トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成23年6月8日水曜日)
ページID:37620更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 配付資料「リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会 臨時総会の開催について」 発表事項以外の質疑応答 |
知事
平成23年6月定例議会提出予定案件について発表いたします。
6月定例県議会は、6月15日に招集することとし、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、条例案8件、予算案4件、その他の議決案件3件、承認案件1件、報告事項23件、提出事項1件の予定であります。
提出案件のうち、条例案についてでありますが、県内における医療水準の向上と医師確保を図るため、海外留学研修後に、県内の公立病院等において医師の業務に従事しようとする者に留学資金を貸与する「山梨県医師海外留学資金貸与条例制定の件」などを提出することといたしました。
次に平成23年度6月補正予算についてご説明いたします。
一般会計の補正予算の規模は、195億5,220万3千円であります。これを当初予算と合わせますと、4,650億6,797万2千円となるわけでありまして、前年度の22年度の6月現計予算と比較をいたしますと、28億円余、0.6パーセントの増となるわけであります。
なお、特別会計は、商工業振興資金特別会計ほか2会計でありまして、19億2,096万1千円の補正であります。
次に、予算編成の基本的な考え方についてであります。本年度当初予算は、諸般の事情から骨格的予算として編成したところであります。
今回の6月補正予算につきましてはまず第一に去る3月11日に発生した東日本大震災への対策、本県において大規模地震・富士山火山防災対策を強化するための事業を計上いたしました。そしてもう一つは、県民の皆様にお約束した「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりの実現に向けまして、新たな県政運営の基本指針となる新行動計画の素案の概要に定める、七つの基本目標を実現するための新規施策的な事業を計上いたしました。
具体的には、成長分野への参入と新産業の集積、自然を活かしたクリーンエネルギーの導入促進、県民の豊かな生活を守る保健医療の充実などを重点的に推進することとしております。
なお、継続事業でありましても、私立学校運営費補助金とか、やまなし農業ルネサンス総合支援事業費補助金など、政策性の強い枠的予算につきましては、総額の議論を6月議会で行うために、その予算の一部を今回の6月補正予算に計上することとしております。
まず東日本大震災対策についてでありますが、被災地・被災者の支援対策につきましては、被災県からの要請に基づく健康相談チーム等の派遣、被災地から避難してきた児童生徒の就学援助、県内で就職を希望する避難者を対象とした雇用機会の確保などの支援を実施して参ります。
県内対策のうち、観光振興につきましては、大震災の影響により著しく減少した外国人観光客の回復を図るために、中国人向けの観光情報サイトに特集広告を掲載し、本県の魅力と安全性を発信して参ります。
節電対策につきましては、夏期の使用最大電力15パーセント抑制に向けまして、県民、事業者、行政が一体となって取り組む「やまなし節電県民運動キャンペーン」の展開を図り、同時に、既設の個人住宅への太陽光発電設備の設置や民間事業者による太陽光発電設備等の導入への助成を拡充すると同時に、民間事業者が行うLED照明器具等の設置に対しても新たに助成いたしまして、クリーンエネルギーの導入を促進して参ります。
次に、防災体制の強化についてでありますが、防災対策につきましては、大震災の教訓を踏まえた防災体制の全面的な見直し、消防防災航空基地の抜本的な機能強化に向けた整備候補地の調査、大規模災害の発生時に、重症患者を被災地外の医療施設に搬送する拠点となる小瀬スポーツ公園の医療資機材等の整備など、災害に備えた取り組みを強化して参ります。
次に、その他の主な施策についてであります。
