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ページID:38308更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
放射性物質による汚染の恐れのある牛肉の問題については、全国的な広がりを見せており、憂慮しております。
本県におきましても、暫定規制値を超える牛肉が流通していたことが確認されまして、県民の皆さんも心配されていることと思います。厚生労働省では、そうした牛肉を「数回食べたといたしましても、健康に影響があるとは考えられない。」としております。県では、この問題に関し、今後とも、汚染の恐れのある牛の個体識別番号の周知や県内への流通情報の収集に努めまして、県内に流通していることが確認できた場合には、早急に調査し、その都度、県民の皆さまにしっかりとお知らせしていきたいと考えております。
また、県内で飼育されている肉牛につきましても、放射性物質に汚染された稲わら等が与えられていないかどうか、肉用牛農家全戸に対しまして稲わら等の使用状況に関する緊急点検を実施するとともに、必要に応じて稲わら等の放射線量をサーベイメータにより測定していくこととしております。
このほか、県議会での決議を踏まえ、放射性物質に関する検査をさらに充実させていくこととしております。
まず、県産農産物につきましては、厚生労働省からの検査依頼を受けまして、7月1日に検査した「モモ」に続きまして、生産量や出荷時期などを勘案し、今後の検査品目とスケジュールを決定したところであります。10月までに、合計13品目の検査を計画的に実施することにしております。
本日お示しする、明日、21日の検査予定の「ブドウ(デラウェア)」及び、明後日、22日の「スモモ」以外の品目に関する検査日程につきましては、検査機関等との調整が整ったところで、お知らせしたいと考えている。これらの検査を通じて、安全性を確認することで、消費者の皆さんに本県産の農産物を安心して利用していただくとともに、生産者の皆さんにもより一層、精力を傾けて生産していただけるよう、県としても精一杯支援していきたいと考えております。
また、水道水につきましては、衛生環境研究所の検査体制も充実いたしますので、各市町村3か所程度で概ね80検体を対象に検査することにしております。
さらに、環境省からの要請を受けまして、県内の産業廃棄物焼却施設のうち4施設の飛灰及び主灰についても、設置業者の協力を得て調査することにしております。
なお、いわゆる一般のごみの廃棄物焼却施設につきましては、市町村において、調査を実施しているところであります。
こうした取り組みを通じて、県民の皆さまに放射性物質に対する不安感をさらに払拭していただけるように、今後さらなる努力をしていきたいと考えております。
お手元に資料がございます。今申し上げたとおりでありますので、ご説明いたしませんが、ご参考いただきたいと思います。その資料の別紙1に先ほど申しました県産の農産物の検査のスケジュールが書いてございます。この真ん中あたりの表にありますように7月から10月にかけてそれぞれの農産物の出荷が本格化する直前に検査を実施することにしております。具体的な検査の実施にあたっては、今回次のページにブドウとスモモが書いてございますけれども、それぞれの検査項目毎に検査の日程とか産地名とか検査機関を記した実施計画を順次作成して検査を実施することにしております。これは現在時点の計画でございますので、今後の調整によりまして品目を追加することがあることはご理解いただきたいと思います。
次の別紙2がブドウとスモモについての実施計画でございまして、このようなスケジュールでサンプルを採取いたしまして、検査を実施いたすことにしております。
以上であります。
知事
本日、「緊急経済・雇用対策本部」を開催いたしまして、平成22年度の雇用対策の実績及び本年度の経済・雇用対策についての報告を受けたところであります。
景気の現状でありますけれども、大震災後の本県の経済は、主力の機械電子産業は計画停電によりまして、また観光業は3月から4月の予約のキャンセルなどによりまして大きなダメージを受けたわけでありますが、海外での設備投資需要が増加していることを背景に、機械電子産業は半導体製造装置関連などで高めの生産が続いてきておりますし、観光関連につきましてもゴールデンウィーク以降は客足が戻りつつある状況でありまして、県内景気は、ようやく回復に向かっている状況であります。
