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国指定 重要文化財(建造物) |
昭和24年2月18日指定 所在地 山梨市北654 所有者又は管理者 大井俣窪八幡神社
高良神社は、祭神に甲良明神が祀られており、大井俣窪八幡神社の末社である。本殿は本社本紀によると、明応9年(1500)に久保川豊前守が武内大神本殿とともに再建したと記され、現在の本殿は室町時代後期の手法を示しており、このとき建てられたものと考えられる。本社正殿に並ぶ武内大神本殿の前方やや南よりに東面して建っている。 本殿は一間社隅入春日造で、身舎は桁行、梁間ともに1間、正面に1間の向拝がつく。身舎柱および向拝柱ともに井桁組の一連の土台上に建つ。身舎は円柱で、柱上の組物は平三斗を組み比較的簡素であるが、背面は連三斗とされる。頭貫先端はいずれも繰形つき木鼻をつける。正面は幣軸構えとし、両開き板唐戸を吊り込み、ほかの柱間は板壁である。建物四周は刎高欄つき榑縁をめぐらし、特に脇障子は立てない。扉の前面には昇高欄つき木階七級を設ける。軒は二軒繁垂木で、屋根は桧皮葺である。正面入母屋形式の妻は狐格子、背面妻は豕杈首組で、いずれも破風に猪目懸魚を飾る。 向拝は面取り角柱で、柱上の組物は連三斗とし、虹梁状の頭貫先端は猪目型を入れた繰形つき木鼻をつけて、この木鼻が連三斗を受ける。身舎とは向拝柱を繋虹梁で結ぶが、これは身舎頭貫の下手から渡されており、武内大神本殿とは異なった技法をみせる。縋破風は身舎軒先より内側に幅を狭めて付加され、正規の春日造とは前面の趣が変わっていることも見逃せない。向拝の下部には土台の高さに床板を張って浜床を設ける。 以上のようにこの本殿は、構造的に隅木入春日造の様式によっているほか、大井俣窪八幡神社社殿の室町時代のすぐれた一連の建築であり、中世の社殿構成を示す遺例として重要である。 昭和29年(1954)に解体修理が完成した。
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