ふれあいvol81
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昨年6月の「活火山法改正」をきっかけに、今年4月、文部科学省に「火山調査研究推進本部(火山本部)」が設置されました。火山本部ができると何が変わる?火山防災の国内第一人者で、山梨県富士山科学研究所所長の藤井敏嗣さんに話を聞きました。  活火山法改正で  火山本部ができた  火山本部ができた  メリットは?富士山研究がきめ細かくなる私はずっと日本の火山防災を変えるためには、「活火山法を改正する以外にない」と言ってきました。従来は大学などの研究機関が個々に調査・観測したデータを気象庁が集約して火山情報として発信するボトムアップ型だったからです。火山防災のためには、国が主導して体系だった調査をする専門部署をつくらなくてはいけません。1995年の阪神淡路大震災で、「地震調査研究推進本部」(当時の総理府に設置、現在は文部科学省)ができたとき、私は「火山も対象にするべきだ」と進言しました。2000年に有珠山と三宅島で噴火が起きたときも、〝防災のための火山研究〟の必要性を主張しましたが、火山本部設置には至らずじまい。「こんな防災体制のままでは大変なことになるぞ」と、本気で焦っていました。事態が動きだしたのは2019年。富士山に新たな火口が見つかり、避難対象人口が約10万人増えたため、富士山ハザードマップの改定作業が始まりました。その年に初当選した長崎幸太郎知事が「火山災害警戒地域」に指定されている23都道県に協力を呼びかけ、自らが世話役となって「火山防災強化推進都道県連盟」を設立しました。2022年に自民党火山議連に対して要望書を提出すると、2023年6月14日の国会で活火山法の改正案がスピード可決されました。20年以上できなかったことが、たった4年で達成されたことに驚きました。この法改正によって「火山調査研究推進本部(火山本部)」が設置されました。これでようやく、国が責任を持って全国の火山の一元的な調査研究を行うトップダウン型に切り替わることになります。地震研究の〝3周遅れ〟の状態だった火山研究が、スタートラインに立った瞬間です。火山本部が設置された大きなメ  3 6    リットは二つあります。ここが変わる!士山は活火山なので、い富つか必ず噴火します。最後に噴火したのは江戸時代ですが、以降300年以上噴火がないので、マグマが溜まって大きな噴火になる可能性もあります。県がハザードマップなど情報提供しているので、富士山噴火時に自分が住んでいる地域にどのような影響があるか、確認しておくことが大切です。藤井敏嗣Fujii Toshitsugu山梨県富士山科学研究所所長。東京大学名誉教授。理学博士。1946年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。ピナツボ火山や雲仙普賢岳、伊豆大島など国内外のさまざまな火山災害調査研究プロジェクトで中心的役割を果たす。2003年から14年間、火山噴火予知連絡会会長を務めた。2014年に富士山科学研究所の所長に就任。自治体の火山研究所は全国的に珍しい。以前は山梨県環境科学研究所だったが、2014年に現在の名称になった富士山は噴火するの?

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