また、大企業は相当規模の設備投資を計画しているようでありますし、大震災の復興需要が年度後半には見込まれることもありますので、本年の後半に向けて経済は回復に向かうのではないかと考えております。
しかし、こうした効果が中小企業に及ぶまでには、時間を要することから、県内中小企業は依然として厳しい状況が続くことが想定されますし、また雇用情勢も低水準であることなど、引き続き、経済・雇用対策について積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
こうした中、特に、最近の急激な円高が進行しておりまして、これが県内景気にマイナスの影響を及ぼすのではないのかと懸念されるところであります。こうした中にありまして、地域経済の活性化と雇用の改善を図っていくことが極めて重要ありますので、引き続き、県庁全体が一丸となって、経済対策・雇用対策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
特に、最近の急激な円高に関しましては、各商工団体に「円高対応相談窓口」が設置されておりますので、これを活用して、県の制度融資等の金融相談、下請け取引等の経営相談などに積極的に取り組んでいくことにいたしまして、「円高対応相談窓口」を設置する各商工団体に対して、相談体制の一層の強化をお願いし、円高の影響を受けている県内中小企業者への支援の強化を図ることとしております。
また、各商工団体を通じて、県内の中小企業から聞き取り調査をいたしまして、この結果を踏まえて、県内の金融機関や商工団体で構成する「山梨県地域経済対策協議会」を開催して、県内企業の実情の的確な把握をし、同時に各団体がお互いに連携しながら対応していくことについて協議を行うこととしているところであります。
さらに、昨年も実施いたしましたけれども、中小企業者に対して、一つの窓口で、資金繰りの問題から経営相談にいたるまで、必要な各種の支援サービスの相談に一つの場所で一元的に対応できる「ワンストップ・サービス・デイ」の開催についても、金融機関や商工団体と連携して、県独自の取り組みを実施することにしております。
今後とも、地域経済の活性化と雇用の改善に向けて、全力で取り組んでいく考えでございます。
お手元に資料、グラフ、その他ございますけれども、これは省略させていただきます。
以上であります。
知事
東南アジア・東アジアのトップセールスを行うということと、今年はアイオワ州姉妹締結50周年でございますのでアイオワ州に行くということであります。
近年、訪日旅行者が増加し、本県での宿泊者数も多いシンガポールやタイからの観光客の一層の誘致と国民の購買力が高く、県産品の有望なマーケット先となっているシンガポールへの輸出拡大を図るために、市町村、観光・商工事業者、農業団体と一緒にセールス活動を行うことにしております。
震災の影響で訪日旅行が減少しております香港、台湾にも寄りまして、それぞれの国の旅行社を訪問して、本県の安全性と魅力をアピールしていくこととしております。
日程としては、7月28日にシンガポールに渡りまして、31日まで滞在し、シンガポール中心部にある伊勢丹スコッツ店で開催中の、これは静岡県、神奈川県、山梨県が一緒に行っているものでありますが、「富士の国フェア」で、モモやワインなどの県産品のPRを行う、同時に観光と物産の商談会を開催いたします。さらに、「富士の国やまなし」魅力説明会・交流会を開催し、旅行社などの現地事業者に対して山梨の魅力をアピールすることにしております。
その後、8月1日にはタイに参りまして、観光商談会や魅力説明会・交流会を開催いたします。8月2日には香港、3日には台湾を訪問し、それぞれ主力の旅行会社にセールス活動を行いまして、8月4日に帰庁することとなっております。
また、本年は、アイオワ州で開催される50周年記念式典をはじめといたしまして、本県がかつて災害見舞いの返礼として贈った「平和と友情の鐘」という鐘楼がございますけれども、これをアイオワ州が募金を募りまして修復いたしました。その修復完成の除幕式とか記念植樹などを行うために、8月11日から県議会訪問団とともに訪米し、両県州の今後の友好関係を一層深める契機としたいと考えております。
