃棄物に関し、このように63億円という多額の最終赤字が見込まれるのは、高い安全性を確保するために、施設整備等に多額の経費がかかることに加えて、リサイクルの進展等により、引き続き最終処分量の減少が見込まれること、民間処分場との競合により、投資額に見合う受入料金の設定が難しいことなどが挙げられております。
今後においても、産業廃棄物の適正な処理を確保する必要性が低下するものではありませんが、現行の計画のまま次期処分場を整備することとなれば、新たに県民の税金を多額に投入することが必要となり、厳しい財政状況の中にあって、県民の理解を得ることは困難だと判断いたします。
このため、境川における産業廃棄物の最終処分のための処分場の整備については、当面、凍結すべきものと判断したところであります。
一方、市町村に処理責任がある一般廃棄物については、現在、県内には埋め立てが可能な処分場がなく、県内に広域的な処分場を確保していくことにより、県内市町村が長期間にわたり、安定的に一般廃棄物の処理責任を果たしていくことが可能になります。
こうしたことから、境川の次期処分場については、県内全市町村の一般廃棄物を対象とする処分場として整備する方向で、今後、市町村等との協議を進めることとしたいと考えております。そこで、4市のごみ処理施設の整備にできる限り影響が出ないように、本年10月までに市町村等の意向確認を行い、12月議会において、一般廃棄物処分場の整備方針をお示しして参りたいと考えております。
ただいまご説明申し上げた、最終処分場事業に関する県としての考え方につきましては、6月定例県議会において幅広くご議論いただくとともに、今後、市町村や産業界に対しても、ご理解いただけるようしっかりと説明して参りたいと考えております。
記者
産業廃棄物処分場の処分場に関してですが、県ではこれまで自県内処理を原則としておりまして、そのためにも公共関与の産業廃棄物処分場が必要であると訴えてきておりました。しかし、今回の知事のお考えでは、当面、凍結すべきものとしております。これは県として方針を転換するという意味なのでしょうか。
知事
産業廃棄物処分場につきましては、自県内処理で処理していくということが望ましいことは変わりありません。しかしながら明野の環境整備センターで最終赤字が40億円を超える。そして、それに加えてさらに境川で産業廃棄物処分場として整備すれば、60億円を超える最終赤字になるということになりますと、これは県民の負担は非常に大きなものになるわけであります。産業廃棄物処分場の必要性は変わらないわけでありますが、そういった財政事情、県民負担ということを考えると、境川における産廃処理ということは、当面、凍結せざるを得ないと判断したものであります。
記者
繰り返しになりますが、県としての方針を転換することになるという理解でよろしいでしょうか。
知事
基本的に産廃をできるだけ自県内で処理していくという方針は、引き続き持っているわけでありまして、したがって、凍結という意味は、これを完全に廃止ということではなく、将来、何らかの事情で必要性が高まり、また、県民のコンセンサスが得られるような状況になれば、凍結を解除するということはあり得るわけであります。したがって、方針そのものをまったく変えてしまったということではない。しかし、現状においては、大幅な赤字が予想されるわけでありますから、それにも関わらずこの事業をそのまま進めていくということは、県民の皆さんの理解が得られないと判断して、当面、凍結することにしたものであります。
記者
明野の処分場の方ですが、今回は収支の見通しを示すということで、今後、埋め立て期間の延長については、地元と協議していくというこれまでの知事の答弁などと同じだと思うのですが、現状、具体策は何かお持ちでしょうか。
知事
具体的な策を今、持っているわけではありません。繰り返しになりますが、従来から言っていることでありますが、当面、原因究明を早くやって、そして再開して、その上で、埋め立て量・搬入量を増やすという努力を続けていく。そして、その状況を一定期間見た上で、地域の皆さんに埋め立て期間の延長を協議させていただくという考え方でいきたいと思っております。昨年の2月に北杜市議会の決議があって、その決議においては、まず県が埋め立て量を増やす努力をすべきだと。それ無しに直ちに延長ということは適当ではないというような話もありましたから、県として再開したら、引き続きできるだけ埋め立て量を増やす努力をし、そして、一定期間見た段階で地元に延長の協議をさせていただきたいと思っているところであります。
記者
今回、試算する上で10月から(搬入再開)ということなのですが、原因調査を少なくともどの程度まで、知事としてはっきりさせたいのか、その辺は技術的な面も絡むので、何とも言えないところもあるのでしょうが、その辺の見通しと、それに伴って、一定期間というお言葉がありましたけれども、ある程度原因が分からない場合に、改めてセンターの方向性について検討していかなければならないということを議会でもご説明されたのですが、一定期間をどの程度にお考えになられているのか、2点お伺いしたいのですが。