まず、産業経済の活性化についてでありますが、中小企業の海外展開や成長分野への進出につきましては、中国や東南アジアの専門家による指導・助言、海外展示会への出展の支援、研究開発への新たな助成や新分野進出融資枠の拡大、燃料電池の実用化に向けた社会実証実験など、将来発展のための産業施策を推進して参ります。
また、やまなしブランドの推進につきましては、本県地場産業の販売力やデザイン力強化に向けた取り組みへの支援、地域資源を活用した旅行商品の造成の促進、県産農産物の販売力を強化するための販売戦略委員会の設置など、やまなしブランドの確立に向けた取り組みを推進して参ります。その他、甲州牛の増産とか、クニマスの生息実態調査といったことも実施して参ることとしております。
次に、環境施策についてでありますが、美しい県土づくりを推進するために、世界文化遺産の登録候補区域等のモデル地区において市町村や住民が行う修景事業に対して助成を行うこととしております。
また、観光の振興についてでありますが、中国観光キャラバン隊の派遣、外国人観光客の受け入れのための実践講座の開催、峡南南部地域における二地域居住の促進に向けた取り組みへの支援などの施策を推進して参ります。
次に、安全・安心な県民生活の確保についてでありますが、保健医療につきましては、明年度からご案内のとおりドクターヘリの運航に向けて県立中央病院の設備や場外離着陸場を整備いたします。また、県立中央病院において通院加療センターの整備、あるいは総合周産期母子医療センターの機能強化を図ります。
県内の医療水準の向上と医師の確保のための若手医師の海外留学資金貸与制度の創設など、医療サービス体制の確保に向けた取り組みを推進して参ります。また、地域福祉の推進につきましては、高齢者が自宅や住み慣れた地域で安心して生活することができるような地域の支え合い体制づくりへの助成、また、パーキングパーミットの導入検討などの施策を展開して参ります。
次に、教育・文化の振興についてでありますが、教育につきましては、中高一貫教育や高校入試制度等を検討する審議会の開催、児童生徒の学力を向上させるための実践研究や学力把握調査、私立高校の授業料減免や私立幼稚園の障害児修園事業への支援の拡充など、教育の充実を図る取り組みを推進して参ることとしております。
また、文化の振興につきましては、全国初の通年開催祭となる平成25年の国民文化祭の開催に向けて、総合プロデューサーの選定を行うとともに、気運の醸成を図るためのプレイベントを開催して参ります。
以上が主な提出予定案件であります。
記者
今回の補正予算は、額でいうと195億円ですが、この額は昨年度と比べてもほとんど微増というか、大枠は変わらないということだと思うのですが、その内、東日本大震災が起こって、14億円分がそこに割り振られていると思うのですが、その分、2期目がはじまった知事としましては、行動計画に則ったオリジナルな施策の部分から、少し削らなければならない、持って行かれたというような意識があるのか、その辺を伺いたいのですが。
知事
おっしゃるように、大震災の被災者対策、それから大震災の教訓を受けた防災体制の強化、そういうようなものに14億円余を計上しているということは、今回の目玉の一つであります。これは、この大震災が起こる以前は、想定できなかったことではありますけれども、しかし、予算というものは当然のことながら、その時々の情勢にマッチして、機動的・弾力的に運用していかなければならないわけでありますから、他の項目が不要・不急ということはないのでしょうけれども、多少施策を先延ばしできるものは調整して、それだけの財源を確保して、緊急の必要な施策として計上したということであります。具体的にどこを切ったというようなことについては、今直ちに申し上げられませんけれども、そうやってやり繰り調整をして、厳しい財政の中で必要な財源を確保したということであります。
記者
今の質問にも関連するのですが、今回の予算の規模が前年度6月比で0.6パーセント増と、ほぼ前年度並だと思うのですが、一方で公共事業費に関しては前年度比較で5パーセントマイナスとなっています。東日本大震災がなければ、もしかしたら予算規模は前年度よりもやや小さくなっていたのか、それともなかったとしてもこれくらいの規模でいろいろな新規事業を行うつもりだったのか、その辺をお伺いします。
