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令和5年7月05日(水曜日)
山梨県公安委員会室
議題・報告事項の概要は、次のとおりであり、それぞれ審議した。
刑事企画課犯罪捜査指導支援室長から、「本年7月7日付けの人事異動に伴い、逮捕状、没収保全等を請求することができる司法警察員を指定し、甲府地方裁判所に通知したい。」旨の説明があり、原案どおり決裁された。
運転免許課長から、運転免許の取消処分9件に係る意見の聴取・聴聞について説明があり、原案どおり決裁された。
総務室長から、「定例監査は、地方自治法の規定に基づき、監査委員が毎会計年度1回以上、期日を定め、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行について監査を実施するものであり、今回は、令和4年度を対象期間として行われる。監査日程等は、監査委員事務局職員による予備監査として、7月27日(木曜日)に警察本部全所属(運転免許課を除く。)の書面監査、翌28日(金曜日)に運転免許課の書面監査及び交通安全施設工事等の現地監査が実施され、警察本部各所属の担当者及び会計課員が受監する。同じく、8月16日(水曜日)には、監査委員事務局長等による捜査費関係の書面監査が実施され、会計課監査室長等が対応する。また、9月5日(火曜日)には、委員監査(監査委員による概況聴取)が実施され、本部長、各部(室)長等が受監する予定である。なお、本年度の監査重点事項は、『扶養手当の支給に係る事務処理状況』とされている。参考として、警察署の定例監査は、今年度下期に実施される予定である。」旨の報告があった。
警務部長から、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付とは、『警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律』に基づき、警察官の職務に協力援助した者が災害を受けたとき、その程度に応じて、本人及び遺族に対し、国又は都道府県が必要と認められる給付を行うものであるが、今般、当該給付対象として認定した事案があったので報告する。認定事案の概要は、本年2月21日午前4時50分頃、北杜市地内甲斐駒ヶ岳において、愛知県在住の男性(協力援助者)が山小屋で知り合った同行者と登山をしていたところ、当該同行者が足を滑らせて滑落し、急斜面の途中の立木で止まった状態となったため、これを救助しようと近づいた際、協力援助者自身がバランスを崩して滑落、死亡したものである。給付の内容は、遺族給付年金(被災の翌月から受給権喪失に至るまで)及び葬祭給付金(一時金)であり、いずれも当該男性の配偶者に対して支給することとなる。」旨の報告があった。
生活安全部参事官から、「本事業は、『犯人からの電話に出ない』環境を構築するため、自動通話録音機器を高齢者等に無償で貸し出し、電話詐欺被害を未然に防止するとともに、本機器による抑止効果を検証・周知し、県民が電話詐欺から身を守る機運を醸成するため実施しているものであり、令和3年度からの継続事業として行っている。貸出機器は、着信時のメッセージ自動再生、高音質自動通話録音等のできる自動通話録音機器であり、本年度予算で160台を購入し、累計で355台の運用となる。対象者は、貸出しを希望する概ね65歳以上の高齢者又はその家族とし、希望者多数の場合は、一定の条件に該当する者に対して優先的に貸し出すこととしている。参考に、令和4年中に認知した電話詐欺77件における被害者側の通信手段は、固定電話が85.7%(66件)、うち65歳以上の高齢者は90.9%(60件)と非常に高い割合であり、電話詐欺を抑止するためには、固定電話対策が極めて重要であると考えられる。本事業の検証として、本年3月末までに貸与した機器のうち73台について調査した結果、貸出期間延べ25,422日の間に、警告音声後に架電者が通話することなく未然に切断した件数が6,326件確認された。本事業の効果としては、犯人が肉声を録音されることを恐れて電話を切る、通話開始までに約20秒間かかることから諦めて電話を切る、録音された犯人との通話内容を捜査に活用できる、などが挙げられる。本事業については、県警察ホームページやツイッターのほか、高齢者宅への巡回連絡や防犯講話、各種防犯キャンペーン等、あらゆる警察活動を通じて引き続き広報してまいりたい。」旨の報告があった。
本部長から、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付認定について、今回のように、現場に警察官がいない状況下における災害の認定には、客観的事実の確認等において難しい面も多いが、しっかりと調査を行い認定に結びつけることができた。協力援助者の献身的な行動に、少しでも報いることができれば幸いである。自動通話録音機器貸出事業について、本事業は、固定電話対策の手法や効果を多くの方に知っていただき、高齢者御本人あるいは御家族等による機器の設置促進を図るため実施しているものであることから、さらに多くの方々に体験していただけるよう、積極的に推進してまいりたい。この度、7月7日付けの人事異動により警察庁長官官房付に転出することとなり、山梨県公安委員会への出席も本日が最後となる。1年3か月という短い期間であったが、委員各位には、様々な案件に関して、たくさんの御意見や示唆に富む御質問をいただき、本県警察の運営に活かしていくことができた。今後とも山梨県警察に対する御指摘や叱咤激励をいただければ大変ありがたいと思っている。1年3か月、本当にありがとうございました。」旨の発言があった。
委員から、「自動通話録音機器貸出事業について、本事業は、電話詐欺抑止対策として『犯人からの電話に出ない』環境を構築するための事業であり、より多くの方に周知していくとのことであるが、今後、設置希望者からの相談が多数寄せられると思うので、より県民の身近にある警察署における親身な対応をお願いしたい。本部長には、昨年3月から1年3か月、山梨県警察本部長の重職を全うしていただいたことに心からの敬意と感謝を申し上げたい。本部長のさらなるご活躍を祈念申し上げる。本当にありがとうございました。」旨の発言があった。
委員から、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付認定について、このような事故は、全く思いもしない中で発生するものであり、本給付認定が少しでも御遺族の負担軽減につながれば幸いである。一方で、このような災害は、発生しないことが一番であることから、引き続き山岳遭難防止対策の推進をお願いしたい。自動通話録音機器貸出事業について、本事業の検証からも十分な効果が期待できる装置である。高齢者の被害を少しでも防ぐことができるよう、事業の積極的な推進をお願いしたい。本部長には、山梨県警察のために御尽力をいただいた。どこに行かれても、その手腕を発揮していただけるものと期待申し上げる。心からの感謝を表したい。」旨の発言があった。
委員から、「自動通話録音機器貸出事業について、私の身近でも、どの電話が必要であり、どの電話を警戒するかといったことに心を砕いている様子がうかがえるが、自動通話録音機器は、電話に応答した後でも、怪しいと思った時点で警告を発したり、録音したりということもできるのではないかと思う。検証結果にもあったが、電話詐欺抑止効果は明らかであり、機器の設置も容易であることから、さらに普及していくものと期待している。引き続き事業の積極的な推進をお願いしたい。離任される本部長には、心からの感謝を申し上げたい。本当にありがとうございました。」旨の発言があった。
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