ページID:68996更新日:2015年10月22日

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PC0046

県指定 有形文化財 (絵画)

絹本著色十字架捧持マニ像

  • 絹本著色十字架捧持マニ像 (けんぽんちゃくしょくじゅうじかぼうじまにぞう)

平成25年7月11日指定

所在地 甲州市大和町木賊122(山梨県立博物館寄託)

所有者又は管理者 棲雲寺

  

この絵画は、画面中央の宝壇上、蓮華座に正面を向いて坐し、縦横同じ長さのギリシャ十字形式(ネストリウス派キリスト教)の十字架を捧げ持つマニ像を描いたものである。平成22年(2010)には、世界三大美術館の一つに挙げられるメトロポリタン美術館(アメリカ合衆国 ニューヨーク市)で、中国の元王朝時代の美術品を集めた企画展「フビライハンの世界・中国美術展」にも出品されたことがある。

マニ教絵画で、中国の元王朝時代の遺例は少なく、日本では奈良・大和文華館蔵の「六道図」など本図を含め数点が知られているが、多くはマニ教の終末論、宇宙論、天界を絵画化したものやマニの降誕聖者の説話を描いたもので、本図のように正面向きの礼拝像として描かれたものは、現存資料の中では本図が唯一である。中国で培われた優れた描画技法とあわせ、その価値は高い。

本図が本県に伝来する由縁は、(1)本図を所蔵する天目山棲雲寺(臨済宗建長寺派)の開山である業海本浄(ごっかいほんじょう)が文保2年(1318)に入元し、杭州天目山幻住庵の中峰明本(普応国師)に嗣法し、嘉暦元年(1326)に帰国した際に将来したものか、(2)キリシタン大名であった有馬晴信が、舶載された本図を九州の地においてキリスト像として入手、礼拝していたのを、慶長17年(1612)に甲州に移された際に持参したか、いずれかの可能性が高いと考えられている。

 

 

 

 

 

 

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