知事
原因究明調査を引き続き急いでいかなければならないと思っております。そうは言っても、いつまでもずるずると原因調査を続けていても、これはまた問題でありますから、ある時点で原因が究明できるかできないか、その見極めは付けていかなければならないと思いますが、具体的にいつ頃までに、原因究明調査を何月までにやるとか、そのようなスケジュールを立てているということではありません。できるだけ早く原因が分かるように努力したいということであります。そして、今お読みした中にも書いてありますように、もし原因が結局分からずに10月よりさらに先に伸びていくというような状況になったときには、その時点でもう一回どうするのかという議論を再度やって、そして、我々の考え方を議会にお示ししたいと考えているところです。
記者
繰り返しになるのですが、再度お示しするライン、少なくとも年内ですとか、今年度中ですとか、どの程度まで原因が分からなかった場合に、改めて計画を見直さなければならないのか、今のところのお考えをお聞かせください。
知事
それは結局、原因調査の実施状況と言いましょうか、例えばもう少しこういうことをやれば分かるかもしれないとか、いろいろやってみたけれども、結局どうも手が無いということなのか、あるいは少し手間はかかるかもしれないけれども、これをやればはっきりするだろうとか、そういう状況があります。その状況での判断なものですから、いつ頃までということはなかなか言えないわけなのです。その点は是非ご理解をいただきたいと思います。
記者
次期処分場の方ですが、今日の受け入れの試算によると、県内の全市町村の搬入を対象にして試算が出ているのですが、明日、市町村長会議もありまして、理解を求めるところだと思うのですが、全市町村が足並みを揃える必要性が多分にあるかと思うのですが、その辺に対する見解を知事からお伺いしたいのですが。
知事
基本的に私どもとしては、全市町村が足並みを揃えてやっていただきたい、県の考え方に同意していただいて、一緒にやらしていただきたいと思っているところです。これが例えば、半分だとか3分の1の市町村しか参加しないということになれば、一般廃棄物の搬入量が大幅に減ってくるわけですから、採算の面で極めて厳しいことになる。そのことは必ず、一般廃棄物の料金の値上がりにつながってくるわけでありまして、適正な料金にしていくためには、全市町村が参加していただくということが、やはり我々としては大前提だと考えておりまして、そういう方向で皆さんにお話ししたいと思っております。
記者
明野の処分場の使用期間の延長については、時期を見てということですが、延長期間ですが、先程の県議会での説明と我々がもらった資料の中で、参考までに満杯にするためには9年がありましたけれども、この9年というのは一つ地元と相談する上でのベースとなる数字というお考えでよろしいでしょうか。
知事
再三再四、森林環境部長が言っているとおり、決して9年と決めたわけではない。これは、仮に満杯にするとしたら何年になるかという推計をして、9年で満杯になりますという計算の結果を言っているのであって、9年というものを目標にしてやらくてはならないというわけではないということはそのとおりですけれども、将来地元の方とお話しをするときには、この程度の期間埋め立てれば、満杯になるということですから、県としてはそういう線でどうだろうかとか、そういう議論の一つのきっかけ、議論のテーマにはなるのではないかと思います。
記者
境川次期処分場ですけれども、一般廃棄物を受け入れて、産業廃棄物の方は凍結ということですが、整備自体の規模というのは、どのようになるのでしょうか。
知事
整備自体の規模は、面積は産業廃棄物をやめますから、一般廃棄物だけになりますから、搬入する量は減ります。減りますけれども面積そのものはそんなに変わらないのではなかったでしょうか。
森林環境部長
実施設計をしないと分かりませんが、基本的に沢という地形的な構造ですので、明野の事例を見てみますと面積的にはそんなに変わらないと思います。
知事
仮に搬入量が半分になったからといって、必要面積が半分になるということはない。こういう沢につくっていきますから、確かにそういうことだと思います。ただ、もちろん少しは減るかも知れませんが、そんなに大きく減ることはないと思います。
記者
先程の全員協議会でもご説明がありましたけれども、産業廃棄物への公共関与の必要性というのは、変わらないということですが、そういう中で境川は凍結する。県議会議員がおっしゃっていたのですが、そうなると境川の産業廃棄物を凍結するということは、明野の延長がやはり前提になるのかと思いますが、そのところについて見解をお伺いしたいのですが。
知事
