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ページID:85269更新日:2018年6月7日
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KC0067 県指定 有形文化財(建造物) 正(南)面全景 |
平成30年3月1日指定 所在地 甲斐市亀沢2609 所有者又は管理者 天澤寺
天澤寺は曹洞宗寺院で、山号を巨鼇山という。甲斐市(旧敷島町)亀沢にあり、亀沢川渓谷の左岸に沿った山の南斜面に境内地が広がる。 参道正(南)面に惣門が建ち、これをくぐって木立の中の参道を北に進むと、一段高い位置に山門が南面して建つ。その先に平坦面が広がり、奥に本堂と庫裏が東西に並び、本堂の裏に開山堂が建つ。 甲斐国社記・寺記第三巻、旧記実蹟取調書(敷島町誌)によると、妙亀山広厳院(笛吹市)の末寺で、文明4年(1472)に、現在地の北北東約2.5kmの天沢と呼ばれる地に、鷹岳宗俊を開山、亀沢の領主飯富氏を開基として創立された。寺には、武田家重臣の飯富兵部少輔虎昌と山縣三郎兵衛尉昌景の位牌と供養塔が残されている。 棟札等、直接建立年を記した史料はないが、「宝暦3年(1753)癸酉年3月吉旦」の記がある山門建立を目的とした寄付金受取証文が、寄付をした人物の子孫宅に所蔵されており、その頃の建立であることがわかる。 三間一戸の楼門は、梁間二間が一般的であるが、本山門は梁間が三間と奥行きがあるのが特徴である。県下には同様の梁間三間の楼門が他に2棟あり、寛永16年(1639)建立の慈照寺山門(甲斐市)、安永8年(1779)建立の景徳院山門(甲州市)は、いずれも県指定文化財になっており、県外ではわずかに埼玉県飯能市(長光寺山門)と東京都青梅市(天寧寺山門)に2棟確認できるのみである。これら5棟は、いずれも曹洞宗寺院の山門で、類例が極めて少ないが、三間一戸梁間三間の楼門は、本県及びその近郊における地域的特徴であり、曹洞宗寺院に見られる宗派的な特徴であるといえるかもしれない。 その中で本山門は、蟇股、板支輪格狭間彫刻、木鼻、虹梁絵様等の細部意匠が優れており、木鼻の抽象的霊獣彫刻は宝暦期の特徴をよく表しているものである。 <見どころ> 桁行、梁間とも三間の山門は極めてめずらしい。 山門にみられる象徴的霊獣彫刻がすばらしい。
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