ページID:39405更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成23年10月19日水曜日) 

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

  • なし

発表事項以外の質疑応答

発表事項以外の質疑応答

 リニア中央新幹線について

記者

前回の会見で、知事は駅の場所の選定にあたっては、県内のアクセスと県全体の発展を最大の観点から選びたいとのことでした。近々、駅は県の方で方針を決めると思うのですが、決まった先に、駅舎も含めてその周辺の整備を含めて、県の発展という観点から、どのような駅に整備したいのかという点と、今の時点では尚早かもしれませんけれども、費用負担の話が生じてこようかと思うのですが、県の発展にとって、山梨県全体でどのような費用負担のあり方を考えていくのが一番望ましいのかの2点、駅そのものの整備と費用負担、どのような費用負担にしたら県の発展に一番有効かという視点で、今のところの知事のお考えをお聞きしたい。

知事 

どのような駅にするのが県の発展にとって望ましいのか、どのような駅にしたいのかとのご質問でありますけれども、山梨県の新しい玄関口、世界に通じる玄関口になるわけでありますから、この豊かな自然環境を活かし、山梨らしさを持った、誰しもが1回は是非降りてみたくなると感じるような美しい魅力ある駅にしたいと思っているところです。

もう1点は、何といっても発展の1つの大きな拠点になる場所でありますから、県下各地からアクセスが容易にできるような施設は備えなければならない。そのような意味で、駐車場にしても、駅前広場にしても、交通ターミナル機能というものは、しっかりと備えたものにしなければならないと思っております。

それから以前から申し上げていることでありますけれども、新しい拠点都市を駅周辺につくるという考え方は、我々としては取らないということであります。甲府市あるいは中央市の既成の中心市街地があるわけでありますから、そのようなものと両立する形にしなければならない。そのためには、駅の周辺に商業業務機能みたいなものを多数立地させることは、我々としては考えないわけであります。そういう既存の中心市街地との両立という観点に立って、どのような機能を、かといって何も機能を立地しないことはないわけでありまして、研究機関とかを立地しても良いと思うわけでありますが、どのようなものを周辺に立地していくのが望ましいのかは引き続き検討して、来年度、リニア活用基本構想をつくることになっておりますから、その中に盛り込んでいきたいと思っております。

それから、どのような費用負担をすることが発展にとって望ましいのかというご質問ですが、私としては従来から申し上げておりますように、駅については鉄道施設となる部分はJR東海が負担して、自分の施設になるわけですありますから、おつくりになるのが筋ではないかと思っております。そのような考え方を、これからも粘り強く主張していきたいと思っております。

したがって、費用負担を前提にして、どのような費用負担にするのかについては、私としては今の段階では考えていないということであります。

 環太平洋連携協定(TPP)への参加について

記者

今、国会でTPPの交渉参加が議論になっているところですが、横内知事として参加の賛否について、今どのような考えを持っているか聞かせていただきたいということと、県によっては独自にTPPに参加した場合の影響を試算したりしているようですが、山梨県として試算する考えはないのか聞きたいと思います。

知事 

TPPについての私の考え方ということでありますけれども、一方において韓国・アメリカとFTA(自由貿易協定)を結んだりというように、貿易の自由化は大きな世界の流れでありまして、我が国がこれに取り残されることは好ましいことではない。とりわけ日本の場合には、円高、電力不足とか法人税が高税率であるというような産業がハンディを負っているわけでありまして、そのような中で産業が生き延びていくためには、自由化は進めていかなければならないというがあることは確かであります。しかしながらTPPについては、農業だけではなくて21の項目について協定が結ばれるわけでありまして、1つ1つについての利害得失は必ずしも明らかになっていないわけであります。そのようなものについて、もっと国民に情報が明らかにされ議論が行われることが望ましい。その上で、最後は政府が決断されることでありますけれども、もっと民主党の中だけではなくて国民的な議論が行われることが望ましいと思っております。

