トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県立考古博物館 > 資料・展示紹介 > おうちde土器のものがたり3「土器棺と墓坑に納められたもの」
ページID:96480更新日:2024年5月21日
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県立考古博物館では、秋季企画展「縄文土器のものがたり」をご自宅でもお楽しみいただけるよう、「おうちde土器のものがたり」と題して、展示の内容をご紹介してまいります。第3回のテーマは「土器棺と墓坑に納められたもの」です。
海道前C遺跡67号土坑出土遺物
人面装飾付土器(手前)と石棒(右前)
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深鉢形土器・人面装飾付土器・浅鉢形土器・石棒の4つの出土品がセットで展示されています。これらは、北杜市にある海道前C遺跡の67号土坑出土から発見されたものです。
海道前C遺跡67号土坑出土遺物
深鉢形土器(左前)と浅鉢(右前)
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海道前C遺跡67号遺跡出土状況図 |
遺物の出土位置を見ると、人面装飾付土器以外は重なりあっていることがわかります。このうち、浅鉢は深鉢を被る位置にあります。縄文時代には土器被覆葬という人骨を土器で覆う埋葬方法があり、本事例はこれと同様の意味と推定されています。このため、浅鉢の下にある深鉢は土器棺と考えられています。 この土坑をお墓とすると、石棒と人面装飾付土器は副葬品と考えられます。石棒は男性を示し、人面装飾付土器は女性を示す遺物と推定され、妊娠・出産あるいは死者の再生に対する願いが込められていると推測されます。 |
67号土坑遺物出土状況
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土器は棺や副葬品に用いられることが多く、そこから分かることもたくさんあります。今回ご紹介したお墓以外でも遺跡や出土状況を観ると、当時の願いを我々に物語っていることもあります。
県立考古博物館・学芸課
電話:055-266-3881
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受付時間:午前8時30分~午後5時
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