ページID:71351更新日:2016年3月9日

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県指定 有形文化財 (彫刻)

木造釈迦如来及両脇侍坐像

  • 木造釈迦如来及両脇侍坐像(もくぞうしゃかにょらいおよびりょうわきじざぞう)

平成28年2月22日指定

所在地 甲斐市竜王629

所有者又は管理者 慈照寺

 

慈照寺は、曹洞宗寺院で、延徳元年(1489)に創建された。本像は、当寺の本尊として、法堂(県指定有形文化財)仏間の仏壇上に安置されている。

この釈迦如来像は、通常の螺髪(らはつ:丸まった髪の毛)を表す釈迦如来とは異なり、豪華な宝冠を被る宝冠釈迦如来像である。この宝冠釈迦如来に文殊、普賢両菩薩を配した三尊像は、南北朝時代以後、禅宗寺院の本尊として造立されることが多く、本像は、この宝冠釈迦三尊像の県内の代表的な作例である。他に宝冠釈迦如来像としては、臨済宗建長寺派寺院である棲雲寺(甲州市)本尊の木造釈迦如来坐像(県指定有形文化財)などがある。

県内の曹洞宗の伝播は14世紀前半頃とされるが、大きく展開するのは15世紀半ば以降であり、本像も当期の曹洞宗の隆盛の中での造立と考えられる。県内の曹洞宗は、臨済宗各派に較べると、中世に遡る仏像、仏画の遺例が少ない。そうした中にあって本像は、当期の曹洞宗の発展をよく示す作例ともなっている。

本像にみられる体躯の角張った表現や衣に配される盛り上げ文様などの丁寧な仕上げは、院派(いんぱ:平安時代後期から室町時代にかけて続いた仏師の一派で、「院」のつく仏師を多数輩出した。仏師号に「慶」や「円」の一字を持つことから名付けられた円派、慶派とともに京都に仏所を構え、造仏活動を行った。)の正統的な様式を伝えるもので、本像は院派系の作者による当寺創建期の頃の制作と考えられる。

本像は、県内の宝冠釈迦三尊像を代表する作例として、また、院派様式の優れた作行き(出来具合)を示す、県内の室町時代の彫刻を代表する作例である。

 

 

 

 

 

 

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