私自身、どちらが良いかということについて、正直率直に言って決めかねているところがありまして、自分自身もよくよく勉強してみたいと思っております。

それからおっしゃるように確かにTPPが実現することになった場合には、いろいろな意味で本県の産業や県民生活に影響を及ぼすわけでありますので、TPPが実施された場合の本県の産業及び県民生活へのプラス・マイナスの影響について、調査しなければならないと考えておりまして、県としてもそれを実施するということで、関係部局に指示したところであります。

それともう1つ、仮にTPPということになったときに、1番影響を及ぼすことは農業であります。日本の今の農業従事者が65歳を越えているというような高齢化であり、農家1戸あたりの営農面積が極めて小さい状況では、とても太刀打ちできないわけでありますから、やはり若い担い手を育成し、その担い手に農地を集積していく、営農規模を拡大していくことが非常に大事だと思います。若い担い手の育成については、既にいろいろな施策をとって一定の効果が上がりつつあるわけでありますけれども、農地の規模拡大・集積については24年度の施策の大きな柱の1つとして、本県において進めていきたいと思っているところであります。

 リニア中央新幹線について(追加質問)

記者

リニアに関して、よく言われているストロー現象ということも懸念されるのですが、知事としてストロー現象に関する所感と、そういうことになると県として地域振興、産業支援の具体的な対策がこれから必要になってくるのかどうか、その点についてお伺いしたいのですが。

知事

おっしゃるように、これはリニアが完成し、開通したときに、効果は良い効果ばかりがでるわけではないわけです。マイナスの効果も当然出て参るわけでありまして、それがストロー効果というものであります。買い物客が東京が便利になるわけでありますから、そちらの方に流れるということは当然あると思いますし、それから例えば今、山梨に支店がある企業も、わざわざ支店を置かなくても東京から営業マンが出張してくれば、それで十分すむわけでありますから、支店がかなり撤退するということがあるかもしれません。そういう交通機関が整備されることによるストロー効果、マイナス効果は必ずどこでもあることであります。しかし、だからといって交通機関の整備をしないとか、そういう後ろ向きの姿勢は間違いでありまして、要はそういうマイナス効果はあるけれども、それを認識した上でプラス効果も当然あるわけでありますから、プラス効果を最大限に発揮し、マイナス効果をできるだけ少なくするような取り組み、地域振興策、地域活性化策をとっていく。そういう前向きな姿勢が大事だと思っております。

例えば、かもめ効果などといって、JRが民営化したときに、九州にJR九州ができて、長崎と福岡間をかもめという特急で結ばれて、非常にスピードアップした。その結果として長崎市の中心街が寂れて福岡の方にお客さんが行ってしまったというようなことがあります。そういうことはあるけれども、しかし、長崎市自身が一生懸命に努力して、今、長崎市の中心街はかなり活性化していると聞いております。マイナスはあるけれども、それに前向きに対応して地域を活性化していくという努力が必要だと思っております。

 環太平洋連携協定(TPP)参加について(追加質問) 

記者

先ほどのTPPの関係で確認なのですが、プラス・マイナスの調査を指示したということなのですが、それは影響額とかそういったものと受け止めていいのかということと、国民的議論が必要だということは、その影響を調査したものは県民に、どういうマイナスが考えられ、どういうプラスがあるということを示すということでよろしいのでしょうか。

知事 

もちろん影響額が出ればいいのですが、なかなか額までは出にくいということはあります。しかし、出なくても、したがって定性的な影響ということになるかもしれませんけれども、それでも何でも、こういう影響があり得るとかそういうことは示すべきだと思いますし、その結果については県民に皆さんにお知らせするということは当然やるべきだと思っております。

農業で言えば果樹生産に対する影響というようなことは、農水省自身が米についての影響は定量的に出しているのですが、果物については出していないものですから、なかなか本県独自で数字まで推計できるか、プラス・マイナス両方があると思いますが、そこのところまでは今の段階ではお約束はできないわけであります。しかし、定性的なプラス・マイナスの効果というようなものはお示しして、オープンにすべきものだと思っております。

 

(以上)

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
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