てくてくvol.16
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など、山梨の食材を用いて作った料理を山で食べていただきたいと思い研究しました。食を通して地元の生産者やお客さんなどと新たな人間関係が築けたことも良かったと感じています」 「南アルプスは、登山口が奥まっていて登山ルートも少ないので、他の山に比べて登山者も少なく、多くの自然が残されています。山にはいろいろな表情があり、誰にでも平等だからこそ、山頂を目指して歩いたり、走ったり、花を見たり、雨の日を楽しんだりするなど、人それぞれの楽しみ方が見つけられると思います。ですが、山に入るときには守るべきことがあります。何も持ち込まず、持ち出さず、そして登山届を提出するなど最低限のルールの厳守はもちろん、山に入る目的が違う他者を尊重する気持ちを持たなければいけません。 登山は数あるスポーツやレジャーの中でも死亡者の数が非常に多いです。私も数多くの遭難救助に当たり、残念ながら亡くなった方、ケガをした方を見てきました。山に入る以上、そういうことにも向き合わなければなりません。例えば野球をするのにバットが必要なように、登山にも必要不可欠な装備があることを忘れないでほしいと思います。登山のスタイルは時代と共に変化するので、私もその変化に柔軟に対応できるよう、最新の情報を得ることを心掛けています」 「父が亡くなり3年ほど経ちますが、どれだけ自分が父に守られてきたかを実感し、また父の業績の大きさも知りました。私は山の世界では一生下っ端という気持ちがあります。父や先輩方が築いてきたものは、受け継がなければならないと思っています。しかしその一方で、自分なりに新しいものを取り入れていくことも必要だと考えています。もともと山が好きというわけではなかった私が、山小屋で働き、今ではこの仕事が好きになったのも、楽しめるようになったからだな、と実感しています。まるで親戚のような存在の他の山小屋の人たちや、次世代の山小屋を担ってくれるであろうスタッフや仲間たちに囲まれて仕事ができることに、私は今とても幸せを感じています」「父が写真家の白籏史朗さんと親交があったので、私の名前『顯慈』は白籏さんが付けてくれたんですよ」と笑顔で話す顯慈さん。話題が豊富な顯慈さんとお話しするのも広河原山荘での楽しみの一つ。広河原TEL.090-2677-0828地産地消にこだわった食事が人気。令和3年6月に新築し、移転する予定。広河原山荘山は誰にも平等だからこそ守ってほしいことがある先人からの継承と自分だからできることの追求広河原山荘管理人塩沢 顯慈さ ん09
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