てくてくvol.18
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 「銀座でソムリエとして働いていた当時、私はヨーロッパだけでなく、オーストラリアやアメリカなどへ毎年研修に行っていました。どこに行ってもワイナリーの畑が見える所にオーベルジュやレストランがあって、世界中から訪れた人たちがそこで楽しんでいる姿を目の当たりにしたのです。このような経験から、私は山梨のワインの魅力を伝えるために、多くの人に産地を訪れ楽しんでいただきたいと願い、ブドウ畑が広がる勝沼の風景が見える場所で店を開きたいと思ったのです。 山梨のワインと共に楽しむ料理には、県産の食材を使いたいと考え、自ら足を運び食材探しをする中で、熱意ある生産者が作るおいしい食材と出合うことができました。山梨には『甲州富士桜ポーク』や『甲州麦芽ビーフ』をはじめとする品質の良いブランド肉があり、最近では『富士の介』という新しいブランド魚も出てきました。さらに野菜の種類の豊富さにも驚いています。山梨の食材は本当に素晴らしく、これらを生かした料理を提供しています」 「山梨は、野菜と肉は以前から充実していましたが、魚に関しても昨年出荷が始まった『富士の介』は食味が良く、料理のバリエーションを広げてくれる食材だと感じています。キングサーモンを父に持つ魚ということで、きめ細かな身質に上品な脂が程よく乗っているので、甲州ワインによく合うと思います。 山梨に来た方には、まず甲州ワインを飲んでいただきたいですが、ひとくちに甲州ワインといっても、生産者や醸造方法によってその特徴は大きく異なります。酸味が穏やかなタイプ、熟成感があるタイプなど、味わいの個性もさまざまなので、飲み比べて料理と合うワインを見つけてみてはいかがでしょうか。 世界的にも認められてきた甲州のほか、マスカット・ベーリーAを用いたワインも魅力的です。最近ではワインで初めて地理的表示『山梨』を取得したり、県がワイン県宣言を行ったりしたことで、山梨のワインへの注目が集まっています。加えてブドウ生産者やワイン醸造家の皆さんの努力により、山梨のワインのレベルはどんどん上がっています。この魅力的な山梨のワインを国内外にアピールするため、山梨のワイン文化をこれからも大切にしていきたいと思っています」オープン以来使っているワイン産地のマップが描かれたランチョンマット。ワイナリーも増えているので、2年ごとに新しく刷り直しているワイン産地の真ん中で、山梨の本当においしいものを提供ワインと食のマリアージュ山梨のワイン文化を発信甲州市勝沼町下岩崎2097-1 TEL.0553-39-8245営業時間:11:30~14:30(L.O)、17:30~21:00(L.O)定休日:水曜日お店から徒歩圏内に10軒ほどあるワイナリーを訪問した人たちがランチやディナーを楽しむ場として人気を集めている。ビストロ・ミル・プランタン「ワインの特徴や産地にまつわるエピソードをお伝えすることで、山梨のワインと食のマリアージュをさらに楽しんでいただきたいと思っています」と五味さんビストロ・ミル・プランタン オーナー五味 美さ ん05

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