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TY0077 国登録 有形文化財(建造物) |
平成28年8月1日登録 所在地 甲州市勝沼町菱山2565 所有者又は管理者 個人
佐藤家住宅は、甲州市勝沼町菱山に建つ切妻民家で、かつて盛んであった養蚕をおこなうため、小屋裏に2層の床と突上げ屋根を設けており、全国でも甲府盆地東部だけに見られる特徴を有している。 主屋は、梁間4間、桁行7間の上屋に、エンガワやクラなどの下屋が四方に取付く。突上げ屋根は、大棟を表側にずらして側柱筋まで2階として利用するもので、当家は大掛かりで本格的な造りである。屋根の勾配は9寸で、当初は草葺きであったが、昭和40年代後半に鉄板を被せて現在に至っている。現在の北側の屋根は、1間が緩い勾配の波形鉄板葺きになっている。 現在の間取りは、左手にドマがあり、右手は床上になっている。ドマ境には棟持柱の大黒柱が立つ。右手側の床上は、奥に向かって表側にアガリハナ・イドコ・ザシキの3部屋が並び、裏側にはダイドコロ・イマ・ナンドがある。奥のイドコ・ザシキ・イマ・ナンドはどれも2間×2間で、この4室が田の字型の配置をしている。アガリハナとダイドコロはドマに向かって開放されている。ザシキの表側は3本溝で、また東側の押入の鴨居も3本溝が残っている。突上げ屋根はイドコの上に設けられ、また、2階への階段はドマの表側入口横に掛けてあるが、当初からの位置ではない。保存状況も良く甲州民家の典型的な姿を示す。
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