裁判員の経験から一念発起した伝統野菜を復活させコンビニ商品に懸命に志す県民インタビュー未来を未来に向け懸命に生きる県民を紹介する、新連載「山梨懸人」。1回目は、農業に魅せられた女性のストーリー。江戸時代からの伝統野菜を復活させただけでなく、その野菜の使い方を変えてビジネス化した。商品は、11月ごろからコンビニの店頭に並ぶ。[連載]きらめき久美ファーム山田久美子甲府市内の公民館で5月、セブンイレブン・ジャパンの担当者と県庁職員が向き合う場に、山田久美子さんは同席していた。机の上には試作品がずらり。「長禅寺菜」の商品化が検討されていた。大手コンビニの商品に採用される野菜をつくっていると聞いて、山田さんをベテラン農家と思ったアナタは早合点。山田さんが農業を始めたのは2020年9月のことだ。兼業農家の家に育ち、畑に出るのが大好きな子だった。山梨学院短期大学に進んで栄養士の資格をとり、病院や企業で働いた。2002年の結婚後は夫が経営する電気工事会社で経理の仕事を任されていた。そんなある日、1通の封書が届いた。裁判員に選ばれたという知らせだった。 山梨県は、さまざまな資源の価値を高める施策を実施しています。観光名所や地元特産品にいま以上の価値を持たせることで、地元で暮らす人の収益が高まるようにする。結果として、多くの人たちの豊かな暮らしが実現すると考えているからです。また、「開(かい)の国」を県政の柱に据え、国籍、性別、年齢や障害の有無などを問わず、誰もが活躍できる社会づくりを進めています。無農薬でつくったサツマイモはキッポシ(干しイモ)にして販売している山田さんは長禅寺菜のほか、ブドウ、スモモ、サツマイモ、コメをつくっている。 ー 18長禅寺菜の栽培を始めるセブンーイレブンで長禅寺菜を使った商品 発売開始(予定)南アルプス市生まれ短大を経て栄養士になり、病院や企業で働く結婚し夫の会社で経理の仕事農業を始める
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