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ページID:75005更新日:2016年9月23日
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MB0002 国指定 名勝 |
昭和19年6月26日指定 所在地 甲州市塩山小屋敷2280 所有者又は管理者 恵林寺
乾徳山恵林寺は臨済宗妙心寺派に属する名刹である。鎌倉時代末期の名僧、夢窓疎石(夢窓国師、正覚国師、心宗国師、普済国師、玄猷国師、仏統国師、大円国師と7度にわたり国師号を歴代天皇から賜与され、七朝帝師とも称される)が元徳2年(1330)に開山した禅寺である。 夢窓疎石は、幼少時代9歳の折、市川の白雲山平塩寺の空阿上人について出家、18歳で修行他出するまで甲斐で過ごし、その後もよく甲斐には帰入して、あちらこちらに寺を創立または再興している。 本庭はその夢窓疎石が56歳の元徳2年の折の作庭とみられ、現在その代表とみられる西芳寺庭園(京都府 特別名勝)や天龍寺庭園(京都府 特別名勝)は、みなそれ以後の造園であり、名ある庭園としては初めに属している。 現在指定されている本庭の範囲は、庫裏(くり)から本堂裏にかけての約2,270平方メートルの広い範囲である。庫裏と本堂をつなぐ亭橋(渡廊)から見渡すと、ほぼその全貌が視界に入る。右側に仮山と石組を立体的に形成して小流をつくり、左側の大半はいわゆる心字池を中心にした池泉(ちせん)廻遊式大庭園が展開している。 本堂裏からみる対岸に築山をおき、その下部池に面して優れた石組による滝口がつくられ、その両岸には力強い岩石を多数使用して剛健な趣をみせる。背後にある笛吹川を導入して水を池に落とし、中島を置くが橋を渡していない。なお築山の背後は山号となった乾徳山を借景として雄大な景観を成していたと思われるが、現在樹木のために見られない。
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