ページID:71362更新日:2016年3月15日
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SC0029 県指定 史跡 万寿森古墳 万寿森古墳石室内部 |
平成28年2月22日指定 所在地 甲府市湯村三丁目462番1~4、463番2、甲府市大和町2076番2 所有者又は管理者 甲府市
万寿森古墳は、甲府市湯村三丁目及び甲府市大和町に所在する古墳時代後期の円墳(円形の古墳)である。古墳は甲府盆地北側の湯村山南端の山裾にあたる標高約290mの南向き緩斜面上に立地している。 本古墳は、江戸時代に石室が火薬庫として利用されていた記録が残されている。また、戦後にはホテルの倉庫として利用されたため、石室の入口には鉄製の扉が取り付けられ、床面はコンクリートで固められているものの、残存状態は良好である。 本古墳の横穴式石室(石室長13.2m、高さ3.3m)は、県指定史跡である笛吹市御坂町の姥塚(うばづか)古墳(石室長:17.54m)、甲府市千塚の加牟那塚(かんなづか)古墳(石室長:16.75m)に次いで、県内第3位の規模を誇る。また、石室の石材が小振りであることなど初期の横穴式石室の特徴を有しており、姥塚古墳や加牟那塚古墳に先立つ6世紀第2四半期ごろに築造されたものと推定される。 本県では、古墳時代後期の6世紀第2四半期から第3四半期にかけて、大形の横穴式石室を有する万寿森古墳や加牟那塚古墳が甲府盆地北西部に、姥塚古墳が甲府盆地東部に相次いで築造され、甲府盆地内における二大勢力を形成するようになる。この二大勢力は古墳時代終末まで存続し、奈良時代以降の郡の分割にも大きな影響を与えたと考えられる。 本古墳は、本県の古墳時代後期における横穴式石室の導入状況や首長層の勢力分布を解明する上で欠くことのできない古墳である。
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