トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県立考古博物館 > 資料・展示紹介 > おうちde土器のものがたり8「土器の文様の中に隠れる動物2─ヘビ」
ページID:96485更新日:2024年5月21日
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県立考古博物館では、秋季企画展「縄文土器のものがたり」をご自宅でもお楽しみいただけるよう、「おうちde土器のものがたり」と題して、展示の内容をご紹介してまいります。第8回のテーマは「土器の文様の中に隠れる動物2─ヘビ」です。
縄文土器に文様としてヘビが現れるのは、中期初頭になってからです。しかしイノシシと同じくヘビも散発的であってそう多くありません。
中期中頃の勝坂式土器になると文様にヘビが表現されるようになります。とりわけ抽象文と呼ばれる文様の成り立ちをみていくとヘビを表現していることがわかります。この抽象文と呼ばれる文様は、口を大きくあけた頭と大きくわん曲した太く長い胴部にヒレがつき尾は細くのびている、何らかの動物を抽象化したもののようにみえます。
酒呑場遺跡(北杜市)出土・深鉢形土器
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このかたちから想像すると、オオサンショウウオにも似ていることから「サンショウウオ状文」とも呼ばれたり、日本の古典にでてくる水生の生き物である「みずち」になぞらえたりされます。しかしこの文様のはじまりは、三角形の頭と太い胴体からなるヘビであり、これが発展していったのが抽象文になります。おそらくヘビでもその特徴から毒蛇のマムシだろうと考えられています。
ヘビの文様の特徴は、頭が三角形であること、頸があって太く長い胴体をもつことです。抽象文は定型的なかたちのヘビですが、その後ヘビが這いまわったり、とぐろを巻いたり、かま首を上げたりと一定のかたちになりません。しかし、頸部とクビでつながる胴体がわかれば、見分けるのはそんなにむずかしくありません。土器の文様のどれがヘビなのか探してみるとおもしろいかもしれません。
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ヘビは水の神と考えられたり、竜といっしょの神であったり、また男性を思い浮かべるなどいろいろなとらえ方があります。しかし古代では山の神様として記紀に登場します。むかしからマムシは毒蛇としておそれられ、また脱皮することから生まれ変わりの象徴ともなります。土偶の頭の上や人面装飾の上にもヘビがのることがあります。ヘビが擬人化された神様なのでしょうか。縄文時代には土器の文様としてあらわれるので、特別な思いがあったことがわかります。
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県立考古博物館・学芸課
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