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ページID:69451更新日:2016年1月12日
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KC0062 県指定 有形文化財(建造物) |
平成21年12月24日指定 所在地 甲府市丸の内1-6-1 所有者又は管理者 山梨県
山梨県庁舎別館(旧本館)及び県議会議事堂は、鉄筋コンクリート造で、県議会議事堂は昭和3年(1928)、県庁舎別館は昭和5年(1930)に完成した建物で、県内に残る数少ない公共建築物の一つである。建物の意匠は、西洋の古典的な様式を基調としながら、幾何学形態を多用し、東洋風の意匠を組み合わせるなど清新なもので、重厚な外観に壮麗な内部空間を造り出している。 県庁舎別館の平面形が山の字を型取り、軒瓦の瓦頭の紋様とともに郷土性を表わしている。建築は、東京帝国大学教授で、当時の構造設計の第一人者であり、日本の建築構造学の基礎を築いたといわれる建築学者佐野利器(さのとしかた)が顧問として加わり、指導を受ける中で行われた。 建物内外に使用した花崗岩は塩山産で、マントルピースや階段ホールの独立柱など内装に使用した大理石は道志村で産出されたものである。このように現在ではみられない県内産の資材を使用した意義は大きい。 また、内部では、玄関、各階の階段ホール内部、階段などに三種類の模様の大理石を貼り分けるなど意匠を凝らしたり、重厚な装飾が施されるなど、当時の形式や装飾が偲ばれるものとなっている。 県庁舎別館及び県議会議事堂は、公共建築などが明治期、大正期の木造、煉瓦造、昭和期の鉄筋コンクリート造と外観・構造・意匠・機能性とともに大きく進歩する好例として、また本建物は県庁舎と議会議事堂がともに存在する昭和初期の県庁舎建築として貴重な存在である。 なお、平成27年(2015)3月に改修工事が終わり、正庁、旧知事室及び旧知事応接室等を意匠の保存に配慮した補修・修復を行ない、旧知事室及び旧知事応接室等を明治以降の近代において活躍した山梨県ゆかりの人物の功績等を紹介する「山梨近代人物館」として県民や観光客に公開している。
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