vol72
11/20

 山梨県は、企画・デザインや原料調達から、宝石研磨、貴金属加工、水晶美術彫刻などに熟練した職人による製造技術、さらには流通まで、ジュエリーに関わる産業の集積地です。貴金属装身具の生産額は国内全体の約25%を占め、全国一のシェアを誇ります。 長引くコロナ禍の影響で、展示会などの中止が相次ぎ、ジュエリー産業は打撃を受けています。そこで、新たな有力販路先として中東諸国に注目し、今年度は、現地での市場調査を実施するなど、産業全体を活性化させるための取り組みを展開していきます。世界に誇る山梨の宝飾技術(提供:山梨ジュエリープロジェクト)素貯留効果を検証するなど、農業分野からの脱炭素社会実現に向けた取り組みをさらに進めていきます。 県は、家畜のストレスをできる限り少なくし、健康的な飼育方法をめざす「アニマルウェルフェア」の認証制度を全国の自治体として初めて創設し、家畜の快適性に配慮した畜産物という新たな付加価値の創出に取り組んでいます。 この取り組みでは、認証基準を満たす農場に付与するロゴマークを作成しました。今年度は新たに、メディア向けの情報発信や農家向けの講習会・研修会、消費者・畜産業者向けシンポジウムの開催などにより、認証制度の普及と理解促進を図り、県内外から選ばれる付加価値の高い畜産物をめざします。 昨年4月に立ち上げた県産農畜水産物のブランド「おいしい未来へ やまなし」で、品質の良さだけではない山梨県の農畜水産物の特徴を一体的に発信してきました。今年度はさらに、それぞれのブランドの付加価値の向上と、県全体のやまなしブランドの価値向上をめざします。 県は、果樹栽培で発生する剪定枝を炭化させ、二酸化炭素を土壌に貯留することで地球温暖化の抑制に貢献する「4パーミル・イニシアチブ」を推進しています。この取り組みで生産された農産物を認証する制度を設け、ブランド化を図っていますが、今年度は新たに、ブランド力の強化と認知度向上のために、店頭プロモーションやウェブ広告の掲載などを組み合わせた効果的なプロモーションに取り組みます。 また、4パーミル・イニシアチブに果樹以外の作物でも取り組むため、有機質肥料の使用による土壌への炭【食材の高付加価値化】上質さのPRでブランド価値向上をめざす郡内織物でつくられたネクタイ各種取り組みへの周知を図るロゴマーク 郡内地域は、1000年以上の歴史を持つ織物産地として知られています。富士山の伏流水を使い、高度で熟練した技術が生みだす織物は、発色が良く繊細で上質なことから、裏地やネクタイ、傘、ストールだけでなく、インテリアや雑貨などにも使われています。 今年度からは、織物製品の新たな販路開拓のための海外プロモーションや観光客をターゲットにした情報発信の強化、後継者育成のための若手人材の情報交換会や勉強会を開催するなど、織物産地としての認知度向上とブランド確立を図ります。【地場産業の高付加価値化】地場産業の世界展開を支援郡内織物や産地の良さを国内外へ発信「おいしい未来へ やまなし」の推進でブランド力を強化アニマルウェルフェアで全国トップを走り続ける4パーミル・イニシアチブで農業分野から脱炭素社会に貢献山梨ジュエリーの輝きを世界へ届けるせんてい令和4年度当初予算11

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る