併せて、未来のアイオワ州との交流のいしずえを築いていくために、高校生30名を派遣して、記念行事への参加やホストファミリーとの交流体験などを通じて、次代を担う本県青少年の育成を図っていきたいと考えております。
これに加え、ロサンゼルスで活躍する山梨県人会の協力をいただいて、在ロサンゼルス日本国総領事公邸におきまして、「富士の国やまなし」の魅力説明会を開催し、現地の政府関係者やメディア、流通事業者、旅行社などのキーパーソンに対しまして、富士山をはじめとする本県の観光資源や甲州ワイン、日本酒などの県産品を紹介することで、日本食人気が定着しているロサンゼルスにおいて、本県の認知度向上を図ることにしております。
お手元に資料がございまして、概略はご覧いただきたいと思います。日程が付いております。それからアイオワ州との姉妹締結50周年記念事業につきましてもお手元に資料がございまして日程が付いております。
以上であります。
知事
7月24日(日曜日)の正午にアナログ放送が終了いたしまして、デジタル放送に完全に移行するわけであります。
県では、これまでも関係機関と連携いたしまして、普及啓発、広報に努めてきたところであります。7月23日、24日には、デジサポ山梨、これは広報センターでありますけれども、関係機関において相談態勢が強化されているところでありますが、県においても、移行に万全を期すために両日にわたり関係職員を配置し、電話相談への対応を行うことにしております。
県民の皆さまにも、24日までに地上デジタル放送への移行を済ませていただくよう、お願い申し上げたいと思います。
お手元に資料がありますが、このようなことで市町村の対応、国のデジサポとか地デジ臨時相談コーナーを設置する、総務省の地デジコールセンターがあるということが書いてございます。次の2ページにここ数年来、地デジ化に伴う受信環境の整備を行ってきたわけであります。それが集約してまとめてありますが、ケーブルテレビと自主共聴施設につきましては、ケーブルテレビは27施設、自主共聴施設は176施設について、7月15日までに全て対応を完了しております。
難視対策といたしまして、デジタル放送が受信できない世帯について対象地帯65地区441世帯ございます。これはアンテナとかチューナーを配布することにして、現在手続きを進めているところであります。
本県の地上デジタル放送のテレビの対応状況は、平成22年12月現在の数字しかないのですが、96.7パーセントでありまして、3年ぐらい前は本県の場合には大変にデジタルテレビの普及が遅れておりまして、心配されたわけでありますけれども、この平成22年12月現在では96.7パーセントで、全国でも9番目に普及してきておりますし、最近の時点ではもっと普及しておりますので、だいたい地デジへの対応は県民の皆さんもそれぞれ対応していただいているものと思っておりまして、行うべきことは行って地デジ化への対応ができるものと思っております。
以上であります。
記者
リニアに関してですが、甲府圏域の首長たちが駅の位置については、県が主導して決めてほしいということで合意したのですが、知事はこの前の記者会見では関係市町で十分議論してほしいとおっしゃっていましたが、そうした首長たちの発言を受けて今後、県としてどの様に対応されるお考えでしょうか。
知事
甲府圏域の首長さん方の考え方ややり方が大きく違っているとは思っておりません。まず第1点は、この甲府盆地の南部、直径5キロメートルの円で提示されているJR東海からの案があります。これについて、まず県として合意を得ていくということは、前提としてあるわけです。それが必要であります。その上で5キロメートルの範囲内でもう少し具体的に、どの辺ということも、できればコンセンサスを得て行きたいと思っておりまして、そのためには、やはり甲府圏域の中央市、甲府市あるいは昭和町、そういう皆さんが地元でありますから、地元としての意見があるというのは当然ですから、地元は地元でよく議論していただく。しかし、甲府市長もこれは地元だけで決めるというわけにはいかないと言っておりますから、利用するのは山梨県民全部が利用するわけだから、オール山梨県としての考え方というものは当然あるわけだし、この甲府圏域以外の市町村のそれぞれのご意見もあるわけです。そういうものは、県がよく集約して行かなければならないということで、県と地元の市町村でよくよく相談して、決めていこうということであります。甲府圏域の市長さん方、町長さん方がおっしゃっていることもそういう意味だろうと思っておりますし、そのように進めて行きたいと思っております。
