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ページID：62263更新日：2014年8月28日

甲府城天守閣再建について

ご質問

テレビで甲府城天守閣再建の話題を見ました。
　史料が発見されていないものを、たとえ研究者が近いものを再現できると言っていても造るべきではないと思います。天守閣を造ったところで、甲府の商店街が活性化するとは思えないし、商店街には別の問題があるように思えます。
　価値のある石垣の上に適当なものは造って欲しくない。天守閣を再建して活性化した例があるのでしょうか。お金の無駄です。
　署名が多く集まったとしても、署名した方はよく分からないまました方も多いと思います。
　ぜひ、教育庁は意見を曲げないで、甲府城天守閣再建は史料が見つかるまでは実行しないでいただきたい。
　観光のためだけで、歴史的に価値のないハコモノはただの恥でしかありません。

回答

いただいた「甲府城天守閣再建について」の件につきまして、学術文化財課からお答えします。

　甲府城に天守閣があったか否かについては、平成17～20年度に外部の有識者による「甲府城跡保存活用等調査検討委員会」を設置し、調査・検討が行われた経過があります。この委員会における検討の結果は平成21年3月に報告書が刊行され、天守閣に係わることについては、大型の鯱瓦があったということで、相当大きな高層建築物があったと想定されています。しかし、発掘の成果、文献、絵画資料等がなかったということで、天守閣があったか否かの結論は出ていないとともに、その姿・形は明確になっていないこととなります。従いまして、県としては現段階では復元に足りる歴史的な資料がないと言わざるを得ない状況であります。
　甲府城跡については、これまでも県指定以来、史跡として価値を損なわないように、史実に基づいた稲荷櫓や鉄門などの1櫓4門の歴史的建造物の復元整備を行ってきました。天守閣については、これまでの調査では復元整備を行う段階には至っていないと考えていますので、引き続き関連資料の調査や研究を継続し、甲府城の歴史解明に向けた努力をしていきたいと考えています。
　甲府城内での今後の歴史的建造物の復元については、史跡の保護・活用や都市公園施設としての機能との両立が図られるように配意しながら、観光振興や地域活性化への効果も念頭に置き、慎重に検討していくことが必要と考えています。