トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県立考古博物館 > 資料・展示紹介 > おうちde土器のものがたり7「土器の文様の中に隠れる動物1─イノシシ」
ページID:96484更新日:2024年5月21日
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県立考古博物館では、秋季企画展「縄文土器のものがたり」をご自宅でもお楽しみいただけるよう、「おうちde土器のものがたり」と題して、展示の内容をご紹介してまいります。第7回のテーマは「土器の文様の中に隠れる動物1─イノシシ」です。
縄文土器に一番最初に動物が表現されるのがイノシシです。縄文前期の関東中部地方に広がる土器の縁にはふつうにイノシシの顔がついています。しかしすぐになりを潜めていなくなります。次に現れるのは、中期初頭になってからですが、散発的であってそう多くはありません。
中期中頃の勝坂式土器になるとイノシシの顔だけではなく体もいっしょに表現されます。たくさん表現がされるわけではありませんが、よく文様として見かけます。
いちばんわかりやすいのが、山梨県安道寺遺跡の土器の縁についたものです。鼻が平らになったいわゆる豚鼻で、その下に口が逆T字形の横線できざまれています。頭の上にはたてがみがあり、まるい目がついています。体はまるっこく紡錘形になっています。いまのところこれがいちばんリアルなイノシシといっていいでしょう。
安道寺遺跡のリアルイノシシ
安道寺遺跡(甲州市)出土・深鉢形土器
画像を拡大(JPG:438KB)
よくみかけるイノシシ文様は、このイノシシをモデルとしてかなり簡略化したものとなります。からだは正面が平らでやや太ったようにまるく、砲弾のようにお尻がすぼんできます。鼻は丸い穴になっています。蚊取りのブタのようです。目はつり上がったように細くなり、もしかしたら耳のようにもみえます。からだの真ん中にはたてがみのような盛り上がった線がつきます。一の沢遺跡の土器の縁にもみられます。
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一般的な簡略化されたイノシシ
実は簡略化されたイノシシは文様として土器の縁や胴体によくちりばめられています。ふくらんで立体的な文様となっているのがヒントです。
鼻のところに人の顔がついているのもありますね。イノシシと人間が一体化したようなものなのでしょうか。イノシシの被り物をかぶっているようですね。
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