ページID:83808更新日:2018年3月23日
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TY0094 国登録 有形文化財(建造物)
外観 |
平成29年5月2日登録 所在地 南巨摩郡富士川町舂米1237 所有者又は管理者 富士川町
舂米公民館は、甲府盆地を流れる笛吹川と釜無川の合流点よりやや西側の山麓、富士川町舂米地区のほぼ中心に位置している。 昭和天皇御大典の記念事業として公会堂建設が計画され、昭和3年11月に竣工した。設計・施工は地元の大工棟梁大久保峰吉で、材木・左官等も極力地区内で賄い、下働きには青年団等があたった。建物は木造平屋建入母屋造桟瓦葺で、南面妻側の入口には起り屋根妻入の庇が付く。また、窓庇が廻り、脇出入口上にも腕木で持ち出されて起り屋根状の庇が付く。平面は、60畳大の集会室と舞台があり、その裏側には厨房と和室が並ぶ。また、平成13年には北西側に収納や便所などが増築されている。増築部を除く主要部分は、内装等の改変はあるものの、内外とも良く当初の形を残しており、窓庇の持ち送りや床下換気口の鋳鉄製金物など、細部も良く当時の様子をとどめている。また、屋根は14〜15年程前に葺き替えられたが、「公」の字が入ったかつての鬼瓦が大切に保管されている。 養蚕が盛んな時期には集会室は養蚕の検査・出荷所としても使われ、演芸などの催し物や地区青年団のイベントなども開催された。現在も地区の行事や集会などに使用されている。 明治以降近代化を進める日本の、地方における住民たちの活動や地域発展に対する思いの刻み込まれた、大変貴重な建物である。
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