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ページID:88998更新日:2019年3月13日
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西桂町の遺跡0089宮の前遺跡の敷石住居 |
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富士山活動がおよぼした宮の前遺跡周辺様子(西桂町・都留市)~郡内地域を覆う溶岩流と火山灰~富士山の造山活動宮の前遺跡から富士山を望む 富士山の誕生は、それまで長期にわたり温暖であった気候に変化が生じ始め最終氷河期に向かう8万年前頃だと考えられています。ちなみに、この約8万年前には今も盛んに火山活動している木曽御嶽山が大爆発して、山梨県内は言うにおよばず、関東一帯に大量の軽石を降らせています。 宮の前遺跡の曽利式敷石住居跡と観察されたテフラ・スコリア層 2.期は3,200年前から西暦1,707年(宝永の大噴火)までと捉えられています。この時期には、縄文時代後期の大爆発・気候悪化・小海退などがあり間氷期から氷期へと気候が移っていく動きがみられます。富士山では中規模な溶岩の流出や中・小規模な火砕流や火山泥流が発生しています。西桂町史などを紐解くと縄文時代中期後半の曽利3.式期にテフラが降り、2,003年の宮の前遺跡の発掘調査においても、そのテフラやスコリア(火山砕屑物の一種で赤から黒色の多孔質の岩片)が敷石住居跡や配石遺構の上層からも確認されています。 静岡側から見た富士山(右肩に宝永山が見える) 郡内地域に流れ出した泥流や溶岩流 富士山は噴火のほかに数度に渡って山体やその周辺から火砕流・泥流・溶岩流などを流出させています。都留市・西桂町周辺にどのような影響をおよぼしたのでしょうか。御坂山地と道志山地に両脇を挟まれた桂川沿岸が存在しており、その大部分は富士山からの噴出物で覆われています。その代表的なものを古い時期から説明します。 西桂地区を中心とした溶岩流の流れ 1.古富士泥流 2.猿橋溶岩流 都留市田原の滝 4.その他の溶岩流 暮地(くれち)の坂 このように、数万年単位で続く富士山の造山活動は、郡内地域に大きな影響を与えた後に今のところ停止しているように思えます。しかしながら、長い目で見ると、今は休眠して地下深くその力を溜めているのかも知れません。 |
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