記者
まず、甲府圏域でよく議論してほしいと。県が入っていくのはそこからということでしょうか。
知事
甲府圏域は甲府圏域で既に議論しているし、フォーマルにやる、あるいはインフォーマルに市長さん同士が話をしたりするということは当然やっていると思います。県は県として、これからそれ以外の地域の意見とか、あるいは、経済団体の意見も出てきますから、そういうものもしっかり把握していくということで、最終的には、県と地元の市町村とよくよく相談してやっていくということであります。具体的な手順は、同時並行的にやることであって、どちらを先にとかいうことは考えておりません。
記者
甲府圏域では県が主導してほしいと言っていますが、主導という言葉の中身には、県が候補地を示してほしいということも言っているのですが、知事としては県としての候補地を示したりとかするお考えはありますか。
知事
今申し上げた事でありまして、もちろん全県的な意見も聞きながら、地元の市町とよく意見交換していく。そういう中で県が示していくことが、まとめていく上でよいのであれば、それはお示しするということもあるでしょう。お互いの議論の中でよく相談して決めていくということであります。
記者
先般の知事会のことで、知事は出席されなかったのですが、割と活発な議論があったということで、新体制のもとで提言団体から行動を起こす団体に動こうと話し合いがなされたようで、具体的にはシンクタンク機能の強化とか東京事務所の強化ということがあげられたということなのですが、本県として東京事務所を何かしら強化するという考えはあるのかということと、国の政策決定に関わろうという意志についてどう思われるかという2点についてお伺いしたいのですが。
知事
提言団体から行動団体へというお話でありますけれども、もう既に全国知事会というのは積極的に議論して、闘う知事会などと言っておりますけれども、前の前の会長の梶原(前)岐阜県知事、前の会長の麻生(前)福岡県知事、今回の山田(京都府)知事もそうでありますけれども、やはりこれは提言し、同時に行動するということで、終始一貫していると思っておりますから、その方針が今回特に変わったとは思っておりませんし、そういうことであるとも聞いてはおりません。従来の方針を、前向きに積極的に提言し、そして、国に対して行動を起こしていこうということであろうと思います。特に行動を起こすことについては、国と地方との協議機関が法律でできたわけでありますから、知事会としてはっきりと意見を申し上げる具体的な場ができたわけでありますから、そういうことも捉えて、従来の姿勢をさらに強めていこうということであろうと思います。
東京事務所の強化については、確かにいろいろな意味で、経済や社会が大きく変わってきておりますので、情報を収集し、同時にまた東京で山梨県の発信をしていかなければならないわけで、そういう意味での東京事務所の機能というものは強化されてきていると思っております。ただ具体的に人を増員するかというようなことは、非常に職員数が定員削減で減っている中でありますから、そこまでは今考えておりませんけれども、東京事務所というものに対する期待とか、機能というものはこれからも強化していかなければならないと思います。
記者
人を増員する以外で、強化と先ほどおっしゃっていたのは、具体的にはどういうところですか。
知事
例えば、今年度、広報官という役職を設けた。そして積極的に山梨で行っている施策とか、山梨のいろいろな話題とか、山梨の観光も含めまして、物産、山梨の情報というものを、県内で発信するのではなくて、積極的に東京で発信し、できれば東京のメディア、皆さん方のような新聞・テレビだけではなくて、いろいろな雑誌メディアその他、あるいはインターネット等がありますけれども、そういうものにできるだけ取り上げてもらうということが大事でありまして、そういう意味から広報官という制度を設けて、担当者が活躍してくれているわけであり、既に情報を収集し、発信する機能は強化するという方向で現実に動いているということであります。
(以上)