山梨てくてくvol.11
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その発祥は、700年以上前とも伝えられている「雨畑硯」。早川町を流れる雨畑川の渓谷で採掘された原石は優れた職人たちの手により硯となり、多くの文人墨客に愛用されてきました。そんな雨畑硯の歴史と、地域の文化を伝承していく誇りについて、「雨畑硯の里 硯匠庵」の天野元さんに伺いました。 「永仁5(1297)年に日蓮大上人の弟子の日朗上人が七面山開山の帰り道に、雨畑川上流の河原で青黒い石を見つけたのが雨畑硯の始まりだと昔から言い伝えられています。今、この硯匠庵付近はダム湖になっていますが、昔はこの辺りも川でした。その谷沿いの奥深くまで雨畑川が続き、その支流に稲又川という川があり、そこにある坑道から今でも原石を採掘しています。どうして硯を作ることになったのかは定かではありませんが、おそらく日朗上人が硯に対する知識や何らかの技術を雨畑の人々に伝えたのではないかといわれています。雨畑には武田信玄公の時代から金山があり、掘削技術が備わっていたこともあり、硯産業の発展につながったのではないでしょうか」日蓮大上人の弟子・日朗上人が雨畑川で見つけた青黒き石。それが雨畑硯の始まりだという伝説。雨畑川上流にある坑道の入口付近坑道から採掘した原石(左) 硯の裏面に彫られた日蓮大上人像と雨畑硯についての記載がある『甲斐叢記 巻之四』(右)[硯匠庵蔵]雨畑硯の里 硯匠庵天野 元さ んけんしょうあん09
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