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ページID:74925更新日:2016年9月15日
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MC0005 県指定 名勝 |
昭和58年12月26日指定 所在地 山梨市山根1433 所有者又は管理者 永安寺
永安寺は曹洞宗寺院であり、伝えによれば、臨済宗向嶽寺派であったが、寛文6年(1666)の頃、転宗して現在の小林山永安寺に改めたという。 本庭は面積約337平方メートルで、池泉(ちせん)鑑賞式庭園であり、本堂裏手の山畔を利用し、上下二段にわたり傑出した石組によって造形されている。 右手奥の巨石群のなかの左傾の斜立石手法の巨石が王石(2.36m×1.3m)で、あるいは蓬莱石組(人が簡単には近づけない峻厳な絶壁を表現するために巨石をあおって立てたり、鋭い形の石を配置する石組)の主峰ともみられる。県内における江戸時代以前の古庭園として他にこれ以上の巨石はなく、これを左方建物の方向から遠望すれば、作者の築庭意図が理解され、また、よく石の感覚が表現されていることに気付く。 山畔部なかほどの石組を前にして、遠山石(1.28m×0.73m)を望めば、その優れた手法がうかがわれ、庭全体の立体感を増すうえから重要なものになっている。 本庭は比較的小面積ではあるが、多くの立石を組み、平天石を配し、その構成は江戸時代初期の庭園中、稀に見るものである。また、厳選された材の組み方は変化と統一のある優れた造形をみせ、立体観に満ちた幽玄は水墨画的世界が遺憾なく表出された日本的な名園である。
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