ページID:65338更新日:2015年3月20日
ここから本文です。
平成27年3月17日(火曜日)午後2時00分~午後2時28分
県議会議事堂2階議会運営委員会室
議長
去る2月26日に開会した2月定例会は、昨日3月16日閉会となりました。今定例会は、2期8年にわたり県政を担当された横内前知事から新たに後藤知事を迎えて初めての定例会であるとともに、私ども議員にとっても任期最後となる定例会でありました。
開会日には、後藤知事が初登壇され、山梨は大きな転換期に直面しているとの認識のもと、人口減少社会という大きな変化に加え、生活や産業を支えるエネルギー資源の変化、県土の景観を形成する農業を取り巻く状況の変化、近い将来に発生が予測される大規模な災害などへの備えが求められているとの認識を示されました。
更に、明治維新以降百年の歴史を振り返る中で山梨の主要課題を6つに整理し、目指すべき未来を「百万人都市」山梨とし、知事が目指す新たな地域づくりであるダイナミックやまなし実現のため、施策の早期具体化に取り組むとの所信を表明され、今後の県政推進への強い決意を示されました。
議会としては、二元代表制の下、後藤知事の進めていく重要施策に対し、自由闊達な議論を行い、県民の信頼を得る中で、より良い山梨の未来が実現できるよう、知事と議会が車の両輪となり推進を図って参りたいと考えております。
さて、今定例会におきましては、骨格予算として編成された平成27年度当初予算案及び国の経済対策に呼応した平成26年度補正予算案等が提案され、代表質問等を通じて、雇用と経済を支える基幹産業の発展、地域資源を生かした個性豊かな産業創出、子育て支援体制の充実など、公約に対する取り組みについて活発な議論が交わされました。
今定例会では、議会として提言を行って参りました案件について、国へ要望する意見書2件を可決いたしました。
まず、「防災対策の充実強化を求める意見書」についてであります。
昨年8月に「防災対策に関する政策提言」を臨時会で可決後、知事に提出し、県の地域防災計画の見直しがされたところでありますが、この計画を的確に運用し、実効あるものとしていくため、国に対して、災害発生時の防災情報の収集・伝達・発信機能の強化などについて、確実に実施できるよう要望したところであります。
二つめは、「世界遺産富士山の保全の推進等に関する意見書」についてであります。
世界遺産富士山については、来年2月1日までにユネスコに対して保全状況報告書を提出するよう要請されており、これまで以上に富士山の保全と活用の調和を図るためには、地方自治体だけの対応では限界があることから、国に対して必要な法制上の措置や財政的支援の充実、火山防災対策の強化について強く要望しました。
また、今定例会では、富士山保全促進議員連盟を通じた要請に応じて提出された山梨県世界遺産富士山基本条例を可決したところであり、活発な議会活動の成果と考えています。
その他、請願に基づき、意見書2件を可決いたしました。
最近の県内においては、暴力団の発砲事件が多発し、県民生活に大きな不安と脅威が生じています。暴力行為は断じて許されるものではなく、県民をあげて、安全で住みよいふるさと山梨の実現を期する「暴力追放に関する決議」を可決したことは、県民から信頼される議会活動の証左となったのではないかと思います。
ところで、改築工事が進められていた委員会室棟については、今月下旬には工事が完了する予定であることから、昨日、執行部の案内による議員全員を対象とした内覧会が開催されました。
議員の活動する会議室、常任委員会室のスペースが拡大するとともに、エレベーターや議事堂との渡り廊下も増設されるなど、県民に開かれた議会として、利用者の利便性向上が図られるものと考えます。
これを機会に、県民の皆様の県議会に対する関心がより一層深められ、県議会をより身近なものに感じていただけることを期待いたします。
2月定例会を終えての所感は以上のとおりであります。
続いて、報告事項であります。
最初に、「議長懇談会の開催について」であります。
近年、本会議や委員会以外の場において、議員同士が率直に話し合う機会が少なく、自由に意見交換を行う場や期数の少ない議員から意見を聞く機会の必要性を感じていたことから、自由闊達な意見交換を行う場として、私的な懇談会を2月19日に議長応接室で開催いたしました。
各会派代表者会議のメンバーを除く、1期生議員13名が参加し、県政課題に対する政策提言等の取り組みの促進や、会派を横断した議員同士の連携の重要性等について意見交換がなされました。