必ずしも前提ということは考えていないのですが、明野は明野、境川は境川で判断していくということです。境川の方は、凍結したからといって、明野は何が何でも延長しなければならないという事ではない。相手がある話ですから。それは我々として先程から申し上げているとおり、埋め立て量を増やす努力を した上で、一定期間後に地元に延長の協議をお願いし、誠心誠意お願いするわけでありますけれども、こちらを凍結したからこちらはもうどんな事があってもやらなければならないというようなスタンスではなくて、相手のある話ですから、できるだけ実現するように努力するということだと思います。
記者
そうすると明野の延長協議がどうなるのか、全く分からないと思うのですが、仮にその延長の協議がうまくいかなかった場合というのは、公共関与の産廃処分場が県内になくなるということですけれども、そういった事態は想定されているのでしょうか。
知事
理屈としてそういうことも全くあり得ないわけではないと思います。ご案内のように産業廃棄物の処分場については、全国的に非常に量が減ってきているということがありまして、全国の産業廃棄物処分場の容量も多少ゆとりができているということもありますので、場合によってはそういうこともあり得ないことはないと思います。
記者
そういった事態になっても、それはそれで致し方ないというお考えでしょうか。
知事
それは致し方ないことだと思います。明野は相手があることですから。強引に地域の皆さんが同意されないのに強権力で持ち込んでしまうというのは、やるべきではないと思います。あくまでも理解をいただいた上でやっていく話です。結果として合意が得られなかったということになれば、これは埋め立てができないわけでありまして、我々としては最大限、ご理解いただけるような努力をしていくということになるだろうと思います。
記者
今回、明野処分場の収支の見直しを行ったかと思いますけれども、それを受けて地元との協議をいつごろはじめるお考えでしょうか。
知事
それは、そちらにも書いてありますとおり、原因究明の努力をして、その上で搬入を再開し、搬入再開後はできるだけ搬入量を増やしていく努力をし、搬入量の状況を見ながら一定期間経った時点で、地域の皆さんにこの期間の延長をお願いしていくということになると思います。具体的にいつ頃ということまでスケジュールを持っているわけではありません。
記者
今回の収支の見通しが、10月からの搬入再開を前提として計算されていると思いますが、これは、イコール10月はじめの再開を目指すというお考えでよろしいか。
知事
森林環境部長が再々言っていましたが、10月というのは目標とかではない。仮に今回お約束して、明野の方についても収支見通しを6月議会前に新しいものをお出しするとお約束している。そのお約束を守るためには、ある一定の前提を置かないと計算ができませんから、一応、1年経った10月の時点で再開できるという仮定を置いて計算して、こうなったということであって、10月に再開をすることを行政が前提にして考えているということではありません。
記者
原因の究明に時間がかかりすぎているので、ある程度の目途を決めておいた方がよろしいのではないかと思うのですが、その目途を知事が設定するお考えはありませんか。
知事
それは、非常に技術的なことですので、やりはじめればいろいろなことがあるのです。ただ、それをどこまでやっていくのかということだと思います。
現在は例えば、漏水検知システムが作動した一番の中心を含む8m四方のところで不織布を取り、遮水シートを出して、その遮水シートを目視で確認し、微細な穴が空いているかどうかを調べる負圧試験を行い、しかし、微細な穴が空いている事実は得られなかったということであります。では、次は何をやるのかということですが、これはいろいろと専門家と相談をしているところです。現段階では、いろいろなことが考えられる。極端なことを言えば、どんどん調査する範囲を拡げていくということも考えられるが、これはきりがない。いろいろなことが考えられるわけであって、技術的にもそういうものがありますので、いつ頃までにそれをやるということは、なかなか私としては言えないということであります。できるだけ早く、原因究明をする努力をするということであります。
記者
境川の産廃処分場を凍結する理由として、多額の赤字が発生し、税金投入などの県民負担を考えてということですが、明野も同じように多額の赤字が今後見込まれて、いずれ県民負担となると考えられるのですが、それを踏まえて明野の凍結という考えはないのでしょうか。
知事
今、我々の考え方は、再三、申し上げているとおり、地域の住民の皆さんに埋め立て期間の延長を協議させていただくことであります。ただ、原因究明ができて、再開できることが前提でありまして、それが非常に時間がかかる、困難だというときには、我々としては別途の方針を考えていかなければならないということでありまして、それ以上のことは、今の段階では頭の中に持っているわけではありません。
記者
明野処分場も県民負担が生じることになると、今のところ収支を出されているのですけれども、それにもかかわらず、今のところ明野を続けるという理由は、どういったところにあるのでしょうか。
