ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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62山梨の伝統音楽 〜地域芸能継承の取り組み〜6 山梨県には数多くの伝統芸能が受け継がれ,演奏されています。その中から地元で取り組まれている「鰍かじか沢ざわばやし」と「内うつ船ぶな歌か舞ぶ伎き」を紹介します。 鰍沢ばやしは,京都の祇ぎ園おん囃ばや子しと江戸のお囃子が富士川舟しゅう運うんによって伝わり,「鰍沢ばやし保存会」により現在まで引き継がれています。町の山だし車巡行祭りにて,曳えい行こうされる4台の山車の上で演奏されており,起源は江戸時代1850(嘉か永えい3)年といわれています。鰍沢ばやし,4台の山車ともに,町の民俗文化財に指定されています。 南巨摩郡南部町の内船地区には,古くから伝わる「村芝居」という歌舞伎があります。これは江戸時代後期に江戸の旅役者によって内船地区に伝えられ,その後,約250年に渡って受け継がれています。2011(平成23)年12月1日に,山梨県の無形民俗文化財に指定されました。 地元の中学校では,伝統芸能の学習として,「内船歌舞伎保存会」の方々の協力のもと,歌舞伎を披露するなど積極的な取り組みが行われています。私たちの地域ではどんな伝統音楽が受け継がれているのかな。お囃はや子しでは,どんな楽器が使われているでしょうか。 歌舞伎は,歌(音楽)・舞(舞踊)・伎(演技)からなる総合舞台演劇で,江戸時代に生まれました。歌舞伎の起源は,江戸時代初頭に出雲の阿お国くにが興行した「かぶき踊」だといわれています。それが次第に劇としての要素を兼ね備えるようになり,時々の流行や他の芸能の要素などを巧みに取り入れながら,総合芸術として発展しました。内船歌舞伎鰍沢ばやし「歌舞伎」について

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