トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県立考古博物館 > 資料・展示紹介 > おうちde考古博物館第1回「塩部遺跡出土・人形」
ページID:94696更新日:2024年5月21日
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県立考古博物館では緊急事態宣言に伴う外出自粛の中、皆さまがご自宅でも当館の資料をご覧いただけるよう、特に吉祥や疫病対策に関する考古資料にスポットを当てて紹介してまいります。
今回ご紹介する資料は、甲府市塩部遺跡から出土した「人形(ひとがた)」です。
こちらは人形(ひとがた)に描かれた顔です。人形を用いた平安時代の人々は、自分の穢れや病気を人形にうつして川に流すことで穢れを祓い、病気が治ると信じていました。ひょっとしたら健康になった自分の顔を描いたのかもしれません。
実は考古博物館に展示している人形からは顔の表現が肉眼では分かりません。右側の顔は赤外線ビデオカメラにより墨の痕跡を読み取ったものを図としたものです。
塩部遺跡からはもう1点人形が出土しています(写真・図右側)が、こちらは顔の表現はなく、刃物で傷がつけられています。顔が描かれた人形も左肩が炭化しています。これらの傷や炭化部位は魔物を畏れ、治癒を願った人々が身体にもつ患部なのかもしれません。
想像は膨らみますが、人形に描かれた顔は病気が治癒した喜びの表情にも受け取れます。我々も感染症を克服し、喜びを分かち合いたいですね。
県立考古博物館・学芸課
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