ページID:71487更新日:2016年3月15日
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TY0071 国登録 有形文化財(建造物) 玄関棟 温泉棟1階 源泉浴室内部と湯権現 |
平成28年2月25日登録 所在地 山梨市上岩下1055 所有者又は管理者 個人
岩下温泉旅館は、山梨県下でも古いと伝えられる温泉旅館であり、すぐ隣には岩下古墳群、走湯神社があり、笛吹川の支流である平等川沿いに位置する。 岩下温泉の温泉棟部分は明治8年(1875)頃に建てられ、地域住民により交代で管理する共同浴場として利用されていた。当時、周辺には旅館や料亭が複数あり、地域の中心的施設であった。 昭和17年(1942)頃に、この共同浴場を譲り受けた所有者が、温泉旅館としての営業のために玄関棟部分を増築した。現在は隣に新館を建て旅館営業を行い、旧館は日帰り温泉施設として利用されている。 奥に東西棟の温泉棟、これと直交した前方に玄関棟があり、ほぼ南面して建っている。明治8年頃の温泉棟は木造2階建で、一部地階に源泉浴場がある。増築の玄関棟も木造2階建で、2階に瀟洒(しょうしゃ)な座敷を設けている。 岩下温泉旅館旧館は、明治期に地域の中心的建築であった共同浴場の原型をよく保ち、半地下の源泉浴場を当初の構成のまま継承しながら、昭和初期の玄関棟増築により、近代の意匠を備えた温泉旅館として体裁を整え、現在に至っている。伝統的な和風建築で、温泉地の歴史的景観に欠かせない存在である。
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