トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成23年11月8日火曜日)
ページID:39616更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
先ほど、知事政策局の方からこの影響予測を行った結果につきましては、皆さんにご説明があったことと思います。TPP、環太平洋パートナーシップ協定につきましては、県内産業や県民生活に大きな影響を及ぼす重要な問題でありますので、先般、関係部局に、本県に及ぼす影響についてプラス・マイナス両面から調査するよう指示したところであり、この度、取りまとめができましたので、報告させていただいたわけであります。
影響の予測に当たりましては、協定の内容が、実際の交渉に委ねられる部分も多いということから、現時点において国が公表している情報をもとに整理したわけであります。
また、併せて、関税撤廃により大きな影響を受けることが想定される、農業や企業等の関係者の皆様に対しアンケート調査を実施しましたので、その結果につきましても整理したところであります。
アンケートの結果では、農業者において「反対」が多く、企業等において「賛成」が多いという結果となりましたけれども、両者ともに、国に対しより一層の情報提供を求める意見が多くありました。
この内容につきましては、県民の皆様の理解が深まるよう、近日中に県のホームページに掲載したいと考えております。
以上であります。
記者
知事のコメントの中にもありましたけれども、企業・農業ともに国に対してより一層の情報提供を求める意見が多く出たという結果になったのですが、国に対して県として今後どのような要望なりをされていくという考えはあるのでしょうか。
知事
TPPの問題につきましては、県民生活等への影響について調査するということでやったわけでありますけれども、先ほどもお話ししましたように、何しろ項目が関税以下21項目ある非常に幅広いものであり、かつ、これからの交渉によって決まってくることであるわけですから、今の時点でプラス・マイナスの影響がどうだということは、なかなか出にくいということなのです。しかし、そういう中にあって、アンケート調査によれば農業関係の皆さんは概ね反対、製造業関係の皆さんは概ね賛成というように、国論が二分しているという状況でありますので、政府としてできるだけ情報を国民に提供して、国民のコンセンサスを得る努力をしていっていただきたいと思っております。
このことについて国にどのように伝えるかでありますけれども、特に要望書とかは考えておりませんけれども、近々、24年度国の予算編成に対する県の要望等もございますので、そういういろいろな場を通じて国の方にお願いしたいと思っております。
記者
農業にとってはマイナスの影響が予想されるということなのですが、本県で盛んな果実の農家にとっても、トータルではマイナスの影響の方が大きいとお考えなのでしょうか。
知事
大きいか小さいかというのは、なかなか数量的には表しにくい。その報告書にも2つ書いてあるわけでありますが、マイナスの影響としてはアメリカとか、あるいはオーストラリア、ニュージーランドというところから、関税が仮に撤廃されるとすれば、より安く輸入農産物が入ってくるわけでありますから、果樹についても何ほどかマイナスの影響があるということはあります。
それからもう1つは、そこにも書いてあるように、現在でもワインの醸造用のブドウ液などがチリ辺りから輸入されてきて、それで国産のワインをつくっているということがあるわけでありますが、それがより安く入ってくるということになれば、これは国産ワイン業界にとってはマイナスになるということはあると思います。
しかし、プラスの面ももちろん関税が撤廃されれば、本県の非常に高品質なモモ、ブドウといった果樹については、大変に富裕層には評価が高いわけでありますから、輸出は増加するということはあると思います。ただ、そこに書いているように大所は中国であり、それは入っていないから、その大きさはどれくらいか分からない。アメリカも現在も、モモ、ブドウについては植物検疫の観点から禁輸になっているわけです。アメリカがもし解放されれば、これは我が県のもモモ、ブドウなどは、アメリカに相当輸出されるだろうと思います。
一方で、TPPでは植物検疫についても議論することになっておりますから、仮にアメリカの植物検疫が、モモ、ブドウについて外されて、山梨のモモ、ブドウがアメリカに輸出されるということになれば、それはプラスになるということはあると思います。
いろいろなプラス・マイナスが錯綜しまして、どちらが多くてどちらが少ないということは、現時点ではなかなか評価はし難いということだろうと思います。
記者
国の方では与党が明日にも意見集約して、明後日10日に正式に交渉への参加を決定するという段取りになっているのですが、この政府の方針について、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
