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ページID:69389更新日:2024年11月18日
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MKA0003 国指定 重要無形民俗文化財 |
平成24年3月8日指定 伝承地 富士吉田市上吉田 保持団体 吉田の火祭保存会
吉田の火祭は、江戸時代から松明(タイマツ)を燃やす祭りとして賑ったと「甲斐国志」に記載されており、富士吉田市上吉田にある北口本宮冨士浅間神社とその摂社の諏訪神社の祭りで、富士信仰の隆盛とともに伝承されてきた火祭りである。 この祭りは、7月1日に行われる富士山のお山開きに対する、お山仕舞いの祭りであり、巨大な富士山型の神輿が勇壮に渡御し、8月26日夜には、市中に並び立てられた高さ約3メートル、80本ほどの大松明が盛大に燃やされる。大松明に点火されると富士山の山小屋でも火が焚かれ、山と町とが一体となって火祭りが繰り広げられる。また、火祭りには、関東一円から訪れる富士講の人たちも参加し、宿坊の入口や大松明を囲んで、「お伝え」と呼ばれる経典を読み上げるなど講の行事を行う。 翌日の27日は、午後、御旅所から2つの神輿が出て氏子域を巡行し、夜に神社へ還御する。神社の境内では、神輿が高天原と呼ばれる祭場を回るが、このときにススキを持った参詣者たちが神輿の後ろについて一緒に回る。とくに市内外の女性たちが安産や子育てを祈願して大勢参加する。 また、上吉田では、祭りに際し、清浄であることが強く求められる。前年の火祭りから一年間に不幸のあった家の者は、火や神輿を見ることを避けるなどの禁忌が守られながら火祭りが伝承されている。 吉田の火祭は、上吉田の氏子だけでなく、関東地方を中心に活動する富士講の人たちも参加する祭りであり、富士山に対する信仰の広がりを知るうえで貴重であるとともに、火に関する禁忌が厳格に守られているなど、我が国の山岳信仰や火に関する祭りを理解するうえで重要である。
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