ページID:82020更新日:2017年12月14日

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MKC0020

県指定 無形民俗文化財

下吉田の流鏑馬祭

  • 下吉田の流鏑馬祭(しもよしだのやぶさめまつり)

平成29年9月7日指定

伝承地 富士吉田市下吉田

保持団体 下吉田の流鏑馬保存会

 

 下吉田の流鏑馬祭は、山梨県富士吉田市下吉田に所在する小室浅間神社の祭礼において、神社に付随する馬場で行われてきた。祭は、9月1日・9日・15日の3回のウマゾロイ(馬揃)、18日の山王祭・小室浅間神社祭礼の宵祭、19日の祭礼当日の流鏑馬からなっている。流鏑馬は、ウマットバシ・ウマットバカシともいい、古くはハッチョバンバとも称された。

 祭礼当日は、早朝に馬の飾り付けを行い、神事のあと流鏑馬を行う。朝馬が四回駆け、朝馬の一番が駆けたあと馬の足跡を見る占人がその足跡を確認する。その後夕馬も同様に4回駆け、最後に山王馬(朝馬と夕馬)が駆け、ノッパライ(乗っ払い)といってそのまま馬場の外に出て流鏑馬が終了する。

 小室浅間神社の流鏑馬祭は、神意を表すものとしての素朴な信仰が生きており、各地に伝来する的当ての競技に近いものとは異なっており、次のような特色がある。

 祭礼に奉仕するヤクウマ(役馬、本馬とも)を出すウマヌシ(馬主)は、氏子の中から選ばれ奉仕する形が取られており、同社では、境内に厩舎を設けて流鏑馬用の馬を飼育し、調教している。

 祭礼前には、7日間のキリヒ・キリビといわれる別火、潔斎を行っている。古くは馬を出すウマヌシの自宅で行っていたが、現在は境内にある潔斎館に泊まり込み、ウマヌシや奉仕者の不浄を回避している。

 祭礼の神馬とする馬の飾り付けが保持されており、額にオテンゴー(御天狗)を飾り付け、祭礼用の乗鞍を据え、尻尾はオバサミ(尾挟)で装飾する。また、乗り手は弓矢と藤蔓で製作した馬の鞭を持ち、また網代に組んだ的を用いている。

 筒粥の占い結果による馬出しの判断、馬の籤引き、馬の足跡による占い行事などが行われている。祭礼後に行われる、占人による馬の足跡の占いの占表が作成され、その結果により秋から冬にかけて、自治会や各町内、近隣による数多くの火伏せのオヒマチが現在も下吉田の各地で行われている。

 神(山王さん)が山に帰るという山宮信仰を伝えており、山王さんは山の神と認識され、山王馬に乗って山(富士山)に帰ってしまうとされ、ノッパライ(乗っ払い)で山に向かって馬場を駆け抜けるという形態は、流鏑馬が山の神への信仰を背景としていることがいえ、県内で伝承されるただ一つの貴重な事例である。

〈見どころ〉

・下吉田の流鏑馬は、疾走する馬上から矢を射る一般的な流鏑馬とは異なり、疾走した馬の足跡で吉凶を占うことが特徴です。

 

 

 

 

 

 

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