「健康食品」について
健康の維持・増進の基本は、「栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養」です。
その上で、「健康食品」を利用する場合には、知っておきたいポイントがあります。
「健康食品」とは
「健康食品」という言葉は、法令上定義されておらず、「健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの」の総称として用いられています。
「健康食品」には、飲料や菓子類、調味料など一般に飲食される食品と同じ形態のものから、錠剤やカプセルなど医薬品に似た形態のものまでありますが、全て「食品」に位置づけられます。
健康食品のうち、国が定めた安全性と効果に関する基準などに従って機能性が表示されている食品は「保健機能食品」といい、「特定保健用食品」、「栄養機能食品」及び「機能性表示食品」の3種類があります。
出典:消費者庁 「健康食品5つの問題」
保健機能食品(機能性表示食品)について
保健機能食品中の、機能性表示食品は、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる食品です。
特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
いわゆる「健康食品」を利用する際に、知っておきたいポイント
食品安全委員会から、「健康食品」について安全な選択をするために、19のメッセージが出されています。(◆内閣府食品安全委員会 いわゆる「健康食品」に関するメッセージ 2015年12月)
その内、5つのポイントは以下のとおりです。
「食品」であっても安全とは限りません。
- 健康被害のリスクはあらゆる食品にあります。身近な「健康食品」にも健康被害が報告されています。
- 「天然」「ナチュラル」「自然」のものが、安全であるとは限りません。これは食品全般に言えることです。
- 栄養素や食品についての評価は、食生活の変化や科学の進展などにより変わることがあります。健康に良いとされていた成分や食品が、その後、別の面から健康を害するとわかることも少なくありません。
多量に摂ると健康を害するリスクが高まります。
- 錠剤・カプセル・粉末・顆粒の形態のサプリメントは、通常の食品よりも容易に多量を摂ってしまいやすいので注意が必要です。
ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。
- 現在の日本では、通常の食事をしていればビタミン・ミネラルの欠乏症が問題となることはまれであり、ビタミン・ミネラルをサプリメントで補給する必要性を示すデータは今のところありません。健全な食生活が健康の基本です。
- むしろサプリメントからの摂り過ぎが健康被害を起こすことがあります。特にセレン、鉄、ビタミンA、ビタミンDには要注意です。
「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。
- 病気を治すものではないので、自己判断で医薬品から換えることは危険です。
- 品質が不均一、表示通りの成分が入っていない、成分が溶けないなど、問題ある製品もあります。成分量が表示より多かったために健康被害を起こした例があります。
誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。
- 摂取する人の状態や摂取量・摂取期間によって、安全性や効果も変わります。
- 限られた条件での試験、動物や細胞を用いた実験のみでは効果の科学的な根拠にはなりません。口コミや体験談、販売広告などの情報を鵜呑みにせず、信頼のできる情報をもとに、今の自分とって、本当に安全なのか、役立つのかを考えてください。
出典:内閣府食品安全委員会 委員長、座長から国民の皆様へ
参照したい情報源(信頼できる情報源)