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ページID:96952更新日:2024年5月21日
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県立考古博物館では、秋季企画展「縄文土器のものがたり」をご自宅でもお楽しみいただけるよう、「おうちde土器のものがたり」と題して、展示の内容をご紹介してまいります。第10回のテーマは「出産文土器とその意味」です。
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左側と右側を比べますと左側の上部に環状の突起があり、その下に顔が表現されています。これは右側の胴部文様と同じです。このため、左側の土器も右側と同じ様な形であったことが想像されます。右側の土器はフチについた顔が母、胴部の顔が生まれ出ずる胎児であり、出産の情景を文様で表現した、出産文土器と考えられています。
ただし、胴部の顔は左側が平面的であるのに対し、右側は立体的な造形になっています。
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実は出産文土器にはいくつかのバリエーションがあります。左側は胎児の顔が表現されておらず、右側にも顔がなく点があります。
出産文土器の変遷
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出産文土器に描かれた胎児の表現の違いは、出産の過程を示している可能性があります。つまり、土器全体で妊娠した女性をかたどった造形を作り上げながら、胎児の表現を変えることで、妊娠から出産するまでをそれぞれの土器で表現したと考えられます。
県立考古博物館・学芸課
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