知事
0.6パーセント増となっておりますが、ここ数年、リーマンショックがあり、また今回の東日本大震災に伴う景気対策ということで、商工業振興資金貸付金がかなり膨らんでおります。その分を除くと前年度に対してマイナスということになるわけであります。具体に数字としては0.3パーセントのマイナスということになるわけです。したがって、公共事業を抑制したりした結果として、ここ3年ほどぐっと伸びてきている商工業振興資金の部分を除けば、対前年度ではマイナスという状況であります。なお、この0.6パーセント増というのは、国の地方財政計画が0.5パーセント増ということでありますので、大体、国の方針にも沿ったものだと考えております。
記者
知事としては2期目の新しい施策を盛り込みたかった今回の予算編成だけれども、震災という想定外のことがあって、本来であればいろいろなことを盛り込みたかったと思うのですが、その一方で、国からの地方交付税も5パーセントほど減ってしまったということで、それについてどのように受け止められているかということを教えていただきたいのですが。
知事
おっしゃるように、いわゆる実質交付税は減ってきているわけです。これは今年度の税収見込みが、経済が回復していく。特に法人2税などは50パーセントを超える伸びがあるであろうという想定のもとで、その分、実質交付税、これは臨時財政対策債も含みますけれども、前年度に対して減ということになっているわけであります。しかし、東日本大震災が起こって、それに伴う行政需要の増加があるわけでありますから、その内、例えば県が被災者のためにいろいろな支援をしたりとか、あるいは職員を被災地に派遣したりとか、そういうものは特別交付税とか、あるいは普通交付税もあるかもしれませんが、国の方で手当てしてくれる部分は当然あるわけであります。しかし、14億円の全部を手当てしてくれるわけではないのであって、その分についてはやり繰りをして、施策によっては少し先延ばししたりしながら、当面の防災体制の強化などのために必要資金を確保したということであります。
知事
昨日、JR東海から、リニア中央新幹線の駅の位置とルートの概要が示されました。
これまでもリニア駅の設置場所については、県としては県内の4つの圏域から駅設置要望が出ているわけであります。それぞれの地域の切実な要望でありますので、そういうものは十分にJR東海において検討して、JR東海としての案を提案してもらいたいと、JR東海に対して要請して参りました。また、その技術的な基準とか地形地質の適合性など、客観的な基準やデータに基づく根拠をしっかりと明確に示してもらいたいといった要請を行ってきたところであります。
今回のJR東海の発表資料では、リニア新駅の設置場所は、(県内の)4圏域のそれぞれの要望箇所について、それぞれ詳細な検討を加え比較を行っておりますし、またルートについても技術的な根拠が示されております。こういう意味では、県の要請どおりに真摯な対応をしてくれたものだと思っております。
なお、山梨県内の概略のルートと駅の位置についての詳しい内容やJR東海の考え方等については、「リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会」の臨時総会においてJR東海から説明を受けることとしております。
ご案内のとおり期成同盟会はリニアに関係を有する市町村をはじめとする230の組織団体が構成メンバーとなっておりまして、この場でJR東海の詳細な説明を受けるのがふさわしいと判断いたしましたから、そのようにしようとしているところであります。臨時総会は、6月13日に開催いたします。時間・場所は、そこの一枚紙に書いてあるとおりであります。なお、多くの県民の方々が関心を持っている事項でございますので、この期成同盟会は会員以外の方であっても、一般の県民の方でもご希望があれば傍聴は可能というようにいたします。まずはJR東海の説明をよく聞いた上で、関係市町村などのご意見も伺いながら、リニア新駅の設置場所・ルートについて合意形成に努めていきたいと考えております。
記者
昨日示されましたおおよその駅の位置ですけれども、知事ご自身としては示された駅の位置は適当なのか否なのか、ご自身のお考えをお聞かせいただきますか。
知事
