ふれあい特集号vol.39(デジタルブック版)
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が中心になっていること。そのため認知度が上がりにくく、業績も受注状況に左右されることになる。商品開発力、デザイン力を強化して提案型の事業展開で国内外の取引先を拡大するとともに、各社が独自ブランドを立ち上げることが突破口になればいいと考えています」 いい物を作るのは得意だが、売るのは苦手。中田さんは、そういった課題を見据えながら、4軒のメーカーを訪問しました。国内外有名ブランドのネクタイ生地を多数生産する「株式会社川栄」。天然素材にこだわり有名ブランドのストールを手掛ける「武藤株式会社」。昔ながらの織機を使い、独自ブランドのリネン製品を作り続けている「有限会社テンジン」。そしてオーガニックコットンにこだわった製品を作る一方、甲斐絹の伝統を守る「甲斐絹座」を立ち上げた「株式会社前田源商店」。いずれも現状を打破しようと、技術を未来につなぐための取り組みを行っているメーカーです。化、農業などに触れ、その面白さ、素晴らしさを感じてきました」 10月に山梨県のブランディング総合プロデューサーに就任した元サッカー日本代表の中田英寿さん。国内外の産業や文化に触れてきた中田さんならではの視点で山梨県を盛り上げることが期待されます。 「平成23年、二週間ほどかけて山梨県内を旅してみて、本当に豊かな場所だと思いました。素晴らしい風土、そこから作り出される産業、文化、農業……自分が育ったころには気付かなかった魅力にあふれていました。残念なのは、それが全国的に伝わっていないこと。また、東京から近すぎるために特長が分かりづらくなっている。でも少し視点を変えれば、その近さ03は逆に利点になるはずです。僕の目標は、日本の素晴らしさを世界に発信し、つなげていくこと。そのためにも、まず生まれ故郷である山梨の魅力を日本、そして世界に伝えていきたいと思っています」 そんな中田さんがプロデューサーとして最初に取り組んだテーマが『郡内織物』。伝統的な織物「甲斐絹」の技術を受け継ぎ、高い品質を誇る郡内地域の織物産業ですが、近年は海外製品に押され、かつてのような勢いはありません。 県産業支援課長の平井さんによると 「課題の一つは、OEM(発注元ブランドとして販売される製品を製造すること)技術を未来につなぐための取り組み

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