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ページID:68803更新日:2016年12月8日
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PA0002 国指定 国宝 絵画 |
昭和30年6月22日指定 所在地 身延町身延3567 所有者又は管理者 久遠寺
夏景山水図は、南禅寺塔頭金地院(京都府)が所蔵する国宝の秋景山水図、冬景山水図と同じく室町幕府三代将軍足利義満の鑑蔵印(所蔵者の印)である「天山」が押されており、八代将軍足利義政に伝えられた、室町将軍のコレクション「東山御物」のひとつである。将軍家蔵品目禄『御物御画目録』にも「四幅 山水 徽宗皇帝」と記され、本来はすでに失われた春景山水図とともに四幅対の四季山水図として、中国の北宋末の徽宗皇帝筆と伝えられてきた。寛文12年(1672年)8月に遠江国(静岡県)浜松城主太田資宗が久遠寺に寄進したことがその箱の蓋(ふた)裏に書かれている。画面からは、松風の音、谷川の流水のひびき、はためく冠のヒモのうなりに耳をかたむけ、山中の静けさの中におきたこれら山水の声を深く楽しむ高士の、自然と同化したような詩情が迫ってくるようである。中国画の中においてもこれほどの優品は、多くを見いだせない名品である。
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