示された位置、甲府盆地の南部、釜無川と笛吹川に挟まれた地域、市町村としては中央市、甲府市あるいは昭和町も一部入るのですけれども、その地域について先ほど、ご説明しましたように来週月曜日に期成同盟会において、JR東海からどのような根拠で判断したのか、詳細な説明を聞くこととしております。そのような説明を聞いた上で、県として適当かどうかの判断をしたいと思っておりますので、今の時点で、その場所が良いとか悪いとかの評価をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
記者
駅の建設費のことですが、JR東海は地元負担を唱えていて、沿線の自治体としては、そうではないように訴えていると思うのですが、山梨県の地上駅と、例えば神奈川県のような地下駅ですと、負担額があちらは2,200億円とか言われていて、かなり足並みを揃えるのは難しいのではないかと思うのです。その辺をどのように沿線自治体としてまとめていかれるおつもりなのかと、着工が3年後ですから、まだ時間はあるのかもしれませんが、費用負担についての議論の決着をいつぐらいまでに目指したいのかをお願いします。
知事
ご指摘のように駅の建設費の負担割合については、JR東海と沿線の都県との間で考え方が異なっているわけでありまして、今後、両者の間で調整することになっております。そして、調整が難航するときには、国土交通省としても中に入って調整にあたることになっているわけです。おっしゃるように本県のような地上駅と相模原の地下駅とは建設のコストが相当違いますから、果たして足並みが合うのかとの指摘はごもっともであります。今のところまだ、沿線都県においても深く議論しているわけではなくて、いずれにしても沿線都県としては、鉄道施設としてJR東海が負担すべきものであると、県によって多少ニュアンスに違いがありますが、ある程度は負担を考えてもいいと思っているところもあるのかもしれませんが、基本的にはJR東海が負担すべきものであるとの点で一致しております。それ以上、具体的に駅の設置費用の多寡によって、我々はこう考えるというところまで具体の議論をしているわけではないわけです。おそらく、結局最後は一つ一つについて、JR東海と各都県で協議して、それぞれ都県の事情が違うわけですから、山梨県も他の都県と違うのは長年リニアの実現に努力してきたことと、リニアの実験線の建設についてはJR東海が負担しない負担もしてきたことなど、他の都県にない特殊事情があります。例えば、相模原は地下駅ですから用地買収の努力とか、その他地元調整の努力は全く必要ないわけです。ところが地上駅となると通っていくルートの用地を買っていかなければいけない。それは多分、県の方にも相当協力を求められることになります。そしてJR東海として負担できないような関連の公共施設整備等に対する地元からの要望があって、場合によっては県が行わなければいけないことがあるかもしれない。そのように、それぞれの都県によって事情が違うわけですから、最後は全部統一して物事を行うわけではなくて、JR東海とそれぞれの都県との間で議論しながら、それぞれの地域の特性にあった結論を出していくことになるのだろうと思います。しかし、おっしゃったようにまだ、アセスメントが3年ぐらいかかる、工事に着手するのにおそらく3年はかかるわけですから、その間に決めていくことであります。多少の時間はありますので、十分議論しながら、お互いに納得のいく解決にしていくことになると思います。いつまでというのも、3年ぐらいの余裕はあるわけでありますが、早い方が良いに決まっているわけでありまして、ルートとか駅の位置についてのコンセンサスが得られたならば、次の課題として、こういった議論も3年後ではなくて、早い時期から意見交換していくことになるだろうと思っております。
記者
先ほどの「山梨県リニア建設推進本部会議」の挨拶の中で、少なくとも年内には駅の位置について、まとめていきたいとおっしゃっていましたけれども、「まとめる」とはどのような状態のことを念頭におっしゃったのでしょうか。
知事
