県とベトナムとの交流が深化を続けています。特産品の輸出だけではなく、未来を担う人材の交流も進む現状をやまなしin depthからダイジェスト版でお届けします。交流のきっかけは、長崎幸太郎知事が2023年5月、ベトナム政府の農相に直談判に及んだことだ。その狙いは、山梨県産ぶどうの輸出解禁だった。日本産の果実は、一部を除いてベトナムへの輸出が禁止制限されている。農相から前向きな返事を引き出せただけではなく、大歓迎された一行にはベトナム側からの「ご提案」が次から次に舞い込んだ。農業分野に限らず、エネルギーや人材交流……。予定になかった要人との面談が急に持ち込まれた。 とりわけ北中部にあるクアンビン省への視察では話が弾み、さまざまなチャネルで交流を進めていく言葉の壁を超えてギュッ!姉妹友好県省を締結高校生たちも「つながる」山梨の高校生は、海を渡ったことが双方で確認された。早くもその年の9月には、クアンビン省トップのヴ・ダイ・タン書記らが山梨県を訪問し、姉妹友好県省が締結された。タン書記ら訪問団は、甲州市のぶどう農園で旬のシャインマスカットを堪能。さらに、クアンビン省では、カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの開発に力を入れていることから、米倉山にある「次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ」を視察した。民間レベルでも、「山梨県ベトナム親善交流協会」が2024年1月に設立され、県内の「ベトナム熱」は高まるばかりだ。人材交流も姉妹友好県省としての大きなテーマ。その第一弾として、今年2月に山梨県の高校生たち20人がクアンビン省を訪問し、ヴォーグエンザップ高校の生徒たちと交流した。 「交流の意義を理解し、グローバルな感覚を養ってどう将来に生かすかという目的意識の明確な生徒に参加してもらうことにしました。外国を実体験することによって、山梨県の良さを改めて感じてもらうことも交流の狙いです」県教育委員会の担当者はこう語る。英語で互いを紹介し合い、スマートフォンでSNSのIDを交換してあっという間につながった高校生たち。帰国後も、「雪だるまを作った」と南国の友達を驚かせているのだという。交流は成果を上げたのだろうか。帰国後に生徒が提出した報告書の一文が、その答えになるのかもしれない。 「英語という共通語は、私たち若者の距離を縮める魔法の道具だった」JAPANETNAM山梨とベトナムの高校生が交流(2024年2月)米倉山の「次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ」を視察した訪問団(2023年9月)PICK UP INFORMATION17もっと読む県政情報発 VI
元のページ ../index.html#17