知事
例えば、今完全に止めれば最終赤字はどうなるのかと。結論的には、あまり変わらないのです。今仮に止めてもあまり変わらない。5.5年で10年管理という計画ですが、それで行って約47億円の赤字です。それをさらに9年延長して全部埋めたときには、プラス5,900万円ということです。ですから、赤字が増えないから、今止めるとかは、推計結果としてはそのようにならない。
記者
先ほど明野処分場で延長できない場合には、当然、県内の産廃は県外に持っていくことになります。それについては、致し方ないとの言葉がありましたが、これまで自県内処理を進めてきた県にとっては、どうも廃棄物行政が元に戻ってしまう印象があるのですが、それについての見解についていかがでしょうか。
知事
それは総合的な判断だと思います。確かに自県内処理が望ましいわけであって、今回のような大きな赤字が出ないのであれば、自県内処理を貫いていけばいいわけでありますが、どうしても非常に大きな赤字が出てきてしまうと、それが県民の負担になっていくことになると、それは考えなければいけないということで、全体としてのバランスで判断していかざるを得ない。私としては、明野処分場で47億円の赤字があり、境川を続ければ60億円を超える赤字が出るということだとすると、県民の皆さんのご理解は得にくいのではないかと判断して、当面凍結することにしたものです。
記者
先日、富士五湖が文化財指定に登録すべきという答申が出たわけですが、富士河口湖町では遊漁税の存廃を巡って同意取得を撤回するというような動きが出たりしているのですが、その影響を今後どう見ているのかお話し願えればと思います。
知事
富士山世界文化遺産登録というものは、富士山を周辺とする地域の未来に大きな意義を持つ事業であることは言うまでもありませんし、山梨・静岡両県民だけではなくて、多くの国民が、1日も早い実現を切望している重要なプロジェクトだと思うわけであります。
長い間多くの方々が努力して、ようやくこの7月末に推薦書原案を文化庁に上げる段階になってきたわけでありまして、これは何としても7月末に推薦書原案を提出するということは実現していかなければならないと思っているわけです。
遊漁税の問題というのは、私はよく承知していないものですから、コメントは差し控えるわけでありますけれども、その問題で世界文化遺産の推薦書原案の7月末提出が先延ばしになる、遅れるということは、これはあってはならないことだと思っているところです。したがって、関係者の皆さんには、是非、いろいろなご意見があるとは思いますけれども、大局的に世界文化遺産登録を実現するということの重要性を認識していただいて、そういう大局的な判断に立ってご協力をいただきたいし、富士河口湖町長、当局にも是非ご尽力いただきたいと思っておりますし、県としてもできることがあれば、最大限の努力をしたいと思っているところです。
記者
震災関連で伺いたいのですけれども、震災後、また首都機能の移転についての話が、関西広域連合の方で代替地に名乗りを上げたのですが、東北も上げていて、もう何十年もこのような話があって消滅したりしていると思うのですけれども、緊急的に代替地を決めるべきか、それとも恒久的な分散移転を求めるべきか、どこにそれを求めるべきか、リニアの開通も見込まれることから、知事のご意見を伺えればと思います。
知事
首都機能移転の問題は、非常に長い議論があって、いくつか候補地があるわけです。西から畿央高原という三重県と奈良県の間、それから東濃地域という岐阜県、それから栃木県北の那須高原あるいは、福島県などいくつかあるわけです。非常に長い義論があって、なかなか一本にまとまらないということで今日にきているわけです。確かにこの東日本大震災に絡めて、そのくらいの思い切った日本改造計画といわれるようなものをやったらいいのではないかという意見はありますけれども、今の段階でその本格的な意味の首都移転というものを議論して、やるという段階にはまだなっていないのではないかという気はします。ただ関西広域連合が言っているのはそういうことではなくて、具体的には伊丹空港を念頭に置いて、首都移転ということではなくて、副首都ということでしょう。仮に東京が直下型地震などで首都機能が止まったときに、直ちにそちらの方でバックアップできるような機能みたいなものを持たしたらどうだという意見があるわけです。それは比較的、現実性があるだろうと思いますけども、一つの考え方だと思いますが、これはやるとなると非常に大きな影響のあるプロジェクトでありますから、十分に議論すべきだと思っております。確かにリニア中央新幹線がそれに絡んできまして、東京の機能を関西に副首都的に一部移す。しかし、そのためにはその間を結ぶ高速交通が必要であり、リニアはますます必要であるという意見はあります。今の段階で、私はその副首都をつくるべきだとか、まだそこまではというコメントをできるだけのものは持っておりません。
(以上)