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富士の国 やまなしの魅力
山梨県立美術館は1978(昭和53)年の開館以来、ミレーやバルビゾン派の作品を収集してきました。
現在、ミレーの代表作「種をまく人」や「落ち穂拾い、夏」などの油彩画12点をはじめ、パステル画、版画、素描など、合計約70点のミレー作品を所蔵し、ミレーの美術館として知られています。
また、通常、美術館はどのような作品にも合わせられるように白い壁が基調となりますが、ミレーとバルビゾン派に特化した「ミレー館」では第1室は赤色、第2室は緑色の壁とし、斬新でありながらも作品が映えるようにしています。
ミレーをはじめバルビゾン派の絵画を存分にご覧ください。
1814年にフランス北部ノルマンディー地方の村、グリュシーの農家に生まれたミレーは、小さいころから絵を描くのが好きで、パリの美術学校に通い、プロの画家になります。1849年にパリ近郊のバルビゾン村へ移住し、最初に描いた大作が「種をまく人」でした。1875年に亡くなるまでバルビゾン村に住みつづけ、主に農民画を制作しました。「自分は農民として生まれ、農民として死ぬ」と語っているように、ミレーは大地や自然を愛しました。
提供:県立美術館
一日の終わりを迎え、牧人が牛の群れを笛の音で呼び寄せています。この絵で特徴的なのは、やはり「彩り」。ミレーは大気が見せる微妙な表情を鋭敏な感覚で捉え、夕焼けをピンク、オレンジ、そして紫、青といった色彩で表現しています。山梨県立美術館に収蔵されている他の油彩画と比較しても、この明るく鮮やかな色彩は特徴的なものです。