おっしゃるようにJR東海としては、年内に環境アセスメントの手続きに入っていきたいと言っておりますから、環境アセスメントの手続きに入る前に大まかなルートと大まかな駅の位置については、山梨県は山梨県としてコンセンサスを得ていきたいと言っているわけです。その意味で年内と言っているわけであります。「まとめる」という意味は、直径5キロメートルの範囲内で、山梨県として、ここで良いのではないのかという大方の合意が得られる状況でありまして、具体的には、決めているわけではありませんけれども、来週の月曜日にJR東海から説明を聞く「リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会」の場で、期成同盟会として、ここで良いのではないかという合意が得られれば、もちろんいろいろな意見がありますから100パーセント完全な合意は無いかもしれませんが、期成同盟会として、そこで良いのではないのかという結論になれば、それで合意が得られたことになるのではないのかと思っておりますが、今の段階で具体的にそのようなものを開いて決めるとかまでは、はっきりと決定しているわけではありません。
記者
合意の件ですが、合意とは直径5キロメートルで良いとの合意なのか、それともそのエリアの中で将来的なまちづくりを考えて5キロメートルの中でも、県はこの辺だったら良いとの合意なのか、どちらでしょうか。
知事
それは非常に大事なところでして、基本的には年内に決めるのは直径5キロメートル、ルートについては幅3キロメートルで、県としてコンセンサスを得た、合意形成することです。しかし、直径5キロメートルは、非常に広い面積になるわけです。その中で、より詳細な駅の位置がコンセンサスが得られるのは望ましいのは当然のことでありまして、直径5キロメートルの枠の中で、さらに詳細にこの辺という合意が得られれば、それは望ましいわけでありますから、我々としては、そのようになる努力はしていきたい。直径5キロメートルでコンセンサスを得るのですけれども、その中で、より詳細に5キロメートルの中でもこの辺というような、より詳細な駅の位置についてのコンセンサスが得られるように努力していきたいと思います。しかし、コンセンサスが得られるのかは分かりません。いずれにしても年内に決める基本は直径5キロメートルの中で、これで良いのではないのかということだと思います。駅については、最後は何丁目何番地まで決まってくるわけです。それは環境アセスメントを行っていく3年間の間に具体的に決まってくるわけであります。そのような中で、繰り返しになりますが、できるならば年内にもう少し詳細な駅の位置のコンセンサスが得られれば望ましいから、そのような努力はしたいと思っているところです。
記者
知事が知事になられる前から、延々と続いてきたリニアの計画でありますので、今更の質問になってしまうのですが、今になって次々と物事が決まっていく段階で、そもそも駅の350億円の負担の問題もありますし、経済効果の予測等も含めて、改めて大丈夫なのか、県民全体の合意が得られているのかというようなそもそもの部分で、改めて考えると自信があるのかなどについて、知事のお考えをお伺いしたいのですが。
知事
まず1点目、当然のことながら山梨県としても、負担は出てくると思います。駅の費用負担をどうするかという問題は別としても、例えば用地買収とか地元調整などを行っていくことになりますと、これは地元からいろいろな要望が出てくる。そういうものに対して100パーセントJR東海で応えられないものがあって、これは実験線でもそうだったわけですけれども、県自身が単独で対応していかなければならないものもある。当然のことながら、そういう費用負担的なものが出てくる。それに見合うだけのメリットがあるのかという議論がありますが、これは私どもとしては、必ず将来県民に大きなメリットがあると。もちろんマイナスもある。物事は良い面ばかりではないわけでありまして、マイナスは当然ある。例えば、いわゆるストロー効果というような、リニアの駅ができれば、例えば東京にいろいろな機能を吸い取られるのではないかとか、そういうマイナスはありますけれども、しかし、それを上回るプラスの効果があるに違いないと確信を持っております。
それから合意形成ということも、これは県民100パーセントが合意するということはあり得ない。どんなことにもいろいろな意見があるわけでありますけれども、おおかたの市町村、いろいろな経済社会団体の皆さん方、もちろん県議会も含めて、大勢においていいだろうというご判断になれば、それで合意形成がなされたと判断していいのではないかと思っております。
