ふれあい特集号vol.54(デジタルブック版)
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近年、県内企業の中で自律走行をするロボットのニーズが高まっています。3年ほど前にオーテックエレクトロニクスさんから、自社の設置型自動消火ロボットを搭載できる付加価値の高い自律走行ロボットを開発したいとの依頼を受け、センターと、国の研究機関である産業技術総合研究所、山梨大学が連携し、研究開発を進めてきました。 このロボットは段差を乗り越えるなど高い走破性があり、一度走行した場所の地図を作成する機能も持っています。自らの現在位置の推定ができることで、人が操作しなくてもロボットの 06自律走行ロボットに搭載する予定の自動消火ロボット試作品 産業用検査装置などを製造している株式会社オーテックエレクトロニクスは、自社が開発した自動消火ロボットを走破性の高い自律走行ロボットに搭載することで、より付加価値の高い製品を開発中。甲府技術支援センターの研究開発・技術支援に、同社が蓄積してきた技術をプラスし、実用化を目指しています。代表取締役社長 田倉 和男さん株式会社オーテックエレクトロニクス 昭和61年に創業して以来、自由な発想と確かな技術で、産業用検査装置などの製造を行ってきました。現在も世の中の役に立つものをつくっていこうと若手社員を中心に新事業の開拓をしています。当社の製品の中に、自動消火ロボットがあります。このロボットは、火災をサーモ監視カメラで検知し、自動的にピンポイントで消火できるので、さまざまな施設で利用していただいています。しかし、これからは自律走行の機能が必要だと考え、甲府技術支援センターの協力の下、開発を進めることにしたのです。 また、他の製品の検査や評価を行う際、社内の装置だけでは不十分な場合にセンターの設備を利用したり、人材育成の面でも若手社員の技術開発力向上のために、センター主催のセミナーに参加させたりするなど、常にセンターを頼りにしています。 これからも若手社員が多様な分野にアイデアを広げていけるよう、この自律走行ロボットの技術が新たな可能性を開いていってくれたらと思っています。自律走行ロボットを囲み今後の改善箇所を確認する、オーテックエレクトロニクスのスタッフとセンターの布施研究員多様な分野で活用できる自律走行ロボットの開発支援自律走行が可能となるため、人が入れない災害現場などでも活用できます。 今回開発した自律走行ロボット技術は、医療・介護・農業など、さまざまな分野での活用が見込まれることから、企業が新しい分野へ参入するためのツールとなることも期待できます。一度走行した場所の地図を自動的に作成センターが開発した自律走行ロボット布施 嘉裕 研究員甲府技術支援センター 電子・システム技術部 研究開発と技術支援 │自律走行ロボットの製品化を目指す│株式会社 オーテックエレクトロニクス(南アルプス市)新技術が広げてくれる新しい事業の可能性
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