てくてくvol.17
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未開の渓谷。それは信仰の山につながっていたFEATURE御岳昇仙峡の始まり 昇仙峡の奥に鎮座する奥秩父連峰の名峰・金峰山は、古来より山岳信仰の山として知られています。昇仙峡を登り詰めた地にあり、約2千年の歴史を有する甲府の金櫻神社が登拝口の一つであったため、道が開かれる前から、金峰山への参拝路(御岳道)として修験者が昇仙峡を訪れていたと考えられています。現在では景勝地として知られている昇仙峡も、かつては山深い地にひっそりと、その姿を隠すように存在していました。その美しさが世に知られ、やがて観光名所へと発展していったのは、江戸時代後期、地元の猪狩村で農業を営んでいた長田円右衛門らが新しい道を切り開いたことが始まりでした。「仙嶽闢路図」をもとに明治35(1902)年に発行された「御岳探勝案内」の覚円峰の図(山梨県立博物館蔵)昇仙峡にある長田円右衛門の碑しも べみ たけみちい かり04

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