知事
これも、お手元に資料がございます。行動計画の策定につきましては、本年2月のことでありますが、第1回の行動計画推進本部で基本方針を、決定して、全庁を挙げて作業を進めて参りました。
そしてこの度、素案の概要というものがまとまったので、これは「山梨県行政の全般に係る総合的な計画の議決等に関する条例」という条例がございまして、この条例第3条に基づいて、こうした総合的な計画の素案がまとまったときには、議会に報告せよということになっておりますので、今日付けで議会に報告したところであります。
今回の計画は、先の東日本大震災など、社会経済情勢の急激な変化の中、また、リニア中央新幹線や中部横断自動車道など、将来の山梨の可能性を飛躍的に高める「やまなし発展の芽」が着実に育ちつつある中で、「暮らしやすさ日本一の県づくり」を基本理念として、県民誰しもが真の豊かさを実感できる山梨の実現に向けて、県民の皆様とともに、引き続きチャレンジしていくことを基本に策定しております。
また、計画に掲げる施策・事業の推進には、行財政の効率的な運営が必要になりますので、行財政改革への取り組みを基本目標に加えたほか、先頃の東日本大震災を教訓にいたしまして、東海地震や富士山火山などの大規模災害に対する防災体制の強化も政策の一つに位置づけております。今後は、県議会あるいは総合計画審議会あるいはパブリックコメント、そういった県民の皆様からも幅広いご意見を伺いまして、9月定例県議会で議決いただいたあと、公表していきたいと考えております。
以上であります。
知事
次に県庁における節電対策についてであります。これは、先程「東日本大震災対策本部」の場で決めたものでありまして、それを傍聴していただいた方々はもうご承知のとおりであります。もう一回おさらい的に述べてみたいと思います。国は言うまでもなく、15パーセントを目標とする夏季の電力需給対策を実施することにいたしました。これを踏まえて県の節電対策として可能な限り節電に取り組むことといたしまして、15パーセントの目標を超える20パーセントの節電を目指すことにしております。
県民の皆さんに節電県民運動として15パーセントの節電をお願いしていくわけでありますけれども、そのためには、県庁として率先して一般の県民の皆さんの目標以上のものを実現していこうとこういう意欲というか意気込みとでもいいましょうか、それを示すという意味で20パーセントの節電を目指すこととしたものであります。
本庁については、いろいろなことをすでに照明の消灯とか、エレベーターの停止とか行って参りましたけれども、空調温度を28度から29度へ引き上げると同時に空調を間欠運転、いわゆる輪番で運転を停止するということをやりまして、これによって合計20パーセントの節電を目指すことにしております。照明や事務機器などの使用制限で10パーセント節減、空調の運転調整で10パーセントの節減としております。なお、太陽光パネルも昨年の秋設置しましたからその分が稼動することによって、ある程度の節電になります。量的には1.5パーセントとかその程度で、それほど大きなものではありませんが、太陽光パネルも節電に役に立つわけであります。
出先機関の節電がありますけれども、これにありますように本庁と同様に15パーセント目標を超える20パーセントを目指していく。ただし、学校や博物館などの県民利用施設及び警察、消防といった治安防災施設などについては15パーセントの節電目標とすることにしております。
共通の取り組みとして、節電対策の点検を節電チェックシートで各所属ごとに点検して改善を図っていくということと、熱中症の予防などの職員の健康管理には気を付けるということであります。また、「七夕ライトダウン」に呼応して一斉消灯を行うとかあるいは、通常のクールビズをさらに強化したカジュアル・クールビズを導入していくということとしております。
以上であります。
記者
例えば、東京都庁のようにサマータイムを導入したということがこの前ニュースになりましたけれども、山梨県でサマータイムを導入する、導入を検討していたりだとかそういった可能性はありますでしょうか。
知事
