ふれあい特集号vol.54(デジタルブック版)
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離れて気付いた山梨の魅力大学卒業後は、地元企業へ一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン!シチズン電子検索 富士河口湖町出身の小山田和さんは、地元の高校を卒業後、県外の大学へ進みました。「都会での学生生活は豊かな自然をはじめ、当たり前と思っていた地元の魅力に気付く契機にもなりました。地元で社会人生活をスタートしたのも、そうした気付きがあったからだと思います」と小山田さんはいいます。 そんな小山田さんが就職先に選んだのは、富士吉田市に本社を置き、グローバルな企業活動を展開している、シチズン電子株式会社。昭和58年、世界で初めて表面実装タイプのチップLEDの開発に成功するなど、柔軟な発想と高い技術力で画期的な製品を次々と発表し、業界をけん引しています。「山梨から世界に製品を発信していること、若手社員にも最先端の開発に携わる機会が与えられることに大きな魅力を感じました」と小山田さんは、目を輝かせながら話してくれました。 「入社した平成14年は、LEDを一般照明として利用するためのプロジェクトが立ち上がった時期で、幸運にも、私もそのメンバーに加えていただきました。世界に先駆けた開発だったので、なかなか思うような成果が得られず、苦悩することも多かったです。でも、試行錯誤を繰り返しただけに、自分の開発したものが採用されたときには、この上ない喜びとやりがいを感じました」   この開発により、世界トップクラスの明るさを持つ、小型のLED開発に成功し、大光量を必要とするスタジアム照明などに使用されるようになりました。現在では、世界トップシェアを誇る主力商品に成長しています。 LED開発の傍ら、結婚、妊娠、出産を経て1年間の育児休暇を取得するなど、私生活でも大きな変化があった小山田さん。 「人類にとって明かりはますます重要になっていると感じますし、最近では、見え方や省エネなど、明かりに求められるニーズも多様化しています。そうした中にあって、会社のポリシーである『世界一』『世界初』に挑み続けるのはもちろんですが、結婚生活や育児を通して得た女性ならではの視点を生かして心地よさや安心感も提供していきたいですね」と笑顔で語ってくれました。大学では有機化学を専攻した小山田さんですが、その知識と技術が今の研究開発のベースになっているといいます。「自分の学んできた分野と企業とのギャップを感じることもありますが、実はつながっているということがあります。ぜひ、興味を持った分野には、飛び込んでみてほしいですね」全光束測定器で作業する小山田さんは「『世界初』をつくり出すまで、何千、何万回とトライアンドエラーを重ねます」といいます平成28年度やまなし産業大賞を受賞した、COB構造と呼ばれるLED。COBとはアルミの基板の上に直接LED素子を実装した構造。わずか3.8センチメートル四方のLED一つで、60ワットの白熱電球86個分の明るさを出す一方、消費電力は10分の1。白熱電球の約40倍の長寿命化も実現しているのどかふれあい15世界トップシェアを誇るLED商品に携わる従来の照明光の質を追求したCOB構造のLEDによる照明

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