おっしゃるように報道によりますと、野田総理はTPP交渉に参加するという決断をされて、11月12,13日のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議でそのことを表明するというように言われております。もしそうであるとすれば、よく海外からは「日本の政治は何も決めない」というようなことを言われるわけでありますけれども、政治というのはやはり本質は決断でありますから、総理がもし一国のリーダーとしてそういう決断をされるのであれば、私はそれを是としたいと思います。そして地方行政の立場から、このTPP交渉ができるだけ我が国に有利に運ぶように協力するし、また、このTPPができるだけプラスに働くように、地方行政の立場から努力していかなければならないと考えております。その際にも、交渉の経過等についての情報はできるだけ国民に流すようにしてもらいたいと思いますし、県としてもそういった情報をできるだけ収集して県民の皆さんに流す努力をしたいと思っております。
記者
確認ですが、野田総理の交渉参加への決断というのは賛意を示したいというお考えでいいということでしょうか。
知事
賛意というか、一国のリーダーが決断したということであれば、それは重く受け止めて、我々地方行政としてはできるだけそれがいい決断になるように協力していくということだと思います。
知事
やまなし産業大賞は、本県産業経済への貢献が顕著な企業を顕彰することにより、県内企業の活動意欲を高めることを目的として平成21年度に創設されたものであります。本年度は「ものづくり大賞部門」と「経営品質大賞部門」の募集を行いました。
両部門合わせて24件の応募があり、東京大学大学院の影山和郎教授を審査委員長とする「やまなし産業大賞審査委員会」において、公平かつ厳正な審査を実施いたしまして、「ものづくり大賞部門」として優秀賞2件、「経営品質大賞部門」として大賞1件、優秀賞2件を決定したところであります。
今回残念ながら「ものづくり大賞部門」においては、大賞となった企業はありませんでしたけれども、受賞した企業はいずれも、県内において独自の優れた技術や経営の質を有し、大変すばらしい業績をあげておられます。これを契機に受賞企業が更なる飛躍に挑戦され、またこの賞の受賞を目指して、新たな事業に取り組まれる県内企業が多くなることを期待しております。
表彰式は、11月17日に、アイメッセ山梨の「山梨テクノICTメッセ2011」の会場において実施させていただくことにしております。
以上であります。
記者
来週、県に来られる予定でした天皇陛下が、緊急に体調を崩されて入院ということになりました。今のところ日程等、非常に不透明なところもでてきたのですが、知事の天皇陛下のご病状や日程に対する見解をお話しいただけないでしょうか。
知事
ご指摘のとおりでありまして、陛下のご体調が1日も早くご回復されるように心から願っております。
恩賜林ご下賜100周年記念大会への行幸啓が予定されているわけでありますけれども、この対応につきましては現在宮内庁で鋭意検討中の状況であります。具体的にいつ頃正式に決定になるか、今の段階では我々には分からないことでありますが、いずれにしても来週のことでございますから、それほど遠くない先に宮内庁から正式な決定の連絡があるものだと思っております。
記者
2012年度の税制改正論議で自動車関連税の廃止を経済産業省が要望しているのですが、(自動車)取得税は地方税になると思うのですが、かつ重量税の一部も譲与税になると思うのですけれども、愛知県などは廃止を求めているとの話なのですけれども、山梨県としては地方の重要な財源となるものですから、どのような立場でお考えになっていらっしゃるのか伺いたいと思います。
知事
おっしゃるように非常な円高の中で自動車業界挙げて、自動車関連税とりわけ自動車取得税それから自動車重量税の廃止を要望している。それを受けて経済産業省も、その要望を出していると聞いております。確かに、自動車産業は一時期、自動車産業一本足体制などと言われるくらい、我が国の産業全体を自動車産業が支えている状況があったわけでありまして、我が国にとって極めて大きな重要な産業であることは間違いない。それがこの円高の中で空洞化の状況が起こってきているわけでありますから、大変に憂慮すべき事態であります。自動車業界の要望も切実な実態を踏まえた要望だと思います。しかし、そのような状況だから直ちに自動車関連税の廃止をすべきなのかどうなのか、これは国や地方の財源にも非常に大きな影響を及ぼすことでもありますし、本県として当面そのようなことを国に対して要請することは考えておりません。
記者
つまり反対ということでしょうか。
知事
今の時点では、そのようなことは考えていないということであります。
記者
先日、行政評価アドバイザーの指摘を受けた事業なども含めて、県の内部で2次評価を行ったと思うのですが、その中でことぶき勧学院について教育委員会では存続させる方向で見直しを検討したいとの話だと思うのですが、それは県としても同じ考え方でよろしいのかどうかを確認したいと思うのですが。
知事
ご指摘のように、ことぶき勧学院につきましては、過日のいわゆる山梨版事業仕分けにおいて3人のアドバイザー全員が廃止という結論でありました。そのアドバイザーの意見は重く受け止めなければならないということで、教育委員会としては2次評価において(ことぶき勧学院)大学院については廃止、しかしながらことぶき勧学院については、各方面の要望も受けて、存続はするけれども抜本的に見直しをするという2次評価をしたところであります。このことについては私も相談を受け、了解しております。
記者
了解しているということは、知事としても、それで良いのではないかと認めているということでよろしいでしょうか。
知事
そうです。
(以上)