今のところそういう検討は行っておりません。東京都は東京都としての判断でおやりになっているわけでありますけれども、サマータイムを行うことになると夕方早く終るわけです。そうすると市町村とかあるいは民間企業、あるいは県民の皆さん、県庁が早く終ってしまうわけですから従来に比べると、ご不便をおかけするということもあって、本当は国で統一的に全部行うのが一番良いわけであります。特にご自分の仕事がある程度終った夕方ぐらいに何か用事があって県庁に来るという時に、そこが1時間なら1時間早く終っているということになるとご不便をおかけするということがありますので、今のところ本県としては、そこまでは考えていないということであります。しかし、東京都の先駆的な試みは我々としてもどういう事になるのかよくよく注目していきたいと思っております。
記者
15パーセントの目標を20パーセントに設定、この20パーセントにした理由をお聞かせもらってもいいでしょうか。
知事
意図としては、県民の皆さんに15パーセントの節電をお願いする以上は、県庁としてお願いする立場として率先して一般の皆様にお願いする以上の目標を自己目標として掲げていく。そのことによって県民の皆さんにかなり辛いお願いもできると思うものですから、県としての心構えといいましょうか、そのようなものを示すという意味で、一般の皆さんにお願いする目標以上の高い目標を掲げたということであります。具体に20パーセントの根拠というのはもっと25パーセント、30パーセントできれば良いのですけれども、詳細に積算してみても25パーセントとか30パーセントとなるとこれはなかなか難しいこともありまして、20パーセントぐらいのところが限度ということです。もし、詳細な積算根拠が必要ならば管財課にお出でいただければ、細かい積算の根拠がございますので、お出でいただきたいと思います。
記者
社会保障の整備の集中検討会議で決まった改革原案について伺いたいのですけれども、2015年度までに消費税10パーセントいうことにまとめて、地方としては地方の配分の話になると思うのですが、問題は地方の単独事業が全く無視されて数字が出たということについての評価をどう考えるか、いずいれにしても13日の国と地方の協議の場で議論されると思うのですが、これについての評価と、仮に消費税が上げられたとして、地方消費税の部分が(あわせて、増額されて)目的税化された場合、その分地方交付税が減らされる可能性もあると思うのですが。
知事
国税の何が減らされるのですか。
記者
地方消費税が税率を引き上げられて目的税化された場合は、増額された分地方交付税を減らす可能性があると思うのですが、これに関して2点について伺いたいのですが。
知事
社会保障と税の一体改革の考え方というのは、基本的には常識的と言ったらおかしいのですけれども、自民党も消費税10パーセントとを言っておりますし、今の段階ではかなりコンセンサスが得られやすい方向だと思っております。ただご指摘のように、その地方との関係は、非常に議論が生煮えになっておりまして、総務大臣も知事会等の意見を受けて、一生懸命地方の立場を代弁して発言してくれているようでありますけれども、基本的には今話がありましたように、国と地方の協議の場が法律上設けられましたから、その場でまず議論していく一番大きなテーマになるだろうと思っております。
地方消費税が仮に1パーセント上がるということになれば、一般の交付税、その残りの部分の国の取り分が交付税として29.5パーセントありますから、その分減らされるのではないかということですけれども、それこそまさにこれからの議論のポイントになることです。結局は国と地方、国の財政事情、地方の財政事情に、それから社会保障について国と地方のそれぞれの財政需要というものに、国は毎年1兆円、地方は7,000億円増えていくと言っているわけだから、そのようなものを見ながら最後はやっぱり国も地方も一蓮托生ですから、一方だけいいというわけにはいかないわけです。お互いに納得できるところでおさめていくことになると思っておりますから、それほど心配はしておりませんけれども、どうも地方が発言しないと、ここのところ地方統一選がありまして、あまり地方が発言してなかったので、そうするとどうも地方無視の立場で物事が進んでいっている。要するに財務省主導ということになると思います。それは好ましいことではないわけです。国と地方の協議の場等で大いに議論をしていかなければならないと思っております。
(以上)