県のあらまし2022
34/40

33おざらおざら(おだら)は古くから伝わる郷土料理の一つで、ほうとうに使用するより細めの冷やした麺を温かいしょうゆベースのつゆにつけて食べるのが一般的。のど越しがよく、夏場に食べることが多い。(中北地域、峡南地域)おつけだんご養蚕が盛んだった大月市の農家で食べられてきた料理。旬の野菜を煮た汁の中に小麦粉の団子を入れたもの。みそやしょうゆ、塩などの味付けや団子の形が家庭によって違い、おふくろの味として親しまれている。(大月市)市川三郷町の大塚地区は「のっぷい」と呼ばれる土壌で、肥ひよく沃なうえに石がほとんどないため、1mもの長さに育ち、食物繊維を多く含み、栄養価が高い「大塚にんじん」を育てるのに適した地域。毎年12月に、みたまの湯で開催される収穫祭では、にんじんめしが振る舞われる。山梨県は主要街道である甲州街道が通り、また、富士山信仰で登山者の荷揚げ用で必要とされ、馬が身近であったことから、馬肉料理が盛んになったともいわれている。馬肉生産量全国5位、吉田のうどんにも馬肉が用いられている。せいだのたまじにんじんめし馬刺したまじと呼ばれる小さなジャガイモをみそで甘辛く煮詰めた郷土料理。江戸時代の名代官・中井清せい太だ夫ゆうは、飢き饉きんの際にジャガイモ栽培を広めて窮地を乗り切った。人々が感謝を込めてジャガイモのことを「せいだ」と呼ぶようになったのが、名前の由来といわれている。(上野原市)(市川三郷町)(県内全域)富士川町十谷の集落に伝えられている郷土料理。小麦粉を練って薄く延ばし、3cmの正方形に切り「箕み」(農作業で使う道具)の形を作り、季節の野菜と一緒にみそで煮込む。昔、神様に奉納した「福ふく箕み」になぞらえて食べられるようになったともいわれている。みみ(富士川町)カツ丼山梨県で「カツ丼」を注文すると、ご飯の上にキャベツがのり、その上にとんかつがのった丼が出てくる。この上にたっぷりとソース(ウスター)を掛けて食べる。とんかつの肉汁や、ソースが浸み込んだご飯も絶品とされている。県外で一般的な「卵でとじたカツ丼」は「煮カツ丼」と呼ばれ、別の料理である。(県内全域)山梨の 各地域で受け継が れLocal cuisine o山梨の郷土食

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る