次に、「富士山の日街頭キャンペーン及び富士山の日フェスタ山梨2015の参加について」であります。
去る2月23日(月曜日)の「富士山の日」に、JR甲府駅、富士急行富士山駅、同河口湖駅の3箇所において、知事、関係団体の長及び地元市町村長とともに、「富士山の日」の理念をなお一層普及・啓発するためのキャンペーンを行いました。
また、同日午後には、ハイランドリゾートホテル&スパにおいて開催された富士山の日フェスタ山梨2015に参加しました。
今後とも、富士山の顕著な普遍的価値を末永く守り、確実に後世へ継承していくという決意のもと、世界遺産富士山の保全促進に向けた活動を活発に行っていく考えであります。
以上でありますが、皆様からご意見、ご質問等を伺いたく思います。
(記者)
後藤知事が就任されて1か月経つところですが、後藤県政の運営について議長はどのように見ますか。
(議長)
知事は、政治も行政も熟知しており、豊富な経験を持っている方ですので、順調なスタートを切ったという印象を受けます。知事の判断・決断を見ていますと、横内知事から贈られた言葉「熟議断行」を実行していると思いますし、117の施策を県政公約として示されていることについても、スピード感を持って、果敢に行動されていると思います。
(記者)
スピード感というご指摘ですが、例えば補正予算に公約をかなり盛り込んでいるとか、所信表明でご自身の公約に対する踏み込んだ発言をされているというような観点から、評価されているということでよろしいでしょうか。
(議長)
普通に考えると、就任して1か月ならもう少し慎重になると思うのですが、人事にしても施策にしても緒に就いているということを考えると、スピード感が現れており、政治・行政の経験が十分生かされているという認識をしております。
(記者)
議長懇談会についてですが、今後どのような展開を図っていきたいですか。
(議長)
初めてそのような機会を設けさせていただいて、どうしても議会のルールで会派とか、委員会とか、それを超えた議論の場というものはなかなか少ないところであります。私が承知している範囲では、参加された議員にはわずかな時間ではありましたけれど、会の趣旨をご理解いただけたと思います。議長が期数の少ない議員達にそのような場を設けていくことが大切だと考えます。
(記者)
今後、定期的にこのような機会を設けていくということを考えていますか。
(議長)
そのような機会が必要だと思っています。
(記者)
話し合われた内容というのは、議会活動につなげられるような意見もあったのでしょうか。
(議長)
参加された議員の発言の中に「こういう機会が今までなかったからありがたかった。」というものがあり、全て言い尽くせなかったかもしれませんが、議会活動につなげられる意見もあったと思います。
(記者)
懇談会の内容について、会派を横断した議員同士の連携の重要性について、お話しがありましたが、会派を横断して連携するということについて、具体的にご説明いただきたいのですが。
(議長)
会派というものは、ルールで定められているものなので、当然尊重しなければならないのですが、議員というものは皆同じ立場にありますから、会派を横断した話し合いの場というのは必要だと思います。1回で終わってしまっては、あまり意味がなくなってしまうので、今後もこのような趣旨で、開催していくことが大切なのではないかと考えており、後の方にしっかり引き継いでいきたいと思います。議会のリーダーが「集まって議論をしようじゃないか。」ということが必要だと考えています。
(記者)
今期を振り返ってみて、議長として、山梨県議会の活動について点数をつけるとしたら何点ぐらいですか。また、その点数の理由を教えてください。
(議長)
採点というものは人がしてくれるものと考えておりますが、世の中が大きく様変わりしているので、議会も大きく変わっていくことが必要だと思います。社会の変化がとても大きいものですから、我々もその変化をしっかりと認識し、受け止めて、大きな変化にふさわしい議員活動をしっかりしていかなければならないと考えており、私としては、及第点は十分付けられると思います。その理由としては、大きな社会の変化に呼応できていたかどうかというところがポイントだと思います。
ただ、個人的には、期数を重ねた議員と若い議員との間にコンセンサスが十分に果たされているとは、思えないところがあり、議会全体のコンセンサスづくりに欠けていた部分があるのではないのかとも思います。
(以上)