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貴金属加工では、地金加工から、原型の製作、鋳造、仕上げまでを行いますが、それらの過程には、切る作業、削る作業、ロウ付け(貴金属と貴金属を接合する)作業、宝石を留める作業など、過程ごとに多様で、細かな作業が含まれます。さまざまな道具を駆使してこれらの作業を行い、各パーツの加工、組み立てからジュエリーの仕上げまでを行います。
平面研磨盤を使って、原石にカットを施し、磨き上げます。最初は目の粗い研磨剤を用い、段階的に細かい研磨剤に変えて表面を磨き上げていきます。カットの方法はたくさんありますが、表面に角度の違う多数の切子面(ファセット)をつくり、宝石を最大限に輝かせるファセット・カットと、ドーム型や丸型などに磨き上げるカボション・カットのふたつに大きく分類することができます。
原石に下絵を描き、大まかな形を整えるところからはじまります。水晶美術彫刻では水平に回転する軸の先端に、コマと呼ばれる円形の先端工具を取付けた彫刻機を使います。片方の手で原石を持ち、コマの上にもう片方の手で研磨剤を少しずつ注ぎながら彫り込んでいきます。鉄のコマを使い分けながら細部まで彫り込み、最後は木ゴマに青粉(酸化クロム)の研磨剤を用いて磨き上げます。
更新日: 2020年3月12日