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ページID:77612更新日:2017年12月14日
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KB0013 国指定 重要文化財(建造物) |
昭和24年2月18日指定 所在地 山梨市北654 所有者又は管理者 大井俣窪八幡神社
若宮八幡神社は、本社祭神応神天皇(誉田別命)の皇子仁徳天皇(大鷦鷯命)を祀る。このため若宮八幡と称し、創始は本社鎮座と同時に勧請されたと伝えて、大井俣窪八幡神社の摂社とされる。神社本紀によれば、武田信昌によって応永7年(1400)に若宮社殿が建立されたと記され、以後、代々の武田氏の崇敬をうけるところとなった。現在の本殿は古式をよくとどめた室町時代初期の手法を示し、このときの建立とみて差支えない。本殿は本社正殿の北側に建っている。 本殿は三間社流造で、身舎柱、向拝柱ともに井桁組の一連の土台上に建つ。身舎は円柱で、柱上の組物は平三斗を組み、隅柱のみ桁行に二手出した連三斗とし、頭貫先端の木鼻が受けている。正面中央1間を幣軸構えとし、両開きの板唐戸を吊り込み、ほかは板壁とする。正面と両側3面には刎高欄つき榑縁をめぐらす。しかし背面では高欄を欠き、しかも脇障子の備えもなく異例の形式である。 扉の前面には擬宝珠高欄つきの木階七級を設ける。軒は前面一軒、背面二軒の繁垂木で、妻は豕杈首組とし、破風には猪目懸魚を飾る。 向拝は面取り角柱で、中間2本の柱上は出三斗、両端柱上は連三斗とし、柱を繋ぐ頭貫先端には肘木鼻を造り出しに付けて連三斗を組むが、他の社殿に例のない古い手法をみせる。身舎とは両端柱を繋虹梁で結び、中間の2本の柱には手狭を取りつけている。向拝前面は床を張らずに土間のままである。 建物は向拝柱と破風板が黒漆塗り、壁板と裏板が胡粉塗りとされ、ほかは紅柄塗りである。 この本殿は、比較的に簡素な社殿であるが、軸部の内部まで仕上げられた円柱、幣軸構えの形式、脇障子を省略した縁、きわめて深く折れた破風の反りなど、多くの古式な点が認められる。数多い大井俣窪八幡神社社殿のなかでは最も建築年代が古く、当初の姿および特色がよく残されている貴重な一例である。 昭和28年(1952)に解体修理が行われ旧規に復した。
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