ページID:68800更新日:2016年12月8日

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国指定 国宝 絵画

絹本著色達磨図

  • 絹本著色達磨図(けんぽんちゃくしょくだるまず)

昭和28年11月14日指定

所在地 甲州市塩山上於曽2026

所有者又は管理者 向嶽寺

 

南宋画の影響を強く受けた日本人画家が描いたもので、建長寺(神奈川県)蔵の国宝である「絹本淡彩蘭溪道隆像」とともに、わが国における南宋画様式の早期受容の一端を示す貴重な文化財である。法衣が朱であることから、「朱達磨」と呼ばれる。活き活きとした面貌をとらえ、座禅を組む岸壁も重厚な安定感を与えるなど、名手が腕をふるった逸品というべき像である。上方の賛は、建長寺開山であり、讒言に遭い甲斐に配流され、本県甲府市東光寺、韮崎市永岳寺等の開山でもある蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が、朗然居士(ろうぜんこじ)という人物のためにつけたものである。朗然居士が誰であるかは確実にはわからないが、「絹本淡彩蘭溪道隆像」の賛にも朗然居士の記載があり、鎌倉幕府第8代執権の北条時宗とみて差し支えないと考えられる。蘭渓道隆は、中国の宋にあった頃、書家張即之の書を究めてこれをわが国に伝え、蘭渓道隆の書は、門下禅僧らを通じて日本書道に大きな影響を与えた。この達磨図の賛の文化的価値は、この点からも高く評価される。

 

 

 

 

 

 

 

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