ページID:70492更新日:2016年1月19日
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SC0027 県指定 史跡 |
平成21年5月21日指定 所在地 笛吹市春日居町寺本字道万町53-3外 所有者又は管理者 笛吹市、個人
寺本廃寺跡は、地域で「寺本古代寺院跡」として親しまれている。現在、指定地内には民家や畑もあるが、塔の心礎である石や山王神社あたりで大きな礎石をみることができる。山梨県で最古の古代の寺院跡であり、創建は670年代の白鳳期と考えられている。建立の目的は豪族の私寺か、甲斐国府(こくふ)の寺院とするのが有力である。 塔の心礎は長径2.8メートルの巨石で、その規模から三重塔と推定されている。発掘調査で、築地塀に囲まれた130メートル四方の寺域に、三重塔、金堂、僧坊と、これらを囲む、中門、南門、北門、西門、回廊の跡が確認され、これら建物跡の配置からは、法隆寺(奈良県)とは逆に塔を東に金堂を西に配した法起寺式伽藍配置と考えられている。瓦は創建時である白鳳期の瓦のほかに8世紀の天平期の瓦がみられる。また、墨書土器や灯明皿、仏像の螺髪や破片、丸玉、鉄くぎ、紡錘車、古銭などが出土した。寺本廃寺跡は、古代甲斐国の宗教史、政治史、社会経済史を解き明かしていく上で欠くことのできない重要な価値を持つ史跡である。
寺本廃寺跡の位置図←こちらをクリックで地図がご覧いただけます。
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